orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

生産性にとらわれすぎて、勉強ができずにフリーズしてはいないか

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たくさんの新しい技術、何から手を付けるか

世の中には五万という技術があって、流行ったかと思えばすぐに廃れるようなことは日常茶飯事です。インフラ仮想化の世界だけ取ってもCloudStackが出て来たかと思えば、OpenStackがやってきて凌駕してしまったし、と思えばDockerがやってきて、今度はKubernetesです。おっとCloud Foundryも忘れないで、という具合で、明日はどこに向かうのかは誰もわかりません。また、一昔前は誰でもMapReduceだHadoopだと言ってたものですが、今はディープラーニングやAIが話題です。取って代わったというよりは、世間の目がそっちに向いていくという意味です。トレンド技術の移り変わりが激しい時代なのは誰しも感じていると思います。

どんなレイヤーのエンジニアであっても、何の勉強をするかは本人の自由なのですが、基礎が身についてきて応用に入り、そしてより最先端の分野に近づくと非常に迷いが生じます。特にエンジニア経験が長くなってくるとその技術の栄枯盛衰の無常さを実感を持ってしることとなります。そのうち、どんどん慎重になって、手を出すことに臆病になっていくのです。せっかく身に着けても業務では使わないだろう、そのうち廃れるだろう。そうやって、新しい技術に手が出せなくなりフリーズしてしまうことを私自身感じています。

過去を思い出してみると・・、今となっては使わない技術をアレコレ勉強していた記憶があります。それは無駄だったかというと直接的には無駄です。ただ、何となく血や肉や骨になっている感はあります。とにかくエネルギーはあって、アレもコレもと手を出していました。おかげで今は専門外でも会話の意味は分かるようになっています。

反省すべきは、無駄かもしれないという警戒心のせいで、結局は何も手を出していない、つまりフリーズしている状態です。どうも経験を重ねるといけません。絶対に役に立つことをやらねばならないという考えに囚われて、無駄を避けてしまうのです。何もしないぐらいなら無駄でも勉強した方がいいよなあと思います。

 

なぜそんなことを思ったか

超長い前置きは、下記の記事を読んで思ったことです。

(半年前の記事ですが、なぜか今日、はてぶでホットエントリーになってました)

 

www.byosoku100.com

彼らは純然たる技術の興味で我々に情報を提供する。が、それが人生のトラップになりそうな時がある。技術を勉強しないよりは良いかもしれない。しかし我々のしょっぱい脳みそは技術の興味本位で埋めるの小さすぎるのだ。善意をもった邪悪により我々凡人は苦しめられる。

 

はたしてそうだろうかと。脳みそってスペースが有限なのか。入れれば入れるだけ入るような気がする。それをあたかも有限のように錯覚することで、無駄となることを恐れ、結局何も入れていないのではないか。

・・・と、私自身の反省も含めて、無駄でもいいからとにかく飛びついてみて、少しはやってみるというのは気を付けるべきことではないかと思いました。せめて入口ぐらいまでは入ってみ他方がいいと思います。例えば無駄に終わっても。

 

でもよくわかる

一番勉強がはかどる条件は、業務に絡めるときですよね。仕事の中で新技術を取り入れれば手を抜くことが許されないし最後までやりきることが求められるので、この技術は絶対にスタンダードになると信じた技術で勝負して、勉強するのが最も身に着けるという尺度では一番の方法です。

そして、いざ仕事として完成させてしまったら、次に、その技術を世の中に広めたい、スタンダードにしたいという意味で各社、技術公開します。これは技術力があるアピールというより、その採用した技術が世の中に広まって欲しいアピールだと思います。スタンダードになると先行した企業が市場で先行者利益を得られるからです。でないと、わざわざ技術公開する意味を感じないのです。有償で仕事をしておいてその技術を無償で公開する意味は、その技術を広めたいことに他ならないと思います。それに第三者が飛びついて、実際はその技術が広まらずしぼんでいったとしても、技術公開した人は決して責められないと思います。逆に広まることだってあるのですから。アピールも自由だし、それに感化されるのも自由です。

