orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

「居酒屋ふじ」6年前のドラマが教えてくれる、ここ数年で失われたこと

 

居酒屋ふじっていうドラマをAmazonプライムで見ました。2017年ごろテレビ東京系列でやっていた深夜ドラマで12話完結です。今から6年ぐらい前が舞台ということですね。

このドラマ、1つの居酒屋を舞台に、20代~60代が集って、20代俳優志望男性の成長を見守りサポートする、という構成となっています。この話の本筋は見て頂くとして、見所は、コロナ前の人々の精神性・社会性が明確に描かれていることです。

このドラマの登場人物について、特徴をまとめます。

 

・このドラマの60代・・めちゃくちゃ元気。昭和のころのスタンダードを大声で話し、どれだけ良い時代だったかを主張し、そして今の時代を嘆く。

・このドラマの40代・・上の世代に憧れ、迎合した。バブル時代を若手のころに経験しているので、上の世代と話が合う。

・このドラマの20代・・上の世代からマウントを取りまくられるも、上の世代がめちゃくちゃ元気なので、従順でいることが求められた。

 

ところが、コロナ後どうなったかと言うと、いわゆる昭和を引っ張って来た元気だった世代は70代を迎え、さすがに社会における存在感は薄くなってきました。今や昭和を振り返るより平成を振り返る方が多くなりましたからね。上の世代と迎合することで存在感を示してきた今の50代は、後ろ盾となっていた上の世代が引退するに連れ、昭和風を吹かせることが物理的に難しくなってきました。そして、今の20代がZ世代として入ってきて、世の中の倫理観は急速に変化した、と捉えられる場面、明らかに増えてきました。少なくとも私の身の回りでは。

今の40代・50代に求められることは、平成という時代の大きな変わり目を若い世代に伝えることであり、また、新しい時代そのものを作る役割の若い世代への橋渡しが求められるようになってきたのではないか、と感じます。

コロナ前のように、強い個性のある昭和世代のメソッドで「こうあるべきなんだよ!」という押しの強い若手の指導方法は、もはや求められません。「こういうやり方・ああいうやり方・いろいろあるが、あなたならどうする?。自分で選択してみよう。」のように、個人の意思を尊重しなければ、若手は誰も着いてこない時代になりました。

現状とても気を付けるべきは、40代の皆さまです。自分たちの世代を境目にしてスタンダードが大きく変わったので、社会で今最も働き盛りのこの世代が、過去の記憶を頼りに、昭和な方法を繰り出そうものなら、大きなケガをするのがもう常識です。

じゃあ、過去ってどんな世界なんだったけ・・というのを思い出すのにうってつけなのが、このドラマ(居酒屋ふじ)の世界観です。ああ、この頃は60代以上がめちゃ元気だから、その威を借りて40代が真似をしてイキってたなあと勉強になりました。今の40代が、同じことをしようものならアウトだな・・と。そして20代もこんなふうに従順じゃないな、って。

一方で、あの頃には存在していたもので、今は無くなってしまった大事だった何か、というのも感じることもできます。

良い作品なので、時間があったら見てみてください。結構有名な俳優がどんどん出て、豪華な構成になっています。