orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

忍耐力があるから不遇な人

 

学歴も高くて仕事もすごく優秀な方を中途採用するも、なぜか前職は待遇や労働環境が悪いという若い方をよく見かけます。それはもう大げさではなく本当に。おそらく、業界未経験だったためにIT大手には正面から入れず、孫請けのSESなどに拾われ、かつ案件ガチャでえらい現場に配属されたというキャリアパスが令和になっても続いているため、だと思います。

私もその口で、ただ時代が1990年代ととても古いですが、未経験でIT業界のSES専門の会社に拾われました。思い返せばそれでもその会社は案件の質や取引先が良かったほうだと思います。新卒未経験としては案件ガチャでSSを引いていたのかもしれません。ただ引き続けることは不可能だったので、最後は転職しました。

これまでいくつかの現場を経験したんだのですが、下記のような方がよくいます。

・忍耐強い

・待遇が低い

・ひどい労働条件にも文句も言わず現状を受け入れ、淡々と仕事をこなす

そういう方は、周りに対して騒がないので会社側も何もしません。そもそも他社常駐なので状況もわからないですし、本人が何も言ってこないから関心もなくなります。自社にいない人間のことなんて気にしなくなります、当たり前です。

おかげで、常駐先も安く優秀な労働力を確保できて満足ですし、送り出した会社も低収入で文句も言わず働いてくれて満足します。後は本人が不満を言うべきなのだが言わないので、三方よしというより、一人負けです。こうやって「搾取」という状態は成立するのだなと思います。

これが若手のうちならいいのですが、若手の時期を過ぎても逃げ出さず、その待遇の低さをあたかも自分自身の社会的評価のように思ってしまい外に出ようとしない人もいます。心地はいいのかもしれませんが、やっている業務や責任と比べると評価が釣り合っていません。しかし、外の社会には通用しないと思い込んでいるパターンです。

かなり、もったいないです。

激務であるからこそ実力が他人以上についていることも多いです。その実力と待遇にギャップがあるかどうかわからないのであれば、一度転職活動をやってみるといいと、一度やってみた私は思います。

特に転職市場で人気があるのがこのタイプです。すごく優秀なのに待遇が低いので、普通に条件を提示すると前年度収入より高かったりします。激務を耐え抜いただけあって、普段の業務における活動量も、環境が良いところに始めから居た人よりも高いです。おそらく、今の環境がどれだけ恵まれているかわかっているからでしょうね。

忍耐力がある、というのはとてもいいことなのですが、場合によっては不遇へつきすすむエンジンみたいになります。私も忍耐力はすごくあるけど、一方で短気・せっかちな部分もあるので、不満MAXになったらいつでも転職してやろうと思うのですが、どうも人にはその気持ちがバレているようで、周りからかなり気を遣われており、おそらくしばらくはそうはなりません。

忍耐力だけだと損をすることが多いので、言うべきことはちゃんと言ったほうがいいし、最悪の最悪を想定していつでも転職する覚悟だけは持っておくことは大事だと思いますよ。その気迫は世の中を渡るには不可欠です。

世の中、耐えればいいことばかりじゃありませんからね。