orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

インフラエンジニア必見 ローカル5GがITインフラを変える

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ローカル5G

日経新聞で発見したローカル5Gの記事はとても面白いと思いました。まだ、あまりこの技術の可能性を現実的に捉えている方は少ないと思いますので特集しておきます。

 

www.nikkei.com

敷地内限定なら誰でも携帯電話事業者になれる――。次世代通信規格「5G」で日本は世界に先駆け革新的な制度を導入する。総務省は年内にも工場やビルの敷地内限定サービス「ローカル5G」の申請受け付けを始める。参入要件もできるだけ簡素にするという。携帯大手が提供する携帯電話サービスは全国展開が必要だが、ローカル5Gにより新たな競争が始まりそうだ。

 

内容をかいつまみます。

Gまではサービス参入できるのは大手キャリアと、格安SIMと呼ばれる大手キャリアのインフラを借りた事業者でしたよね。

そこが5Gとなると、建物単位や、土地の単位で参入できるようになるんです。これをローカル5Gと呼んで区別しています。

そのローカル5Gは、構築すると使う端末を限定できます。その建物の裏側で部外者が普通のスマホで電波を拾うなんてことはできません。

建物や土地単位、ということですから、たくさんの事業者が参入できるんです。しかも、初期投資は数百万~数千万。この規模でしたらいろんな事業者が参入できるのは言うまでもありません。この初期投資、減価償却もできますから非常に投資されやすいと思います。

さて、ローカル5Gの基礎知識を得たところで、周辺の情報を探っていきます。

  

技術記事を調査する

 

何処に相談すればいい?

businessnetwork.jp

ローカル5Gを使って、こんなことを実現したい――。企業がそう考えたとき、どこに相談すればいいのか。

ローカル5Gの運用には当面、上位資格の第1種陸上特殊無線技士の免許が必要になる。そのため、SIer/NIerなどがユーザー企業の委託を受けて無線局免許を取得し、運用を代行する方式が主流になると見られるが、5Gに関するノウハウが必要となるため対応できるプレイヤーは決して多くない。

こうした中で有力な選択肢となるのが、通信事業者向けの5Gネットワーク機器と企業向けのソリューションビジネスの両方を手がける大手ITベンダーだ。

 

自社で独自参入するのはさすがに敷居が高すぎます。この記事を見る限り、NECや富士通に相談すれば良さそうです。

 

住友商事が実験中

robotstart.info

住友商事株式会社は、総務省より「5G」の実験試験局免許を取得し、本年から制度化が予定されているローカル5Gを活用した国内初の屋内外実証実験を行うことを6月21日に発表した。

 

大手商事会社は素早いですね。もう実証実験を始めているとか。

グループ内にローカル5Gを張り巡らせることでどうなるか。専用線等の広域WANが不要となり全拠点でのデジタルコラボレーションが非常にやりやすくなるのは間違いありません。

光ファイバーでの専用線って非常に高いんです。かつ拠点もたくさんあり、M&Aなどでグループ会社もどんどん変わりますから、いちいち回線を引くのは難しい。VPNでとりあえずインターネット経由で接続する方法が手軽ですが、回線スピードや応答速度、可用性を担保するのが現行方式では非常に大変です。

ローカル5Gを導入することで、WANエリア内への取り込みが俊敏化します。

WANの中でしか使えないシステムにつなぎこむことが簡単になります。

しかも、5Gは高速広帯域ですから、遠隔で4Kや8Kの映像を送りあうことができる。そうすると仕事の仕方も大きく変わっていく・・ということです。

 

技術的にはすぐにでもできる

japanese.engadget.com

ローカル5Gでは、IIJのほか、NECや富士通などもサービス提供に向けた準備を進めています。富士通やNECの担当者によると技術的にはすでに整っており、現在は法制度などの整備を待っている状況とのこと。早ければ2020年初頭にもシステムが構築できるようになるとしています。

 

IIJも参加するんですね。

2020年初頭ってもう、すぐそこです。

パブリッククラウドに関してはほぼプレイヤーも固まってきて、安定成長に入っているのですが、そのエッジの部分。オフィスや工場などに接続するのにはまだまだ手間がかかっていました。5Gにローカル接続できるのであれば、そこからパブリッククラウドのプライベート側へ接続することも標準化が進みそうです。

 

クラウドの起爆剤となりえるローカル5G

media.dglab.com

「僕らがインターネットを始めた最初の頃、(国内の)通信事業はNTTが担っていて、国際通信はKDDが担っていました。そうした中でインターネットをどう構築していくかを僕らはやってきたわけですが、おそらく今はこれと同じことに挑むフェイズが来ている。すなわち、移動通信って、NTTドコモさんやKDDIさんらが、自分たちが担うと考えていると思うんですね。でも僕はそれじゃダメだと思うのです。だって、何かしようとしたときに、毎回通信事業者さんに『これやっていいですか?』『この機材を御社の基地局に置いていいですか?』とお伺いを立てているようではイノベーションなんて起きないでしょう」(中村氏)

 

これ、本当にその通りですよね。

クラウド利用の際に最も時間がかかり手間になるのが、キャリアの通信回線の部分です。いくらパブリッククラウドがWEBからオンデマンドでリソース調達が簡単となっても、そことオフィスをプライベート接続しようとしたら必ずキャリアとの調整が必要となってきます。

クラウド利用にあたって一番大変なところは、いかにエッジとの接続性を担保するか、であってここがローカル5Gによって一気にクラウド的になるという仕組みです。

  

利用者としてもインフラエンジニアとしても期待

ということで、ローカル5Gはインターネット登場と同じくらいのインパクトがあると個人的に思っています。

さすがに数百万投資して、資格も取って、導入ビジネス・・なんてことは考えてませんが、NECや富士通、または他の非キャリアベンダーが頑張ってくれるでしょう。健全な競争のもとにエッジ側が進化することを強く期待しています。