orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

人のふり見て我がふり直すな

 

人のレビューを見て購買行動を決める人が増えて来たことの裏返しだと思うけど、やれ子育てはきついから子どもを産むメリットがないとか、結婚するメリットがないとか、教師はこんなに忙しいから他の職業と比べて成り手が減ってるとか、そんな言説で行動を決めてしまっているような人が多くいるような気がしてならない。

問題は、やってもいないのに聞いた話だけで判断してしまっていること。これはきっと、社会の都市化の進行で、核家族化や一人暮らしが増え、リアル社会の結びつきがなくなり、ネットでの情報を本当と思い込むしかないことが影響していると思う。

実際結婚した人が「結婚はいいぞ~」、子育てを終えた人が「子育てはいいぞ~」、教師が「教師はいいぞ~」、なんて言わないものである。そんなの、それを選ばなかった人に対する当て付けみたいに聴こえるよね。特に多数派は気を遣うものである。多様性の時代である。多数は少数のことも考えなければいけない。

一方で、少数は声を上げやすいし上げる動機もある。もっと少数の存在を知って欲しくて発言したり活動したりするものである。マイノリティー(少数派)の声がネットには響きやすい。マジョリティー(多数派)の声は封じられる。だから、ネットは時に、情報がとても歪む。ポジティブな意見よりもネガティブな意見の方が目立つ。

「口コミ」って言葉があるでしょう。あれ、口から出てたはずなのに、今は口を使わないよね。リアルな人がリアルな経験を語るのは、親から子へ、だったのに親子の関係が断絶しやすくなっている。三世代世帯なんて都会ではほとんどみかけないからね。だから経験が世代間で伝播せず、妙な形でネットでシェアされるものだから、偏見が人々を襲いやすくなっている。

よくね、私は就職氷河期世代なのに乗り切って今がある、みんながみんな沈んだわけじゃないって書くと、「それは生存バイアスだ、あなたが運が良かっただけだ、n=1でっ話すな」みたいな反応をされるわけ。それこそがポジティブな口を封じてきている。n=1で十分でしょ。n=1の集まりがネットなはずだから。なのに、だめだ、つらい、未来がない、みたいな話ばっかりがバズり、ネットを覆い、そしてああそうなんだ、つらいんだって皆が信じちゃうようになってるわけ。

普通じゃないことだから「ニュース」になるんだけど、ニュースばかり見ていると世の中が普通じゃないと思い込みがち。それがテレビに集中していたのが一昔前だけど、今はネットになった。ネットは幅広い意見が揃うから客観的~♪と思っている人が大変多いみたいだけどとんでもない。こんな、偏向な歪んだ情報の集まりはないと思う。その中にキラリ光る情報を集めるべくいつもネットをのぞいているけど、ほんと、昨今の情報の流れは本当、頭を使って読まないとウソを真実と思っちゃうようにできているよ。

人の心は弱いので、自分の都合のいい情報をわざわざ探して、ネットにあったからやっぱり正しいんだ、とやりがちな生き物。少数の情報を探してほっとするようなことがないように。自分の頭で考えることを放棄したら人間、流されるしか無くなってしまうと思う。