このような状況(技術公開があふれる現状)で、わたしもフリーズしかかるときがあり、結局何もしていない自分に気が付くこともあります。上記の記事の言うこともよくわかるのです。結局は大きな意味での「情報処理」が必要なのだと思います。良い情報・普通の情報・悪い情報、札はどこにも貼ってないので、自分で解釈し優先度をつける必要があります。そのためにも、情報自身を忌み嫌うのではなく、情報を取捨選択し良いものを取り入れる力をつけていくしかないんだろうなと思います。またその力を暴走させすぎて、なにも取り入れないことも危険です。

システムエンジニアはかなり日々を戦略的に過ごさないといけないということですね。そういえば、AmazonでIT関連の技術書が50%オフ(2018/10/4まで)になっていますので、勉強したい方はぜひご覧ください。

 

ITロードマップ 2018年版

 

属人化してしまった現場において、システム運用スキルをどうシェアするかという難しい問題

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属人化

システム運用の現場で自分が一番詳しいとして、どんどん仕事を主体的にしていくと、最後は周りに誰もいなくなる。いや、人はいるんだけれども知っているのは自分だけ。結果として仕事が自分にばっかり回ってきて窮地に立たされる。会社はなんで周りに教えてシェアしないのかと、逆に責めてくる。でもシステム運用でのミスオペは致命的で簡単に人に教えて、ハイできる、というものでもない。どうすればいいんだ。

これが属人化の典型シナリオだと思います。このシナリオが具体的に綴られている記事を見て、身につまされました。

 

serihiro.hatenablog.com

見つけてしまうと放っておけない性格ということもあり最優先でこれらの対応をしてしまっていた。お陰で前職で触っていたproductについてはかなり広範囲の知見があり、その行動がそれなりに社内での評価につながっていたのではないかと思われるのだが、一方で今はその行動については後悔している。

 

とてもとっても良くわかります。特に自分が一番スキルが高い場合で、自分と自分以外のメンバーのスキルレベルが大きく離れているときの悩みの種になりますよね。よく手順書を書いておけばいいとか、訓練すればいいとか言います。でもトラブル等について、発生することは千差万別。理解もせず手順書を引っ張り出してきてあれやこれややってしまうと二次被害が発生してしまいます。それなら何もしないでいい、そんな言葉を発してしまったらもはや状況は深刻です。

こんな状況で、何をどうすれば、属人化を乗り越えて組織は強くなれるのでしょうか。

 

私のアイデア

まずは自分が作業するとして、それを他のメンバーに後ろから見てもらうのは一つの方法でしょう。自分の考えをまず話し、その後さまざまな作業についてなぜそうしたいかを伝えながら、作業する。試行錯誤も含めて全部、毎回後ろから見てもらうのです。作業自体を知ることはもちろん有益なのですが、作業以外のところでも学びがあります。例えば、フォルダに資料を保管するときの名前の付け方とか、コピーや圧縮など、ファイル操作一つとっても、有識者のほうがスマートです。経験が少ない人ほど、例えば、CTRL+C/CTRL+X/CTRL+Vなどのショートカットを全く使わないでマウスで操作していたりします。他人のパソコンの使い方を見ていると、思いもよらない操作方法を行いわざわざ手間のかかる操作をしていたりします。ある日、viの操作をみていたら、全然ショートカットコマンドを覚えていないのでマゴマゴしているのを発見したりしました。これも操作を見せてやることで、経験の低い人の発見につながります。

これは、世の中を見回してみて考えると、すし屋の徒弟制度と似ています。寿司を握るどころか包丁も握らせてもらえないで、雑用をしながら達人の後ろでじっと技術を盗むといいます。時代遅れも甚だしいと言われるこの教育方法ですが、私は結局この方法が最適だと思って、私が仕事をするときには未経験者であれ経験者であれ手元を含めて強制的に見せるようにしています。また、大事なポイントは理解しているかこちらからも確認するようにしています。

