orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

戦略が感じられない日本という国

 

 

時代を少し遡れば、成長戦略と言う言葉が良く使われていたのだけど、ここ最近誰も言わない。やれ為替だ、金利の引き上げだ、減税だと、お金のやり取りの話ばかりだ。お金を操作すれば国は富むのだろうか。

もちろん財政運営は非常に大事で、無茶苦茶なお金の使い方をすれば破綻するのは個人でもわかるんだけど、あまりにもそればかりになっていないだろうか。

まずは日本はこれから何を主業として世界とやりあっていくのだろう。今一つこの国のポジションがわかりにくい。花形職業がない。一時期ITが人気が出たけれど、どうも世界とITを軸にやりあっていく日本のイメージがない。むしろ日本は、他国のソリューションを見境なく比較的強い製造業に入れて最適化するためのIT、というシナリオしか浮かばない。これは昔からである。

隣の中国を鑑みると、いろいろとひずみはあるものの、国家が成長戦略を企て、その成長産業に対するお金のかけ方が凄まじい。成長させると言ったら成長させる、みたいな気迫や政策の強さが、世界で戦える企業を作り出す。

日本の場合だと、この分野を取られたらまずい、みたいな引き算から始まる国費投入が多く、だいたいにおいてジリ貧になる。負け戦の被害を抑えるような防衛的な話に留まるので、時間と共に競争力が落ちるだけの話となる。国費投入された方もお金を入れられたことで緩んでしまい、チャレンジをしなくなりただただ毎年、計画未達を繰り返すような事態になる。

アメリカや中国のように規模で勝負がしづらいので、日本の過去の成功事例を見ると、アイデアや発明で切り開いてきている。かつ、外国へ勝負しに行って輸出大国となった歴史があるが、今の日本人にどれだけ、外国人とコミュニケーションをして取引しようと言う気がある人がいるか。

江戸時代に日本は鎖国をしたように、日本人は日本に引きこもりがちな地域性があると思う。不思議なのは開国後、国からどんどん飛び出して外国で学び、それを基礎に日本を改める、いわゆる維新の考え方が日本の発展の基礎となったことだ。

あれはきっと、先代の日本人が、外国から学んで追い付け、という戦略を練ったからなんだろうと思う。生み出すネタもないし、そもそも技術も無いから、頭のいい人を選抜して期間限定で留学させ、その上で必ず国に帰らせ還元させたということだろう。

また、優秀な外国人を大量に招聘し、各地に産業を作らせる基礎を築いた件もある。

過去を考えれば、外国に多くを学び、そして日本の基礎にした。バブル辺りでJapan is No.1なんて持てはやされたころに、守りに入ってしまったのだ。プライドばかり高くて、しかし追い越されるだけの存在になってしまった。

対策はシンプルだ。

・卓越した日本人を海外に送り込んで持ち帰らせ、日本に還元させる

・卓越した外国人を海外から招聘し、日本に還元させる

もうこれだけ、で。

よくよく考えると、工場に投資するとか、市場を拡大させるみたいなことでお金を使うんじゃなく、人に投資するのが一番効率がいいってことだ。