orangeitems’s diary

クラウドで働くエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

AIでプロジェクトマネージャーの業務は80%削減されるという話

f:id:orangeitems:20190326151958j:plain

 

RPAの次はAIで仕事が消えていく話

このところ定型業務がRPAでことごとく削減されて、いわゆる事務職や間接部門の仕事がどんどんなくなっていく。そんな状況が明るみになっていますが、全く別の分野で人間の仕事が削減の危機にさらされているという記事です。

 

japan.zdnet.com

Gartnerは、プロジェクトマネージャーに任されている作業の80%が2030年までになくなると予測している。データの収集や追跡、報告といった作業が人工知能(AI)に取って代わられるためだという。

 

プロジェクトマネージャーといえば、現場の王様のような役割です。

 

www.liber.co.jp

プロジェクトマネージャ(PM)は期日までに成果物を完成させる使命を負います。そのためにプロジェクトチームを結成し、あらためて必要な人材、資材、費用を計画して確保し、プロジェクトを遂行します。成果物が完成し、ユーザやスポンサーに受け入れられた時点で、プロジェクトは終了しプロジェクトチームは解散します。成果物の完成後は運用担当チームがこれを運用しますが、運用すること自体はプロジェクトチームの役割ではありません。

とはいっても、プロジェクトチームは、できるだけ容易に運用できるシステムを開発し、スムーズに運用チームに引き継ぐ責任があります。なお、プロジェクトの途中で、事情が変わって成果物自体が不要となった場合、あるいはスポンサーが費用負担できなくなった場合などには、プロジェクト自体が中断され、プロジェクトチームが解散することがあります。

近年、ITシステム開発プロジェクトは、業務要件の高度化、IT技術の高度化、複雑化、マルチベンダ化などによって、益々困難なものとなってきています。このため、プロジェクトマネージャ(PM)の役割は益々重要となり、スポンサー、ユーザの期待は大きくなって来ています。

 

RPAの業務効率化とは全然違った観点で、今度はAIが人間の仕事を代替できるようになるというのは少し未来の話になると思います。RPAはすでに現在進行形です。AIがプロジェクトマネジメントを代替したという話はまだ聞き来ませんが、ガートナーが予想している以上は根拠があるのでしょう。

 

具体的にどのようなシナリオで代替が進むか

なかなか刺激的な見出しなのですが、上記の記事のみでは具体性がないため、英文のニュースを当たったところ面白い話がわかりました。

 

siliconangle.com

 

こちら、英文の記事なので私の方で要約してみます。

 

・ガートナーのアナリストは2030年までに、プロジェクトマネージャーやPMOの全業務の80%は、AIソフトウェアによって排除されると予測しています。

・排除されるタスクには、データ収集、レポート作成、追跡などが含まれます。

・プロジェクトやポートフォリオを管理を管理するPPMソフトウェアのプロバイダーが自社の製品にAIを加えるべく企業買収に積極的です。

・この分野は、しばしば新しい参入者により破壊的なイノベーションが起きます。

・今のところ、利用可能なツールはデジタルビジネスの要件を満たしていません。

・しかし2030年までには、企業の幹部は、どのプロジェクトが特定の事業に関連しているのかをシステムに尋ね、状況の最新情報を入手し、会議の項目を取り込むことができるようになるでしょう。現在は、これらのタスクの大部分は人間によって実行されますが、将来的にはチャットボットによって処理されるようになり、より正確に実行されるようになるでしょう。

・会話型のAIとチャットボットを使用して、PPMとPMOのリーダーは、自分のキーボードとマウスを使用するのではなく、PPMソフトウェアシステムに問い合わせてコマンドを発行することができます。

・ガートナーは、プロジェクトおよびポートフォリオ管理のリーダーが、会話型AI、機械学習、およびロボットプロセス自動化などの新しいテクノロジをできるだけ早く実装する方法を検討し始めることを推奨しています。

・AIがPPMソフトウェア市場に根付き始めるにつれて、このテクノロジを採用することを選択したPMOは、予期しないプロジェクトの問題やヒューマンエラーに関連するリスクの発生を減らすことができます。

 

考察

ということで、簡単に言えば便利で高度なソフトウェアが出回るようになると、今まで人力でやっていた部分がデジタル化されるということになります。これまでは、自分でデータを集め、考察し、その気づきが「バリュー」とされてきたと思います。自分ではなくAIが代わりにやってくれる。

では人間には何が求められるか。いわゆる「ガバナンス(統治)」になると思います。どんなにソフトウェアが進化しても、人間の行動を変えられるのは人間でしかありません。ソフトウェアはアラートを出すだけです。AIを味方につければ、レガシーなプロジェクトマネージャーと比べて、より正確に、かつ素早い判断ができるようになるのです。それを活かして、人間を適切に動かしていくのは最後に残る仕事になると思います。微妙な判断を、チャットボットからAIに指示されても、仕事はうまくいかないですよね。

一方で、経営層がプロジェクトマネージャーに一任していた状況が、経営層にもリアルタイムで見えるようになります。プロジェクトマネージャーにとっては即時的に評価を受けることとなり、いわゆる政治的なトリックを使いにくくなるでしょう。人間プロジェクトマネージャーの真の力は、良くも悪くもこの政治力にあったりすることもあるので、そこは世界がかわるでしょう。一方で、AIによって経営者はプロジェクトマネージャーのスキル不足によるリスクを軽減できるようになるとは思います。

以上はRPAの業務削減よりはよりスマートで未来的だと思います。「80%がなくなる」という言葉からはネガティブな雰囲気が漂いますが、むしろ味方につけて、どんな大きなプロジェクトでも、AIの力で正確にかつリアルタイムに把握し進行できる時代に寄り添っていきたいものです。