よく、手順書を渡して作業を経験の少ない人にやらせるような教育方法を取る現場は多いと思うのですが、理解をしないで、本当に手順書に忠実に作業をするだけというパターンが防げません。あんなに作業をやらせたのに、個々のコマンド等の意味を問うとしどろもどろになることがあるのです。

ということで、すし職人の伝統的な教育方法も捨てたものじゃないと私個人は思っています。

 

もしくは

もしくは、外部から超スキルレベルの高い人を連れてくるか・・ですが・・。ほんと人材難です。メンバーの平均スキルレベルを引き上げるような施策を取らないと、属人化にはまり込んでいる人は、益々追い込まれていくものと思います。どんどん手の内をメンバーに晒して、メンバーが盗んだら自分はもっと新しいことをする。そんな発想で厳しいシステム運用の現場を生き抜いていきましょう。

 

「守り」から「攻め」に転換する システム運用完全ガイド(日経BP Next ICT選書)

 

腕を組んで人と話すときにある裏の意味 | 非言語コミュニケーション

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腕を組む話

私も社会人経験が長いのでヒューマン系の研修を何度か受けたことがあります。ヒューマン系というのは例えば管理職とはどうあるべきか、ビジネスをリードするために必要な考え方とは、というような研修です。管理職になるときに研修が必要になる会社もあるのではないでしょうか。記憶の中でも一番豪華なヤツは、温泉観光地に3泊4日の泊まり研修でした。温泉に入れるわけではないですが個室の部屋があてがわれて、何十万もする豪華な研修でした。

技術研修とは違って、ヒューマン系の研修は「まあそういう考え方もあるよね」というようなものもあり、全部が全部自分に影響を与えたわけではないのですが、一部は役に立ったものもあります。そのうちの一つをご紹介します。

「腕を組んで人と話すとき、話し相手に対して無意識に自己防御をしている。例えば、私が腕を組んであなたの話を聞くとします。次に腕を組まないであなたの話を聞くとします。何か変化はありましたか?。腕を組んでいる上司に話をすると、部下は何か否定されるのではないかと不安になってしまいます。強いて、腕を組まないように心がけましょう。」

という、腕を組む否定論です。この教えは、ググったら同様の指摘がいくつか出てきます。

 

心理的防衛?相手の腕組みの仕方で、見抜く心理テク5カ条―腕組みは「拒絶反応」の表れ|「マイナビウーマン」

 

ただ、関連記事に共通して言えるのは、科学的裏付けがないということです。記事の中には占い関連のものもありました。なんとなく法則性はあるけれども、科学的に証明がされたわけではないというレベルの論です。ただ、どうもこの指摘は私は正しいと経験的に思っています。

 

eSportsの集合写真に圧倒的に多い腕組み

最近eSportsという、公開でゲームを行う大会が話題になってますよね。そのチームの写真を見ると、腕組み写真のオンパレードです。

 

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転載元:

http://motigaming.blog.jp/archives/1296511.html

 

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転載元:

http://startuptimes.jp/2016/07/19/12200/

 

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転載元:

https://liquipedia.net/counterstrike/File:G2_Esports_at_DreamHack_Masters_Malm%C3%B6_2016.jpg

 

主観的な意見ですが、どうもこの腕組みには、権威、権力、自信のような非言語的意味が含まれていそうな気がします。お前には負けないぞ、とでも言えばいいのでしょうか。裏を返せば、屈服しない、流されない、拒否する、という意味も含まれそうです。

 

普段から気を付ける

腕を組むことに、上記のような意味があり、非言語的に相手に伝わるとわかっているのであれば、日常生活やビジネスにおいて腕を組むことには何の意味もないことに気が付きます。

私はどちらかと言えば目上の人と話すときに腕を組んでしまいがちです。発言を突っ込まれたくないので自己防衛をしがちなのでしょう。腕を組まないように自分をコントロールしないとなかなか治らない癖でした。

