orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

貧しさの最低ラインが強まっていないか

 

私が東京に出てきたころだから、30年前か。新宿のマクドナルドのバイト時給を見て900円って書いてあって、おお東京ってそんなにくれるのか、と思った記憶がある。今いくらぐらいだろうと思って調べてみると1200円らしい。30年経ってもそんなに上がってないね。長いデフレ期間を経て来ただけあると感心している場合じゃない。

ここ最近思うのが、生活必需品やら食料品やらの値段がアホみたいに上がっているということ。私みたいに社会人で正社員で、もう20数年働いていて子育ても一段落、みたいな立場だったら、貯金するお金が減るぐらいで済むけど、若い人はもっと大変だと思う。非正規の立場でも同様か。給料が安いという状況におけるその給与額の相場観があまり変わっていない一方で、「生きるために絶対に必要になる」っていうモノやサービスの値段が上がっちゃうと、干上がっちゃうんじゃないかな。

その上サブスクで、スマホにしろ映像や音楽にしろ、天引きでいろいろ引かれて行って、おいおい何もできないよ、というその状況。私も得に学生のときはすごく貧乏だったけど、それにしても今の方が厳しいのはわかる。

デパ地下でケーキを買いに行くとわかるけど、今は1つ800円くらいが相場になってる。仕方ないな横のコージーコーナーで買おうとしたら500円くらい。昔は300円台くらいの時期もあったから、安い、も高くなってる。

全体的に価格が上がった時、上の方は変えなくなってランクを落とすことになるから、サイゼリヤとかマクドナルドとか、安くてそこそこの味を体験できるお店はかえって繁盛するという状況になっていると思う。そういう店に行くと最近混んでるけど、逆に値段上げて客が減ったみたいな現象はどこでも起きてるんじゃないかな。

ちょっとした贅沢、みたいなことができにくくなっている。もしくはお金を損するかもしれないけど、経験としてやってみるか、みたいなサービスを受けることをためらうようになるんだろう。だって、お金自体がなければ買い控えするしかない。

とは言え、日本は貯蓄の国と言われ、銀行預金にはまだまだ現金が眠っていると言われている。これきっと銀行預金を政府は減らしたいんじゃなかろうか。やたら、生活が苦しくなる制度自身を率先している印象だし、それを和らげるための補助金・助成金・手当を大盤振る舞いしている。お金ない人はその貯金使ってよ、ということなんだろう。貯金が無くなる恐怖って日本人は特に大きいと思うんだけれど、政府は貯金使えとは言わないね。でも間接的にそうなるように仕向けている。

給与を上げるっていうその給与は、どう見ても大企業しか見ていないところが合って、大企業の〇〇が給与を15%引き上げました、みたいなニュースを見て、ほとんどの人がぐぬぬと思っているんじゃなかろうか。どうなの、私の会社は15%上がるの?。上がらないだろうな。そもそも今回の話題に出しているような、最低賃金ぎりぎりで暮らしている人には届かないでしょ。国が、最低の生活を保障するって気持ちがあるなら、最低賃金を1500円くらいにしないと説得力ないよね、今の値上がり方を見ていると。

貧しさの最低ラインが強まった状況で、さて「楽しく生きよう!」ってビジョンを建てても中々厳しいものがあるだろう。だって遊びには初期投資や継続投資が付き物なんだもん。だからこそのサブスクってことで、映画やらゲームやら音楽やらが降ってくるのを待ってくる人生に誘導され、「これって楽しい?」ってなってる現状がよくわかる。

貯蓄って形で日本に滞留しているお金をどんどん廻して、たくさんお金を使って皆が楽しくなれるような世の中にならんもんか。それがアメリカって国のように見えるけど。少なくとも、我慢をもっとしなきゃいけないような流れになっている日本の現状、良くないと思うけれども。