orangeitems’s diary

クラウドではたらくエンジニアの日々の感想です。

「エンジニアは業務時間外でも勉強するべきか」 | 私の考え方

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IT業界における勉強との付き合い方

インターネットが1996年あたりに急激に日本に普及し、そこからWEBアプリケーション市場が伸長。スマホが2010年あたりにiPhoneの大ヒットで瞬く間にモバイル市場が拡大。モバイルアプリの市場が生まれました。2018年はその延長上にあると思います。

IT業界と一言で言っても、日本ではSIerとWEB系の2つのカテゴリーに分けられることが多く、文化が全く違います。一方で、業界外から見れば差がわからないでしょう。これは中国人と韓国人と日本人は、欧米人から見ると全く見分けがつかないけれども、当人たちからすると「大違いだ。全然彼らとは違う。」と言うようなことなのだと思います。

さて、ここ最近、IT業界において、「業務時間外に勉強しないとIT業界では生き残れないのではないか」という仮説が話題となっています。

 

axia.co.jp

 

この件について、思うところがあるので私の意見をまとめておきます。

 

私の意見

この件、20代と30代と40代で全く話が変わります。

 

20代

まず20代から。

会社に入ってから現場の業務で勉強できると思っている人が少なからずいらっしゃると思います。この考え方は危険なのでやめていただきたいです。サッカーに例えます。会社というのはプロサッカーチームです。公式のサッカーの試合で勝利を収めることが目的です。とはいえ、入社したてでは試合中の戦術であったり局面においての行動論、また練習にあたってのコーチや同僚とのコミュニケーション、それぞれ課題があります。それらについて、日々の練習や試合の中で技術を身に着け立派なサッカー選手になっていくのだと思います。

一方で、先輩やコーチはプロサッカー経験も長く豊富な知識を持っています。若手の教育も仕事の一つであるため、親身になって教えるでしょう。IT業界における教育もこの状況と同じです。

このポイントで最近、発見がありました。プロサッカーチームに入ってくる新人はプロサッカーのことは知らないですがサッカー自体のことはよく知っているでしょう。しかい、IT業界において、サッカーのルールすら知らない人が平気で入社してくるのです。特に日本はその傾向が強く、情報系以外の学科からもIT業界への就職は多いと聞きます。

この状況において、業務時間中に、サッカーのルールをベテランが教えている会社はあるでしょうか。あるかもしれません。しかしそれは、かなり効率が悪いです。サッカーのルールは本に書いてありますし、入社する前に身に着けておくべき内容のように思います。サッカーのルールを学びながら給料ももらえるような会社があるとすれば、それはもはや学校における特待生と変わりはしないのだと思います。

新人、特に非情報系への教育がうまくいかないときはこの点を強く意識すべきだと思います。ベテラン勢はルールは空気のようなもので、それを生かした「業務」という生の知識を新人に教えようとします。しかし、うまくいきません。そもそもルールを知らないので「ちょっと、何を言っているかわからない」のです。したがって新人はどんどんおとなしくなっていくでしょう。ベテランが得意げになって新人に生の現場の有用な知識をいくら伝えても、残念ながらルールを知らないのですからさっぱり理解できないのです。「オフサイドを有効にいかすために、他のディフェンダーとアイコンタクトしながら、敵チームのオーバーラップに合わせて動く」と新人に伝えても、「オフサイド?ディフェンダー?アイコンタクト??オーバーラップ?」となってしまうわけです。一つ一つの言葉の意味を尋ねてみてください。きっとわかっていないでしょう。それがわかった時点でベテランは天を見つめるのです。この人にオフサイドのルールから教えなければいけないのか。と。

したがって、最も良い方法は、「入社前もしくは入社の4月に、基本情報処理技術者試験を取得すること」をお勧めします。業務時間内とか外とかいう前に、まずは業界のルールを覚えて入社することです。

そうすると、現場に入ってから、ベテランがとりあえず何を言ってるかわかります。現場の資料も読めますし、質問もできます。できるための単語を知っているからです。そのようにして業務時間の中でできる勉強効率を最大化できるのです。

