orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

デジタルの限界

f:id:orangeitems:20191006094049j:plain

 

デジタルな世界を生きている

昨日は競馬場に行っていたのですが、気象がおかしくて真夏の様相でした。直射日光が当たっている場所は体感で35度はあったんじゃないかと思います。「10月に東京で夏競馬やっちゃいけねえよ!!」ってどこかのおじいさんが吠えていました。その通りなんですけど気象には勝てません。ジュース二本飲んでソフトクリーム食べて凌ぎましたが結構危険な気候だなと。

さて、普段デジタルの世界にしかいないので、休みの日にデジタルから切り離されてみるといろんな発見があります。とはいえスマホも見るしカーナビも操作するのでデジタルから切り離されているというのは幻想。競馬場もQR決済だったりオッズシステムであったりデジタルの塊です。競馬じゃないですが、この前競輪でシステム障害のため開催自体が中止されたケースがありました。

 

www.chunichi.co.jp

 

世の中どんどんデジタル化が進み、世界そのものがデジタルになっているので、システム使えないのかあ、じゃあ手動でやるかな、と普段楽している職員たちが腕をぐるぐる回し本気を出す・・、のような状況ではなくなっているのが事実です。

コンピュータなりシステムというのは補助的なもので、仕事をまわすのは人間だから、というのはもう古すぎるんだよというのは真実なんだと思います。

昨日はPayPayのシステム障害で、決済自体ができなくなったとか。

 

japanese.engadget.com

 

どんなに現金をたくさん使っても人が現金を受け取りお釣りを返すかぎりは決済が止まることはあり得ないので、デジタルならではだなあと思う次第です。その辺はPayPay使う人も心得ていて、合わせて現金も持ち歩いている人がほとんどなんでしょうが。

 

アナログな世界に思う

競馬場でたくさんの人が行きかい、馬が歩いたり走ったりしていました。天候も基本は晴れていますがたまに雲がかかって薄暗くなったりと様々な表情を見せます。

ゲームの世界ではこのような状況をシミュレーションすることに躍起なのですが、古くはファミコンまでさかのぼると、多くのオブジェクトを表示しようとすると表示がちらちらしました。これはスプライトという技術の限界でした。

 

games.yahoo.co.jp

 

ハードは進化しましたが、複雑なものを表現しようとするとハードウェアが悲鳴を上げるのは変わっていません。処理落ち、と言われ画面がコマ送りのようになったり、表示するオブジェクトの数を減らすことで辻褄を合わせたりして表現することが普通です。

現実をシミュレーションしようとすると、とにかくたくさんの物の動きを一瞬にして処理しなければいけないので、GPUのような単純計算を同時に処理できるデバイスが重宝されるようになってきています。CPUのコア数は4とか12とかいうぐらいのものですが、GPUとなると数千あったりします。現実をより現実にしようと思ったら、たくさんの処理エンジンが必要なのです。

AIやブロックチェーン(特にマイニング)の世界で、GPU不足になったことは記憶に新しいです。

 

crypto.watch.impress.co.jp

 

ですから、昨日の競馬場であったり、もしくは散歩で公園に出かけたりすると思うのが、現実の情報量の多さです。ああ、これを本当にコンピュータでシミュレートしたら間違いなく処理落ちするなと。もしデジタルの世界だけに閉じこもって社会を見て判断していたら、絶対にこれは抜け落ちている情報がたくさんありそうだと気づかされることが多いです。

 

デジタルはかなりの情報を省いている

インターネットで地球の裏側の情報まで見られるようになりましたし、それを処理するコンピュータも無数にあります。まるでデジタルの世界にいると地球全てを把握できているような気持ちになってきますが、間違いなくこれは錯覚です。

コンピュータの資源は有限で、処理できる情報に収めた上で放り込んでやらないと平気で「もうムリ」となるのがデジタルの限界だと思います。

システム障害のかなりの原因がリソース不足だという感覚があります。もちろんテストをしてリリースしているわけで、それでも問題が起こるというのは、リリーズ前後では起こりえなかった状態になるということです。そのほとんどが能力不足に起因します。

いきなりドカンと使われるシステムなんてほぼなくて、やってみたら思ったよりたくさんの使われ方をしたので急に資源が足りなくなりましたということが多いです。

最近のクラウドの成長はその影響であり、クラウド上にはベンダーが無限なリソースを用意しているからいいよね、ということですがそれでも枯渇するから現実社会の情報量の多さはきっと、人間が思っているよりもっともっと巨大です。クラウドだって有限です。ピザ屋にピザ10000枚今欲しいといっても無理なのと同じ理由です。

やっとデータサイエンスなり機械学習なりで、その巨大な情報にアクセスする方法を整えて来たのですがまだそれは始まったばかり。多コアによる並列演算の重要性に気付いた人類のハードウェア進化もまだまだ始まったばかり。

21世紀になってインターネットやスマホで世界を把握した気持ちになっている人々は、間違いなくメディアに踊らされているだけで、まだまだ始まってもいないよなあと、デジタルに切り離されて初めて思う休日でした。