orangeitems’s diary

クラウド専任の40代インフラエンジニアが書くブログ。新規事業マネージャー。20世紀末の就職氷河期スタート時にIT業界に文系未経験で入りこみそのまま生き残った人。

クワイエット・クイッティング、本気を出さないことの考察

 

クワイエット・クイッティング、始めて聞きました。

Quiet Quitting(Quiet=静かに、Quitting=やめる)、静かにやめるというのが直訳です。

 

hc.nikkan-gendai.com

「クワイエット・クイッティング(Quiet Quitting)」という言葉が、TikTokでバズっています。直訳すると「静かに辞める」ですが、別に仕事自体を辞めるわけではありません。「もう必要以上に一生懸命働かない」という意味です。

みなさんも覚えがあるでしょう。上司に良いところを見せようと、言われた以上の仕事を必死でする。同僚の仕事が遅い分を助けてあげる……。そういうことを一切やめようというのです。

なぜこれが話題なのでしょうか?

 

アメリカの話題ですが日本でも、問題化するとして考えていきます。

若者だけで流行っているという文脈ですが、こんなの全世代でやってる人がいると思います。50代以上には、もう定年まで逃げ切るぞ、ということで成功することより、失敗しないことに全集中されている人もいらっしゃるでしょう。全く挑戦しないその姿勢も、クワイエット・クイッティングだと思いますね。

それが・・20代からこの境地だとしたら、まあ、先はないのかなと。むしろ一生懸命働かないと不完全燃焼になる方のストレスの方が大きいんじゃないか。

会社はむしろ、採用のことを考えると、辞められることの方を昨今は恐れていますので、最近はあまり強い指導をしないのがトレンドだと思います。いや、もし、著しく能力が低い人だったら強い指導をして自主的に辞める方向にもっていくのでは・・という感想の方もいらっしゃるでしょうが、それは違います。それは、他の同僚が、能力の低い人に強い指導をしているところを見るだけで、強い不快感を与えます。「自分には良くしてくれるけど、能力が低いとこんなに強く指導するんだ」という感想は、非常に危険な因子です。じゃあ、別室で見えないようにやればいい・・はもちろんですが、それでもまだリスクは排除できません。強く指導された人が、同僚に裏で「上司はこんなこと言ってくるんだよ」と共有します。最近はSNSもあり、人が裏でどうつながっているか、上司にはわかりません。

それぐらい、マネジメント側が気を遣っているにもかかわらず、辞めるときはスパっと辞めますね、最近は。で、理由を聴くと、もっと成長したいとか、もっとこういうフィールドをやってみたいとか言ってきますが、それなら在職中に上司にもっとそのことを言って、社内で調整すれば辞めることなかったのに・・。ただ、本当の辞める理由はもっと別にあることも多くて、待遇やら、同僚が生理的に合わないとか、社風が気に入らないとか、いろいろです。

このクワイエット・クイッティングとは、人のメンタルが実はあまりにも壊れやすいんだということが、教育の中で強く共有されたことが起因しているのかもしれません。今考えると、二十年以上前の20世紀の会社は、人の心より経済を優先することを明確にしていました。非人間的な働きも「働くというのはそれだけ厳しいものだ」という文脈で一蹴されました。昔のドラマやマンガの世界でも、熱血・スパルタ・体罰みたいなものに耐え、心を強くし、努力で結果を勝ち取るみたいな話も、ごくごく一般的でした。今は違いますよね。褒めて、自己肯定感を上げて、自信を大事にして努力すると、パフォーマンスが最大化されるという考え方が一般的ですよね。心が壊れて働けなくなる方が最大のリスクで、それよりも薄く長く働く方が大事だという意図が透けています。

また、後は、模範となるべき40代、50代が、今一つ魅力的に映らなくて、がんばってもこういう人物になるのか、というのも起因してそうです。存外な成果は不要なので、ちょうどいい負荷と責任の仕事を守り、そしてプライベートを充実させる。40代50代は、バブル時代の後半もしくはバブル後、経済中心ルールがまだまだ健在だったころに擦り切れるほど仕事をし、その結果、大して報酬を得られなかったのは明らかですからね。冷めた見方を若者に与えてしまっているのかもしれません。

まあ、そんなに冷めた態度で会社と接しなくても、もっといいやり方はあるようには思うのですがね・・。