orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

評価されないひとり情シスに関するもう一つの視点

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評価されないひとり情シス、辞職した後、社内システムの保守レベルが下がり混乱するというお話。

 

togetter.com

 

私自身も、ひとり情シスを部下にしたり、部下が辞めて代わりに数か月、ひとり情シスになったことがあるので感想を書きます。

この記事と違う感想を持っています。

私が出会った方も、社内を一人で切り盛りされていました。

残業も多いし、その方の周りはいつも、PCの部品やマニュアルなどで散らかっていました。

誰かが手伝おうとしても、何をやっているかわからないし、手伝わないでいいという。

しかし、残業は多いし、作業スケジュールもよくわからない。

依頼したいことが急ぎなので急かすと、不機嫌になる。

ある日、この方、退職する運びとなりました。例によって社内に代わりがいません。仕方ないので私が代わりの人ができるまで、本業とは別に肩代わりすることにしました。

一応、引継ぎのようなものはしたのですが、一言で言えば、ゴミ屋敷の引継ぎです

引き継ぎ書自体が矛盾だらけでした。

同じものが二か所以上にあって、どれが新しいのかわからなかったり。

キャビネットの中に、いつまでも使わないものが大事に保管されていたり。

気分で整理していたと思われ、時期ごとに違う整理のされ方がされていたり。

ただ、その方が多分不幸だったのは、その仕事の粗雑さに対して誰も指導してくれる人がいなかったから、それがまずいことだとは気づけなかったことなのかもしれません。

そして、歴代の評価する人は、援助もせずに、「この人の仕事は品質高くない、しかし社内にいないと困る」ということで中途半端な評価をして終わりにしていたのでしょう。

 

私が実施したのは、記憶を辿ると、以下です。

・業務内容を整理し1つのドキュメントにまとめた。いわゆる今はやりのJob Descriptionのようなもの。サービスレベル定義書と言ってもいいかもしれない。第三者が何の仕事かわかるようにした。また、社内で誰にも見える場所に提示し、社内システムの運用ルールを浸透させた。

・業務内容に基づいた手順書の作成。手順書を見れば一通りできるようにという思いで一つ一つ手順書化した。

・ドキュメントの断捨離。古いドキュメントを凍結し読み取り専用とした。新しくファイルサーバーのフォルダ構造を作り、必要な最新のドキュメントだけとした。

・備品の大掃除。要らないと判断したものを一か所に集め、年末の大掃除で産業廃棄した。

・クラウド化。ほとんどのことをオンプレミスでやる文化があったが、社内で隠れクラウドサービス利用が散見されたので、いっそのこと隠れクラウドサービスを公式にし、オンプレミスを削減していった。

・社内ヒアリング。古い担当の方への不満も含め、生産性を下げるような社内インフラの不備が無いか現場にヒアリング。出来る限り全て対応した。

・社内情報資産の一からの棚卸。どこに何があるかを整理し、混雑しているものは全て再度組みなおした。はたから見ると大掃除に見えたと思う。

これらを一通りやった後、第三者でも理解可能になったと判断し、仕事そのものを新しい担当に引き継ぎました。引き継ぐときは2名に引き継ぎ、ひとり情シスにならないように気を付けました。

 

文に起こすと限りなくスマートに見えるのですが、簡単な作業ではなかったことは記憶しています。なぜ、これらを前任者がやってこなかったのか。正しい方法を知らなかったからというのが主な見方ですが、もう一つあるのかもしれない。わざと属人化させ、第三者に理解させないことで、自分の領域を聖域化したかったのではないか。

残業もやり放題だし、誰からも邪魔されない。仕事の量もコントロールできる。

その方が退職したのだって、その意図が見透かされようとしていたのかもしれないな、と今になったら思います。

自分は重要なことをやっているから評価をしてほしい。その欲求は誰にでもあると思うのですが、この例のようにプロセスがとっちらかっていたら、高い評価は得られないと思われます。

冒頭の記事において、「あの人なにやっているかわからないんだよね」みたいな不当な理由で評価されず・・とあるのですが、私は不当でも何でもないと思います。何をやっているかを社内に可視化し、それについてどんなサービスレベルを保証しているか理解可能にする必要がある。そうしなかったら評価のされようもないというのが私の意見です。評価を諦めているのと同じ意味だと私は思います。