どうすればAIを使えるのか
AI関連のプロダクトも増えてきて、レガシーなIT業界に二十年超生きてきた私も少し焦りを感じています。既存のSIの仕事は好調ですが、一方で全くAI関連にはついていけていないのが現状です。
さて、では機械学習やディープラーニングを学ぶために、数学を一から学ぶかというとこの道は果てしなく明らかにジョブチェンジとなり、これまでの経験が活かせないとなります。何かショートカットを見つけないと、もともと数学をきちんと学んできてこれをAIの分野に行かす学生には勝てはしないかなと思っています。大学生レベルどころか、高校一年生レベルからやり直さないといけない予感です。
ただ、AIの研究者レベルにはもともとなりたいとは思わず、単にSIの中で使いこなせればいいなというレベルが目標です。これまで新しい分野が出てきたらソフトウェアを買ってマニュアルを読んで導入していったように、AIもサクッと使えないのか。どうにもこうにも数学とPythonのコラボレーションが立ちはだかり途方に暮れていました。
先人に学ぼう
こういう時は、エキスパートの見解が役に立ちます。エキスパートはたくさんの回り道をしながら山を登ってきたのでいろんな道を知っています。また現状の様々な変化について正確に洞察することができます。興味深い対談記事を読みました。
このような状況の変化のなかで、門前氏は「最近ではGCPのCloud AutoMLが登場し、精度の高いデータを入れると、本当に簡単に良い機械学習モデルができる状況です。AutoMLによって、Kaggle(世界最大規模の機械学習コンペティション)でメダルが取れるぐらいになってくると、今後は研究機関(部門)の役割が変わってきそうな気もしています」と語り、久保氏に見解を求めた。
「これほど早く安く自動的にモデルがつくれるとは思っていませんでした。データがあれば、エンジニアも不要になってしまいます。そこで研究の位置づけとなるロードマップがないと対応できなくなります。どんなテーマを設定しても、あっという間に時代遅れになる可能性があるのです。事業コアを持っていないと、今の時代は研究を続けることも難しいと感じます」(久保氏)
この記事に衝撃を受けたのは、今はCloud AutoMLというサービスを使うと、
・早く
・安く
・自動的に
モデルを作れるということです。エンジニアも不要になる。
つまり、私の考える「AIを使えるようになる」というのはCloud AutoMLを利用できるようになることによってああ、達成できてしまうのかという事実です。
強烈にAutoMLに興味を持ったのでこのラーニングパスを考えてみます。
AutoMLとは
登場したのは2018/1/17でした。
今日(米国時間1/17)、Googleはいくつかの重要な発表をしたが、 AutoML Visionのα版公開もその一つだ。このサービスはML(機械学習)についてまったく経験のない層も含めたデベロッパーに対して、カスタマイズされた画像認識モデルの構築を可能にする。Googleではカスタム機械学習モデルをAutoMLと名付け、画像認識以外の分野に応用を拡大していく計画だ。
Googleによれば、AutoMLの基本的なコンセプトは、高度なプログラミングの能力を必要とせず、誰でも画像をアップロードするとGoogleのシステムが自動的に機械学習モデルを作成してくれるというものだ。
結局のところ、数学・Python・機械学習・・と地道に学習したAIエンジニアの部分を全てクラウド側で吸収してくれる。またそのためのコンピューティングリソースもGoogleが用意し安く利用してくれるというものです。
さて、上記の発表から20カ月が経っています。どのように現在は変化しているのでしょうか。
AutoMLの概要
現在、GCPのAutoMLはベータ版ですが一般利用ができます。以下のサービスに分かれています。
視力
・AutoML Vision・・・クラウド内またはエッジにある画像から分析情報を引き出します。
・AutoML Video Intelligence・・・強力なコンテンツ検出機能と没入感のある動画体験を可能にします。
言語
・AutoML Natural Language・・・機械学習によって、テキスト構造とその意味を明らかにします。
・AutoML Translation・・・動的に言語を検知し、翻訳します。
構造化データ
・AutoML Tables・・・構造化データに基づいた最先端の機械学習モデルを自動的にビルドおよびデプロイします。
特に、AutoML Tablesは既存のデータを適合させやすく期待しています。
以下、AutoMLのランディングページです。GCPは各プロダクトに入門ページまで作成してくれていて、いきなりハンズオンで学習し始めることができます。
事例(使ってみた)
先日のGoogle Cloud Next 2019 で発表されたいくつかのサービスの中にAutoML Tablesがあった。表形式のデータをノンプログラミングで分析できるプラットフォームらしい。Azure Machine Learning Studioとどう違うのか気になったのでつかってみることにした。
AutoML Tablesは現在ベータ版でQuick Startに沿ってやってみようと思う。予測精度の検証はよくわからないのでとりあえず使い方のみで。
2018年9月にサンフランシスコで開催されたGoogle Cloud Next ’18において、「Cloud AutoML Vision」のBETAリリースが発表されました。
Cloud AutoML Visionは、機械学習に関する高度な知識を持たずとも独自の画像認識モデルを作れるサービスとなっており、AIの民主化を掲げるGoogle Cloudを象徴するサービスとして注目が高まっています。本当に高度な機械学習知識を持たずとも画像認識モデルが作れるのか、全くプログラミングができない私が実際にCloud AutoML Visionを使ってモデルを作ってみました。
本業や趣味でGCP, Actions on Google, Androidなどの技術を触っている fish です🐟
Cloud Auto ML Visionを使って
カレイの種類を識別してみたので、その結果を紹介したいと思います。
さて、先月、Googleから「Cloud AutoML Natural Language」というAI構築サービスがβ版として公開されました。(以下、AutoML)
このAutoMLはすでにリリースされている「Cloud Natural Language」と何が違うのかというと、
AutoMLは文書に対してラベリングができる
とのことです。文に対するラベリングというとWatsonのNatural Language Classifier(以下、NLC)が近いサービスになるけど、まずは試してみました。
感想
「機械学習の専門知識が限られていても、ビジネスニーズに合った高品質のモデルをトレーニングできます」というのは大変ありがたい。本当に数学+Python+機械学習まで極めているAIエンジニアは非常に数が少なく、かつ勉強コストも非常に高い印象です。入口までは何とか来れるけれども、どうにも他のスキルのように、レッスンを積み上げていったら自動的に利用できるというわけではない。
Googleだけではなく他のベンダーもこのビジョンに取り組んでいるのは存じていて、いろいろと見た中でまずはこのGCPのCloud AutoMLは非常に間口が広いなと思った次第です。
また先日ご紹介したUdemyにて、以下のオンライン講座も受けられます。
はじめての AI Offered by Grow with Google
Google Cloudの無料枠を使って、ぜひ私も夏季休暇に試してみたいと思います。