orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

働き方改革で日本人は幸せになったのか

 

自分の能力ギリギリ、もしくはそれを超えるような要求をされる職場で、毎日忙しさに追われて日々を過ごし、休みの日は疲労困憊で寝て過ごす。

10年前の仕事観はこういう状況も「普通」だったけど、働き方改革の浸透で随分変わったんじゃないかな。

ちょっと前に、別の会社のオフィスにお邪魔して定時後まで席にいたんだけど、夕方以降は閑散としていた。最近は残業することが善と言う意識は本当に無くなったように思うし、有休休暇の取得義務も実施され、社会全体、稼働は適切に、という意識付けができたと思う。これは大きな進歩だけど、あまり人々は言わないね。

そもそも働き方改革、どんな改革だったのか。

 

www.nikkei.com

政府は28日、働き方改革実現会議を首相官邸で開き、長時間労働の是正や同一労働同一賃金の導入を盛り込んだ実行計画をまとめた。正社員による長時間労働など戦後雇用慣行の見直しに踏み込んだ。政府は今年の国会に関連法の改正案を提出し、2019年度からの実現をめざす。ただ、生産性向上や成長底上げには力不足の面もあり、なお課題を残す。

 

上記の記事から引用します。

 

 

どうだろう、この記事は2017年だが、結構実現していることが多いと感じる。

というより、この9つの方向性がそのまま2023年まで伸びている。時給も1000円になっているし、長時間労働はかなり厳しくなった。転職も失業手当支給のタイミングが早くなったりDXが進んで、転職にかかるコストも随分減った。65歳定年はもはや現実的になってきたし、保育士・介護職員の待遇改善は日々ニュースに出る。

今、その実効性は問われているが、方向性については変わっていない。

 

で、我々はそれで、幸せになれたのだろうか。

というより、なぜ働き方改革を実行しても、企業は無事なのだろうか。

 

実施前はこんなことを言われたものだ。

 

ryukyushimpo.jp

 同法は時間外労働(残業)に初の罰則付き上限規制を設け、非正規労働者の待遇を改善する「同一労働同一賃金」など、働く人の保護策も盛り込んだ。残業上限では特別な事情がある場合は例外的に年720時間まで認めるが、単月ではどれだけ長くても100時間未満、複数月の平均で80時間以内とする上限を付けた。
 しかし月100時間という水準は労災事案で働き過ぎと脳・心臓疾患との因果関係が認められる「過労死ライン」ぎりぎりだ。これで本当に働く人の命を守れるのか。
 「同一労働同一賃金」についても、正社員の処遇を下げて非正規と同じにすることにつながる懸念も指摘されている。

 

どちらかというと国民が空気を読んで、高プロなんて無視して、とにかく残業をしないことを心がけた。そして、全ての職場ではないだろうが、概ね実現はしたと言っていいと思う。

ここからは私の感想だが、残念ながら、昔と比べて日本人がその状況をエンジョイしているかというとそうは見られない。むしろ、人間の働き場所を減らす方向に舵を切ったことに対して、不安を抱える人の方が多いんじゃないか。

 

www.shinmai.co.jp

新型コロナウイルス感染対策をきっかけに、テレワークなど多様な働き方を導入する企業が増えています。中でも「週休3日制」は、より柔軟な働き方として大手企業を中心に採用が広がっています。子育てや介護を抱える世代の離職防止や、増えた休日をリスキリング(学び直し)などに充てることで社員のスキルアップにつながる可能性もあります。ただ、シフト制の職場や人手の少ない中小企業では導入へのハードルが高く、制度によっては働く時間が減ることで収入が落ち込む可能性があります。どうやって給与を維持するかが課題となりそうです。

 

より働かなくなることを選択し出した人類は、さて、あの頃の「モーレツ社員」を尊んだ頃より、幸せになれるのだろうか。それが今気になっている。