orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

AIで得する人/損する人

 

AIがかなりの勢いで世の中に受け入れられていて、一方で将来の自分の仕事は大丈夫だろうか、と不安になっている人はやたら多い。仕事が無くなること自体は死活問題なので歴史を振り返っても技術革新との間で人間が翻弄されている。今日の今はAIというだけである。古くて新しい問題だ。

さて、今回のAIにおいても、きっと人によって損得が分かれる。全員が損することはない。そして全員が得もしない。うまく立ち回った人たちはAIによって利益を得て、下手をこいた人がお金を損するか、もしくは職まで失くしてしまう。

例えばパソコンが世の中に劇的に普及した西暦2000年前後、WordとExcelが使えるか使えないかで社会人の評価が大きく変わった。今では小学生すら触れるので、WordできませんExcelできません、と言うこと自体が大きなハンデになってしまったが、いきなりその時代、急変化したわけじゃない。当初はWordやExcelができるというだけでモテモテになり、若手がこぞってWordやExcelの資格を勉強し取り始めた時代はあった。

今はその状況とすごく似ていて、「AIを知らなくても全然問題ない、仕事はできる」という状況で、静観している人もたくさんいるだろう。

その一方で、使い方を裏側で習得し始めた人も現れている。その人たちはAI使えますよ!とは言わない。私、AI使いこなせますが仕事ないですか?なんて言わない。彼らはどうしているか。

仕事の裏で使っている

のである。普通に作文の仕事を受領し、人間が考えて作文し、返信したように見せかける。しかしその制作過程にAIを紛れ込ませる。まるでAIなど使っていないと言わんばかりに裏側で。

仕事の依頼者はまるで気が付かないわけだ。この人は仕事が早いし正確だし、また仕事を頼もう、となるわけだ。もちろん料金は下げないで。

AIを裏で使っている人は、もうAIが手放せない。仕事の依頼をいちいち自分の頭で考えて作っているのは、まるで時代遅れだ。うまくAIに指示(プロンプト)を送ればきっちり仕事してくれるAIが居て、なぜそれを使わないのか理解できない。でも理解できない人にいちいち理解できるように説明するのは野暮というものだろう。全部自分の力で作りました〜、という体で仕事をしていたほうが、何かと得なのだ。

なお、この話、未来予想なんじゃない。すでにやっている人はやっているのである。戦いはすでに始まっていて、「そんなの嘘でしょ?」と思っている人は、すでに乗り遅れている。

そういえば、私自身は仕事の裏でAIを使う、ということはしていない。私こそ時代遅れなのかもしれない。なぜ使わないかというと、私の仕事の需要をAIが一部でも満たしてくれる気がしていないからだ。人によってAIがフィットする仕事とそうでない仕事があるのかもしれない。きっと、フィットする分野を見つけるやいなや、私もAIを仕事の裏で使うようになるんだろうな。拒否しているわけじゃない。

この流れで考えると、きっとみんな、「AIなんてね〜」って口では言いながら、裏でどんどん使い出す。そして自分がやりました、なんて顔でアピールし出す。ふと気づいたらAIを裏で使っている人ばかりになって、本当にAIを拒否している人のパフォーマンスが低すぎて社会問題化し、デジタルディバイドならぬ、AIディバイドみたいなものが発生するのかも知れない。

AIを使っていない人が、福祉から外れてしまうというね。少なくとも、多くの人々が思っている以上に人々は仕事の裏でAIを使い始めている。世界は今日も平和かもしれないが、いろいろなものがAIの作成物なのかもしれない。

大昔、WordやExcelが使えないシニア層が、大量にリストラされた時代があったけど、今後はAIが使えないシニア層の番になるのかな。それならそれで、そこまで破壊力のあるAIを使ってみたいもんだし、今度裏で使ってやろうか、と息巻いていたりする。