スポーツやeSportsのように、誰かと戦う選手として写真に写るときは、腕を組むのは権威を引き立ててよいのかもしれませんが、日常生活やビジネスでは誰かと明示的に戦うことはしませんからね。

この腕を組む話以外でも、無意識のうちに非言語的なしぐさで、自己防衛をしがちなのが人間です。

・人前で話をするときに、「えー」という相槌を無駄に入れてしまう。
・頭をかいたり、顔を触ったりしてしまう
・ポケットに手を入れてしまう

特に若い人は、自分でも気が付かないうちにそうなっている「癖」に気が付いていないケースがあります。人前でプレゼンなどすると一目瞭然です。ビデオで撮ってみると、思いもよらない癖を発見することもあります。

話す言葉以外に、しぐさやジェスチャーなど非言語的な動作によって、相手の反応が変わるとしたらこれは気を付ける価値があると思います。今回の腕組みしかり、自分の癖を知りコントロールする訓練をすれば、周りの反応もいい方向に変わっていくのかもしれませんね。

 

FBI捜査官が教える「しぐさ」の心理学 (河出文庫)

 

「エンジニアは業務時間外でも勉強するべきか」 | 私の考え方

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IT業界における勉強との付き合い方

インターネットが1996年あたりに急激に日本に普及し、そこからWEBアプリケーション市場が伸長。スマホが2010年あたりにiPhoneの大ヒットで瞬く間にモバイル市場が拡大。モバイルアプリの市場が生まれました。2018年はその延長上にあると思います。

IT業界と一言で言っても、日本ではSIerとWEB系の2つのカテゴリーに分けられることが多く、文化が全く違います。一方で、業界外から見れば差がわからないでしょう。これは中国人と韓国人と日本人は、欧米人から見ると全く見分けがつかないけれども、当人たちからすると「大違いだ。全然彼らとは違う。」と言うようなことなのだと思います。

さて、ここ最近、IT業界において、「業務時間外に勉強しないとIT業界では生き残れないのではないか」という仮説が話題となっています。

 

axia.co.jp

 

この件について、思うところがあるので私の意見をまとめておきます。

 

私の意見

この件、20代と30代と40代で全く話が変わります。

 

20代

まず20代から。

会社に入ってから現場の業務で勉強できると思っている人が少なからずいらっしゃると思います。この考え方は危険なのでやめていただきたいです。サッカーに例えます。会社というのはプロサッカーチームです。公式のサッカーの試合で勝利を収めることが目的です。とはいえ、入社したてでは試合中の戦術であったり局面においての行動論、また練習にあたってのコーチや同僚とのコミュニケーション、それぞれ課題があります。それらについて、日々の練習や試合の中で技術を身に着け立派なサッカー選手になっていくのだと思います。

一方で、先輩やコーチはプロサッカー経験も長く豊富な知識を持っています。若手の教育も仕事の一つであるため、親身になって教えるでしょう。IT業界における教育もこの状況と同じです。

このポイントで最近、発見がありました。プロサッカーチームに入ってくる新人はプロサッカーのことは知らないですがサッカー自体のことはよく知っているでしょう。しかい、IT業界において、サッカーのルールすら知らない人が平気で入社してくるのです。特に日本はその傾向が強く、情報系以外の学科からもIT業界への就職は多いと聞きます。

この状況において、業務時間中に、サッカーのルールをベテランが教えている会社はあるでしょうか。あるかもしれません。しかしそれは、かなり効率が悪いです。サッカーのルールは本に書いてありますし、入社する前に身に着けておくべき内容のように思います。サッカーのルールを学びながら給料ももらえるような会社があるとすれば、それはもはや学校における特待生と変わりはしないのだと思います。

