はじめに
2018年ももう7月が過ぎようとしています。今年は元旦から毎日欠かさず記事を作成していることもあり、何が話題になったか結構鮮明に覚えています。いろいろと個人的な感想を述べていきます。
仮想通貨
2017年末から2018年の初頭にガッツリ高騰し、そこからコインチェック事件あたりを境にして沈静化し、今上昇なのか下落なのか、それともヨコヨコなのかをうかがっている状況です。
Zaifより
ただ、仮想通貨が世の中を変革するなんて言われていたのは、全くと言って進んでいなくてむしろ、金融庁が取引所を締め付けて参入障壁が相当高くなったり、ICOの怪しいニュースが流れてきたりと、一般消費者は避けてしまう雰囲気ができてしまいました。
投機としての仮想通貨しか機能がないのであれば、これは全く持って期待外れです。もともとは中央集権型ではない運用方法にて世界上で最も公平なグローバル通貨となり、一部の権力者に集中していた富の運用がより民主的になる・・。なんてことは今年には起こりそうもありません。
また、ビットコインではない、アルトコインと呼ばれる通貨も有象無象に生まれ、そんなに通貨を作って何が便利になるんだろうと根本的なところから懐疑的に思ってしまいます。
ボラティリティ(値動きの上下)が激しくなればまた脚光を浴びるのかもしれませんが、私としては投機の道具に成り下がらないことを祈るばかりです。
漫画村と海賊版規制の問題
あんなに、サイトブロッキングのことを熱心に拒否していた人たちは、今何をつぶやいてるのでしょうね。秋の国会に向けて、海賊版サイトの防止に向けた法的整備が今進められているはずです。現行法がカバーしきれていないからこそ臨時措置的にサイトブロッキングの話が出ました。そしてこれが臨時措置ではなく法に明文化されるのか、それとも別の方法論が有力視されるのか、議論の推移を見守りたかったのですが、この類の話をするメディアがいなくなってしまいました。インターネットとは炎上しやすいですが冷めるのも速いと思います。
おそらくですが、秋口に新法案が提出され、そうするとこれに批判を唱える人が乱出するはずです。おそらく憲法上の知る権利や通信の秘密とのバランスの話になるのでしょう。
ただ、今回の漫画村騒動の件にしろ、国民的な炎上の仕方をすると運用が継続できないことが示されてしまいました。特に広告媒体から攻めて兵糧攻めにするというのが有効であることがコンセンサスになりました。
もしかすると、今後、政府や法律が動く前に、「炎上」がいい意味で機能し、物議をかもすサイトが閉鎖に追い込まれることが定例化するのかもしれません。最近では「保守速報」というサイトの広告が引き上げられていることがニュースになっていました。こちらも、本当に「炎上」させている人々の判断は正しいのか?という議論もありうると思います。
この件は、秋口にまた、考えます。
AI(人工知能)
2018年は、AIという概念に人類が向き合った年になると思います。猫も杓子もAIでした。でも蓋を開けてみたら、消費者が実際に接したAIはスマートスピーカーとチャットポッドぐらいが関の山でした。最近のAIと名がつくサービスは結局は、以前のデータマイニングがやっていることと変わりません。
例を挙げてみます。
不正利用検知モデルの導入は、監視体制を効率化・高度化し、被害を未然に防ぐのがねらい。データマイニング技術を応用し、出品者の行動パターンを分析。モデル化した不正利用者の行動パターンと一致する出品を自動的にピックアップし、スタッフが実際に出品を確認する。不正が疑われた場合は出品を削除する──という仕組みだ。
こちら、AIっぽい記事に思えませんか?。でも、なんと2005年11月14日のニュースです。13年前です。オブジェクトストレージの登場や分散処理の高度化により、データマイニングがしやすくなったことが、AIというバズワードに溶けているように見受けられます。もちろんディープラーニング自体は近年の成果なのですが、ディープラーニングではない統計分析、ビジネスインテリジェンスやビッグデータ解析と言われるものもひっくるめて、そのアウトプットをAIと呼んでいるような気がしてなりません。
それは人工知能か?と言われると、むしろ人の性能を超えていたり、一方で感情などの再現は著しく遅れていたりと、個人的にはガッカリ分野です。
熱があるうちに、チャットポッドやデータマイニングではない、ユニークな成果を出さないとAIはまた冬の時代に逆戻りする可能性もあります。
VR
VRについては、Oculus Goが発売され少し盛り上がったのですが、なかなか普及には結びついていない感があります。アーリーアダプターまでは来たと思うのですが、どうにも人間を熱狂的にするほどまでは到達していないと思います。
最大のボトルネックは何か。解像度です。私はOculus RiftとハイスペックPCを無理して手に入れ試してみていますが、裸眼の世界と比べるとボケた世界です。ベンダーも良くわかっていて解像度アップへの挑戦を続けています。これは時間の問題となると思います。
また、VRは簡単に言えば視力と聴力のハッキングなのですが、人間の五感はそれだけではないので騙しきるにはまだ足りないということもあります。嗅覚や触覚へのチャンレンジも続いていると聞きます。
まだまだ、発展途上だなと思いますし、フィーバーするにはもうちょっと時間がかりそうです。私は散財するわけですが・・。
まとめ
とにかくネットの世界は炎上するのも一瞬だし、沈静化するのも一瞬です。特に土日を挟むと、月曜日にはすっかり忘れられているということを何度も経験しました。したがって、バズるのも早いが継続もしないというので、一つの分野で粘り強く研究するエンジニアは世の中が速すぎて困っていると思います。
基本的には「信念」があるのであれば、どんな状況でも長年続けていた人が最後には勝者になっているのではないかと思います。上に揚げた4つの分野も「終わった」わけではありません。
大きな視点でトレンドを今後もつかんでいこうと思います。