心理的安全性が大事だと教えてくれたのはGoogleでしたが、Google検索が危ないと教えてくれたのもGoogleでした。
Gmailを考案して開発を主導したポール・ブックハイト氏が「対話型AIのChatGPTは1~2年でGoogleを破壊する可能性がある」という見解を述べました。ブックハイト氏は、ChatGPTがGoogleの最も収益性の高い製品である検索エンジンを排除すると考えています。
これは大いにわかる気がしていて、今は可能性だけの問題にしても、Googleの気持ち的にはそんな可能性があること自体が大変なことです。
ただ・・、Google検索って、言うほど回答の正確性を担保してくれたかは、大変微妙です。ChatGPTの回答が正確だからGoogle検索を破壊するんじゃない、と思っています。
そもそも、人間に直接質問したところで、正確性を担保はしてくれないですよね。
私が考える大きな今後の課題は、Google検索があくまでも、インターネットにあるテキストは人間が生成したもの、という前提に立っているということではないでしょうか。
Googleが広めたロボット検索エンジン、人間がたくさんインターネットに作成した著作物を機械的に巡回すること。
そして、その著作物が検索者にとって重要かどうかの重みづけを、独自のアルゴリズムで行い提示するということが、Googleがこれまでやってきたことでした。
その著作物は、自動的に人間が作ったもので、そうではないものは重みづけを下げることが簡単だったのでこれまでは安定していました。ところがChatGPT以後は違ってくると言えます。
一応は、確認できる方法はあるらしいですが・・。
「ChatGPT」は高精度な文章を出力できる対話型チャットAIで、その精度は人間が書いた文章かChatGPTが書いた文章かを人間が見分けることは困難なレベル。しかし、ChatGPTのようなチャットAIが出力するテキストにはAIならではの特徴があるということで、スタンフォード大学がChatGPTのようなチャットAIの作った文章を検出する「DetectGPT」を開発しています。
しかし、毎回ロボットが拾ってきた結果を、DetectGPTに食わせるならかなりのコストになってしまいます。その上、今や、テキストだけではなく画像や映像もAIが侵食してきている始末です。
そもそも、ChatGPTですらこの議論に巻き込まれそうで、その学習のソースをどこに求めるか。ロボット検索と一緒でインターネットの著作物だと、これも人間の著作物と見抜くのは至難の業です。AIがAIの著作物をソースに話をするなんて、なんてカオスな話だと思いますが、全体としてインターネットへの信頼性がぼやけてしまう結果になりそうな気もしています。
著作物に、「人間が作ったものだよ」みたいな認証をつけるビジネスが、今後流行りそうじゃないですか?。それがNFTだと言われると何かピンと来るものはありますが、必要そうですよね。どこの誰から著作したものということを証明してくれる機構。
そういうものの見方をしていくと、それぞれ点だった技術がつながっていくような気分になります。なったころにはもう、気づいた人が先にそこに向かっているのがこの世界。
まぁ、まだ大丈夫そうなので、まだブログは書き続けます。
私が。人間が。
人間ダヨー。いくらそう言ったところで、誰も証明してくれるわけじゃないので、やっぱり何かの仕組みは必要ですね。