新人、特に非情報系への教育がうまくいかないときはこの点を強く意識すべきだと思います。ベテラン勢はルールは空気のようなもので、それを生かした「業務」という生の知識を新人に教えようとします。しかし、うまくいきません。そもそもルールを知らないので「ちょっと、何を言っているかわからない」のです。したがって新人はどんどんおとなしくなっていくでしょう。ベテランが得意げになって新人に生の現場の有用な知識をいくら伝えても、残念ながらルールを知らないのですからさっぱり理解できないのです。「オフサイドを有効にいかすために、他のディフェンダーとアイコンタクトしながら、敵チームのオーバーラップに合わせて動く」と新人に伝えても、「オフサイド?ディフェンダー?アイコンタクト??オーバーラップ?」となってしまうわけです。一つ一つの言葉の意味を尋ねてみてください。きっとわかっていないでしょう。それがわかった時点でベテランは天を見つめるのです。この人にオフサイドのルールから教えなければいけないのか。と。

したがって、最も良い方法は、「入社前もしくは入社の4月に、基本情報処理技術者試験を取得すること」をお勧めします。業務時間内とか外とかいう前に、まずは業界のルールを覚えて入社することです。

そうすると、現場に入ってから、ベテランがとりあえず何を言ってるかわかります。現場の資料も読めますし、質問もできます。できるための単語を知っているからです。そのようにして業務時間の中でできる勉強効率を最大化できるのです。

一方で、現場の内外で興味を持ったトピックで、今後自分の武器にできると思ったものがあれば、時間外を使って勉強すべきでしょう。30代以降の自分の武器になります。20代のうちに同世代と差別化できた人が、30代以降で大きく活躍します。また、基本情報処理試験の先の高度情報処理試験についても20代のうちにある程度クリアしたほうがいいと思います。基本の上に高度があり、そのうえで業務に臨めば理解度が数倍違います。

結論です。

20代は業務時間外の勉強うんぬんより、まずはルールを覚えて業界に入るべし。もし現役で基礎が不足している自覚があるなら、業務時間外で必死に取り戻そう。そうしないと業務時間の学習効率が低下し身にならず30代以降勝負ができない。基礎を充実することで、業務時間内は業務から学べる効率を最大化しよう。

ということです。基礎をやらなくて20代でIT業界から退場していく若手を過去何人も見ました。ルールがわからないと試合がわかりません。

 

30代

IT業界で30代まで生き残れた人は、少なくともルールは覚えていると思います。それなりに20代で勉強もしているはずです。しかし、中にはばったり成長が止まる人がいます。これは日々変わらない業務に満足し、無限ループに陥っている場合です。

会社の中で役割や立場も得ていますし、20代から身に着けた業務知識で現状維持ができやすくなります。ここが罠です。このまま継続すると、40代で給与が伸びません。これは人生の選択だと思います。もし活躍を思うのなら、30代の自身の業務について、無限ループにハマったと思ったら環境を変えるなどの検討が必要です。部署移動、プロジェクト変更、それとも転職活動かもしれません。会社を立ち上げる人もいます。何しろ30代は体力的にも精神的にも最も充実している年代だと思います。無理のない範囲で業務はチャレンジングなものにすべきかと思います。

業務でガツガツ働くと、業務時間外に勉強するのはハードルが高いかと思います。ITニュースを逐一みて情報をアップデートしたり、ヒットしそうな領域を趣味でカバーしたりなど、あくまでも余力で知識を拡充する時期だと思います。あまりにも業務時間外に勉強に比重をかけている人は、業務時間内に学習ができているのかを見直した方がいいと思います。

私自身としても、30代はかなり重い仕事をして、貴重な経験を得ることができました。一方業務時間外に勉強した記憶はあまりないですね。仕事が重すぎて勉強どころではなかった。

 

40代

私もいまこの世代ですが、勉強するとかしないとかが問われるときは全くありません。仕事ができることが大前提です。40代で仕事ができない、それが勉強不足に起因していると信用失墜です。高く売れる40代は、高いスキルレベルを主張できるのが当然です。

強く結果が求められますから、そのために必要だと思えば勉強もするでしょうし、しかも勉強していることを悟られてもいけません。20代30代に、「ああこの人知識ないんだな、管理職のおじさんなんだ」と思われたら私は技術者として終了してしまうと思います。