一方で、現場の内外で興味を持ったトピックで、今後自分の武器にできると思ったものがあれば、時間外を使って勉強すべきでしょう。30代以降の自分の武器になります。20代のうちに同世代と差別化できた人が、30代以降で大きく活躍します。また、基本情報処理試験の先の高度情報処理試験についても20代のうちにある程度クリアしたほうがいいと思います。基本の上に高度があり、そのうえで業務に臨めば理解度が数倍違います。

結論です。

20代は業務時間外の勉強うんぬんより、まずはルールを覚えて業界に入るべし。もし現役で基礎が不足している自覚があるなら、業務時間外で必死に取り戻そう。そうしないと業務時間の学習効率が低下し身にならず30代以降勝負ができない。基礎を充実することで、業務時間内は業務から学べる効率を最大化しよう。

ということです。基礎をやらなくて20代でIT業界から退場していく若手を過去何人も見ました。ルールがわからないと試合がわかりません。

 

30代

IT業界で30代まで生き残れた人は、少なくともルールは覚えていると思います。それなりに20代で勉強もしているはずです。しかし、中にはばったり成長が止まる人がいます。これは日々変わらない業務に満足し、無限ループに陥っている場合です。

会社の中で役割や立場も得ていますし、20代から身に着けた業務知識で現状維持ができやすくなります。ここが罠です。このまま継続すると、40代で給与が伸びません。これは人生の選択だと思います。もし活躍を思うのなら、30代の自身の業務について、無限ループにハマったと思ったら環境を変えるなどの検討が必要です。部署移動、プロジェクト変更、それとも転職活動かもしれません。会社を立ち上げる人もいます。何しろ30代は体力的にも精神的にも最も充実している年代だと思います。無理のない範囲で業務はチャレンジングなものにすべきかと思います。

業務でガツガツ働くと、業務時間外に勉強するのはハードルが高いかと思います。ITニュースを逐一みて情報をアップデートしたり、ヒットしそうな領域を趣味でカバーしたりなど、あくまでも余力で知識を拡充する時期だと思います。あまりにも業務時間外に勉強に比重をかけている人は、業務時間内に学習ができているのかを見直した方がいいと思います。

私自身としても、30代はかなり重い仕事をして、貴重な経験を得ることができました。一方業務時間外に勉強した記憶はあまりないですね。仕事が重すぎて勉強どころではなかった。

 

40代

私もいまこの世代ですが、勉強するとかしないとかが問われるときは全くありません。仕事ができることが大前提です。40代で仕事ができない、それが勉強不足に起因していると信用失墜です。高く売れる40代は、高いスキルレベルを主張できるのが当然です。

強く結果が求められますから、そのために必要だと思えば勉強もするでしょうし、しかも勉強していることを悟られてもいけません。20代30代に、「ああこの人知識ないんだな、管理職のおじさんなんだ」と思われたら私は技術者として終了してしまうと思います。

このタイミングにおいては、本になっているようなことはほぼマスターしていて、本が出る前の若い情報をネットでアップデートして、業界の最先端で仕事できるイメージが必要ではないかと思います。

 

まとめ

・・ということで、「エンジニアは業務時間外で勉強すべきか」という問いに対しては、年齢によって大きく答えが異なることを主張しました。会社から「業務時間外に勉強しないとエンジニアとしてやっていけないぞ!」と言われるとカチンと来る人はいらっしゃると思います。それは言い方が悪いのかなと。効率を追求すれば業務時間内でほぼ勉強ができるようになると思います。それは30代から40代にかけて、自分の裁量が大きくなったときに実現するのであり、そこに至るまでは業務時間外も使って基礎をしっかり身に着けるべきかと思います。もっと言えば、学生の時に基礎を身に着けた人が最も強いですね。日本もそろそろそうなってきてもいいんじゃないかと思うのですが。情報学科は日本の大学全体の進路先としてまだまだマイナーですよね。

 

キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者 平成30年度 (情報処理技術者試験)