はじめに
「NECで何が起きているのか」というはてな匿名ダイアリーの記事が注目を集めています(消されるかもしれませんが)。
あくまでもフィクションとして読んではいますが、文脈を理解するために個々のトピックについて、事実確認していきたいと思います。
できる限り事実確認してみた
大手6社・・・
システムインテグレーターの大手6社に数えられるNEC
解釈が難しいのですが、下記の記事はニュアンスが合っています。まあ、NTTデータ、富士通、NECはどんな切り口でも6社に入ってくるでしょう。
検討会はNTTデータと富士通が「1年ほど前から設立検討を開始し、昨年末に呼びかけを始めた」(同)。2社以外に、NEC、日立製作所、三菱電機インフォメーションシステムズ、OKIが参加する。
E氏、未来創造会議
E氏はNEC常務となり、CTOとなった。(中略)そして未来創造会議というような、何ら結論の出ないものに露出するようになった。
このことですね。
ちなみに、2018年11月に結論を出すように見えます。
2050年に向けて人が豊かに生きる未来像をNECの視点で描き、NECがやるべきことを考え、11月の第3回目の会議では、「私たちはこれをやります」と発表できればと思っています
従って、この会議体が無用かどうかはまだわからないと思うのですが、研究部門や事業部門の現場からは何をやっているのか見えずらいのかもしれませんね。
漫画雑誌の企画会議
漫画雑誌の企画会議ですらもっとマシなものだろう。
少なくとも漫画雑誌の企画会議はマシだと思います。比較するものでもないかなと。
雑誌発売の約2か月前、企画を持ち寄り編集会議
1人15~20本の企画案を出すのが通例。企画は取材中に面白いと感じたことやさまざまなシーンで入手した情報をもとに、自身で下調べをして作成します。編集会議には編集長、副編集長、編集者、広告担当者、ネット担当者などが出席。取り上げる企画やページ数、並び順が決定したら、企画を担当する編集と編集長でさらに打ち合わせを重ねます。
橋梁構造物の劣化診断
数年前、橋梁構造物の劣化診断という技術が日経新聞に掲載された。
これですね。
NECは2014年12月9日、道路橋など構造物の表面をカメラで撮影し、内部の劣化状態を推定できる技術を開発したと発表した。撮影した動画から、構造物の微小な振動を計測して劣化状態を分析する。従来の点検方法では、熟練の保守員が橋のコンクリート部分をたたいて、異常音を確認していた。道路管理の事業者に診断結果や保全計画を提案するなど、2015年度中に実用化を目指す。
2015年度中の実用化がなくなった・・ということでしょう。無くなったこと自体の記事はありませんが、実用化したという記事もありません。
ちなみに、富士通が現在実用化を目指しているという記事。
富士通は引き続き、実際の橋に生じる振動データを用いた実証実験を重ねていく。2018年ごろには、開発した技術の社会実装を目指していく計画である。
談合
ここ数年のNECでもっともインパクトがあった事象は2件の談合による指名停止であろう。
1件目。
2件目。
人事
前期の大幅に未達だった中期計画の責任者だった遠藤元社長は会長になり、その策定の中心人物だった新野副社長は社長となった。
中期計画未達の話はこれです。
2010年3月の社長就任会見では、遠藤社長の登板を「中期経営計画を確実に実行することが肝要であり、そのための若返り」と、前任の矢野薫会長が説明。遠藤社長も「収益を中心に物事を考える。中期経営計画の利益計画は必達目標」と宣言していただけに、果たせない想いは忸怩たるものがあるだろう。
人事の話はこれです。
「企業経営には継続性が欠かせない。だから彼を選んだ」――。NECが2015年12月25日に開いた社長交代会見。遠藤信博社長は、現副社長の新野隆氏を後継者に指名した理由をこう語った。
新野氏は遠藤氏の1歳年下で、“右腕”と呼んできた存在。NECは社会ソリューション事業を柱とする成長戦略を掲げるが、現経営陣の中心メンバーとして推進してきたのが新野氏だった。あえて経営トップの若返りを図らず、経営方針を継承し社会ソリューション事業に注力する路線を選んだというわけだ(写真)。
言いたいことはわかります。
グローバルビジネス
グローバルビジネスの低迷。これからのNECの生命線とまで言われていたグローバルBU。彼らは海外売上比率を25%を目指すと宣言していた。
確かに目指しています。
当社はこれらの施策により、当年度の海外売上高4,831億円を2016年3月期に7,500億円まで拡大し、目標とする海外売上高比率25%が視野に入る水準に引き上げていきます。
実際に2017年度は26.0%と達成しています。
2017年度はイギリスの企業をM&Aしましたからね。
遅ればせながら達成しているので、この点は把握すべきかと。
3000人のリストラ
折しも今年は3000人のリストラを掲げ、断固と構造改革を実施する覚悟を強調する新野社長。
「今回(のリストラ)は間接要員が中心となる。3000人をやりきるのは容易ではない。減ったあとの人員で回るようにプロセス変更も必要になる」。
現在の進捗まではわかりません。
降格制度が存在しない
そして残ったのは、管理職不適格でありながらも、降格制度が存在しないことによる吹き溜まりである。
これは私も、下記の記事が出た時にびっくりした記憶があります。
www.nikkei.com
新制度を導入することにより、まず幹部層から改めて競争意識を植え付ける。新野氏は執行役員の評価に交代や降格がないことに疑問を呈しており、「緩く優しい制度が残っている」と指摘していた。
これは新野社長自らおっしゃっていることですね。
感想
元記事も、上記のとおり正しい事実のものもあれば、多少は脚色や誤解がある部分もあるように見受けられます。ただ的を得ていると思うところもあります。業績が良くないのに上層部が責任を取らないように見える、という主張が見える点については、そうなのかもしれないと思いました。
少なくとも事実の積み重ねは必要かと思いますので、裏が取れない部分はあくまでもフィクションとして捉えるに越したことはないと思います。
ちなみに、ここ最近のNEC新野社長のインタビューもご紹介しておきます。
今年度の決算を持って結果を見ます。数字は正直ですからね。 中間が出るころには詳細が見えてくるのではないかと思っています。
NEC タマネギ経営の果て(週刊ダイヤモンド特集BOOKS Vol.345)