このタイミングにおいては、本になっているようなことはほぼマスターしていて、本が出る前の若い情報をネットでアップデートして、業界の最先端で仕事できるイメージが必要ではないかと思います。

 

まとめ

・・ということで、「エンジニアは業務時間外で勉強すべきか」という問いに対しては、年齢によって大きく答えが異なることを主張しました。会社から「業務時間外に勉強しないとエンジニアとしてやっていけないぞ!」と言われるとカチンと来る人はいらっしゃると思います。それは言い方が悪いのかなと。効率を追求すれば業務時間内でほぼ勉強ができるようになると思います。それは30代から40代にかけて、自分の裁量が大きくなったときに実現するのであり、そこに至るまでは業務時間外も使って基礎をしっかり身に着けるべきかと思います。もっと言えば、学生の時に基礎を身に着けた人が最も強いですね。日本もそろそろそうなってきてもいいんじゃないかと思うのですが。情報学科は日本の大学全体の進路先としてまだまだマイナーですよね。

 

キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者 平成30年度 (情報処理技術者試験)

 

 

NECで何が起きているのか | できる限り事実確認してみた

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はじめに

「NECで何が起きているのか」というはてな匿名ダイアリーの記事が注目を集めています(消されるかもしれませんが)。

 

anond.hatelabo.jp

 

あくまでもフィクションとして読んではいますが、文脈を理解するために個々のトピックについて、事実確認していきたいと思います。

 

できる限り事実確認してみた

大手6社・・・

システムインテグレーターの大手6社に数えられるNEC

 

解釈が難しいのですが、下記の記事はニュアンスが合っています。まあ、NTTデータ、富士通、NECはどんな切り口でも6社に入ってくるでしょう。

 

tech.nikkeibp.co.jp

検討会はNTTデータと富士通が「1年ほど前から設立検討を開始し、昨年末に呼びかけを始めた」(同)。2社以外に、NEC、日立製作所、三菱電機インフォメーションシステムズ、OKIが参加する。

 

E氏、未来創造会議

E氏はNEC常務となり、CTOとなった。(中略)そして未来創造会議というような、何ら結論の出ないものに露出するようになった。

 

このことですね。

future.nec

 

ちなみに、2018年11月に結論を出すように見えます。

future.nec

2050年に向けて人が豊かに生きる未来像をNECの視点で描き、NECがやるべきことを考え、11月の第3回目の会議では、「私たちはこれをやります」と発表できればと思っています

 

従って、この会議体が無用かどうかはまだわからないと思うのですが、研究部門や事業部門の現場からは何をやっているのか見えずらいのかもしれませんね。

 

漫画雑誌の企画会議

漫画雑誌の企画会議ですらもっとマシなものだろう。

 

少なくとも漫画雑誌の企画会議はマシだと思います。比較するものでもないかなと。

jinji.shogakukan.co.jp

雑誌発売の約2か月前、企画を持ち寄り編集会議
1人15~20本の企画案を出すのが通例。企画は取材中に面白いと感じたことやさまざまなシーンで入手した情報をもとに、自身で下調べをして作成します。編集会議には編集長、副編集長、編集者、広告担当者、ネット担当者などが出席。取り上げる企画やページ数、並び順が決定したら、企画を担当する編集と編集長でさらに打ち合わせを重ねます。

 

橋梁構造物の劣化診断

数年前、橋梁構造物の劣化診断という技術が日経新聞に掲載された。

 

これですね。

tech.nikkeibp.co.jp

NECは2014年12月9日、道路橋など構造物の表面をカメラで撮影し、内部の劣化状態を推定できる技術を開発したと発表した。撮影した動画から、構造物の微小な振動を計測して劣化状態を分析する。従来の点検方法では、熟練の保守員が橋のコンクリート部分をたたいて、異常音を確認していた。道路管理の事業者に診断結果や保全計画を提案するなど、2015年度中に実用化を目指す。

 

2015年度中の実用化がなくなった・・ということでしょう。無くなったこと自体の記事はありませんが、実用化したという記事もありません。

 

