orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

ハイプサイクルが示す 先進テクノロジーと実装スピード高速化現象

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ハイプサイクル

ガートナーが発表した、ハイプサイクルの発表の件に注目しています。

 

ZDNet Japan(2020/8/19)

japan.zdnet.com

米Gartnerは、先進的な技術の最新動向をまとめた「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2020年」を発表した。注目すべき30の先進テクノロジーを取り上げ、この中には「コンポーザブルエンタープライズを実現するもの」「テクノロジーに対する社会の信頼回復を目指すもの」「人間の脳の状態を変化させるもの」が含まれている。

 

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先進テクノロジのハイプ・サイクル:2020年(出典:ガートナー、2020年8月)

 

 

これはこれで納得感があるのですが、もう1つ面白い資料を引用します。2012年にガートナーが出した同様の図です。

 

 

Enterprise Zine(2012/9/6)

enterprisezine.jp

米ガートナーは、「先進テクノロジのハイプ・サイクル:2012年」を8月16日に発表した。そこにおいて、ビッグデータ、3Dプリンティング、アクティビティストリーム、インターネットテレビ、NFC(近距離無線通信)ペイメント、クラウドコンピューティング、メディアタブレットがもっとも急成長しているテクノロジの一部であるとの見解を示した。

 

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出典:ガートナー(2012年8月)

 

 

8年経つとこうもトレンドが変わるのかという内容です。

ただ、中身より、もっと重要なことがあると思います。

2020年のハイプサイクルには、右側の「啓蒙活動期」「生産性の安定期」に入ったテクノロジーが一切ないことです。

これは大事な示唆ではないでしょうか。

IT業界は、ほとんど「過去の資産」で食べている、ということになろうかと考えています。

今、我々の手元にある選択肢は、最新テクノロジーではないのです。8年前のテクノロジーに支えられた内容だということです。

 

良い機会なので、2013年から2019年までを振り返ってみます。

 

 

2013年~2019年のハイプサイクル

2013年

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出典:ガートナー

 

 

2014年

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出典:ガートナー

 

 

2015年

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出典:ガートナー

 

 

2016年

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出典:ガートナー

 

 

2017年

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出典:ガートナー

 

 

2018年

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出典:ガートナー

 

 

2019年

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出典:ガートナー

 

 

考察

毎年ハイプサイクルの絵は出てくるのですが、時間軸で見ていくとどうも、この業界の先進性に対応するスピードが2014年から急にスピードアップした印象です。

なお、AI関連も結局はまだまだ左側(黎明期)であり、幻滅期を乗り越えられたテクノロジーは何一つありません。5Gだってこれから、です。

メディアでAIの話が出るたびに、「ウチの現場はそんなもん、ひとかけらも無くって、レガシーな話ばっかりだよ」とボヤく方がいらっしゃっても、それは何の不思議もありません。

 

この歴史が示す通り、黎明期のテクノロジーは2つしかありません。

①幻滅期を乗り越えられず、あっという間に忘れ去られていく
②超高速で普及し、「啓蒙活動期」「生産性の安定期」すら通過していく

2012年~2014年の先進テクノロジーは2020年には全くいなくなっていますが、上記のパターンがあることが重要です。①のように無くなることもありますが、2016年以降で右側がさっぱり無くなっているのは、実装スピードが超高速になったからではないかと考えています。昔は普及に時間がかかっていたものが、クラウドやSNSのためにあっという間にたくさんの人に知られ、利用スピードが急激になった。

だから、ここ最近は右側に現れる間もなく消え去っているのだと思います。

なお、長期化するコロナ禍がどう影響を及ぼすかについては、来年の絵ではっきりしてくるのではないかと思っています。これだけ行動に制限がかかっていると、ひょっとしたら、来年もほとんど同じ絵が登場しても不思議ではありません。来年が来た段階で、どれだけ人々が動けているかでしょう。