ちなみに、富士通が現在実用化を目指しているという記事。

eetimes.jp

富士通は引き続き、実際の橋に生じる振動データを用いた実証実験を重ねていく。2018年ごろには、開発した技術の社会実装を目指していく計画である。

 

談合

ここ数年のNECでもっともインパクトがあった事象は2件の談合による指名停止であろう。

 

1件目。

www.nikkei.com

 

2件目。

www.sankei.com

 

人事

前期の大幅に未達だった中期計画の責任者だった遠藤元社長は会長になり、その策定の中心人物だった新野副社長は社長となった。

 

中期計画未達の話はこれです。

japan.zdnet.com

2010年3月の社長就任会見では、遠藤社長の登板を「中期経営計画を確実に実行することが肝要であり、そのための若返り」と、前任の矢野薫会長が説明。遠藤社長も「収益を中心に物事を考える。中期経営計画の利益計画は必達目標」と宣言していただけに、果たせない想いは忸怩たるものがあるだろう。

 

人事の話はこれです。

tech.nikkeibp.co.jp

「企業経営には継続性が欠かせない。だから彼を選んだ」――。NECが2015年12月25日に開いた社長交代会見。遠藤信博社長は、現副社長の新野隆氏を後継者に指名した理由をこう語った。
 新野氏は遠藤氏の1歳年下で、“右腕”と呼んできた存在。NECは社会ソリューション事業を柱とする成長戦略を掲げるが、現経営陣の中心メンバーとして推進してきたのが新野氏だった。あえて経営トップの若返りを図らず、経営方針を継承し社会ソリューション事業に注力する路線を選んだというわけだ(写真)。

 

言いたいことはわかります。 

 

グローバルビジネス

グローバルビジネスの低迷。これからのNECの生命線とまで言われていたグローバルBU。彼らは海外売上比率を25%を目指すと宣言していた。

 

確かに目指しています。

jpn.nec.com

当社はこれらの施策により、当年度の海外売上高4,831億円を2016年3月期に7,500億円まで拡大し、目標とする海外売上高比率25%が視野に入る水準に引き上げていきます。

 

実際に2017年度は26.0%と達成しています。

jpn.nec.com

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2017年度はイギリスの企業をM&Aしましたからね。

tech.nikkeibp.co.jp

 

遅ればせながら達成しているので、この点は把握すべきかと。

 

3000人のリストラ

折しも今年は3000人のリストラを掲げ、断固と構造改革を実施する覚悟を強調する新野社長。

 

toyokeizai.net

「今回(のリストラ)は間接要員が中心となる。3000人をやりきるのは容易ではない。減ったあとの人員で回るようにプロセス変更も必要になる」。

 

現在の進捗まではわかりません。

 

降格制度が存在しない

そして残ったのは、管理職不適格でありながらも、降格制度が存在しないことによる吹き溜まりである。

 

これは私も、下記の記事が出た時にびっくりした記憶があります。
www.nikkei.com

新制度を導入することにより、まず幹部層から改めて競争意識を植え付ける。新野氏は執行役員の評価に交代や降格がないことに疑問を呈しており、「緩く優しい制度が残っている」と指摘していた。

 

これは新野社長自らおっしゃっていることですね。

 

感想

元記事も、上記のとおり正しい事実のものもあれば、多少は脚色や誤解がある部分もあるように見受けられます。ただ的を得ていると思うところもあります。業績が良くないのに上層部が責任を取らないように見える、という主張が見える点については、そうなのかもしれないと思いました。

少なくとも事実の積み重ねは必要かと思いますので、裏が取れない部分はあくまでもフィクションとして捉えるに越したことはないと思います。

 

ちなみに、ここ最近のNEC新野社長のインタビューもご紹介しておきます。

japan.zdnet.com

 

今年度の決算を持って結果を見ます。数字は正直ですからね。 中間が出るころには詳細が見えてくるのではないかと思っています。

 

NEC タマネギ経営の果て(週刊ダイヤモンド特集BOOKS Vol.345)