orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

やらない、という選択ができますか?

 

予定にしていたことをやらないというのは、やることより難しいと思います。よく災害の時になぜ直撃する場所に居たのか、というケースで、「何か月も前から予定していた計画なので、やらないわけにはいかなかった」というインタビューを聴くことがあります。そう、人間というのは、計画してしまうと止める方が大変な生き物です。どんなに無茶だと頭ではやっていても、計画してしまったことを止めるのは難しいものです。

そういえばお仕事とはほとんどが計画であり、実行です。そのためにたくさんの人が関わり、準備し、お金を使っているので、中止には中々できないものです。

しかしやっぱり、中止をしなければいけない場面はあります。多々はありませんが少なくとも全て実行した方がいいというのは短絡的過ぎます。止めたほうがいいというケースにおいて、やることと天秤にかけます。やって、うまく行くイメージとうまく行かないイメージを持ち、冷静に比べなければいけません。やらない方がいい。それなら、やらない。そう判断することで次が動き出しますが、「やっぱりやった方が良かったね」となった場合は大いにその判断責任を問われることにもなります。だからなかなか、止めると言いにくいのです。

よく考えればわかりますだが、実施する計画を練るのはかなり時間をかけます。しかし、中止に関しては時間が限られます。総合的に考えて・・の総合さを、短期間の間に分析し判断し、結論までたどり着かないとどうなるでしょう。やるのです。止める決断ができなかったツケは、やる、と変化します。

だから、計画したことを人は止められません。どんなに大きく環境要因が変わったとしても、それよりも長い時間の準備の方を信じてしまうのです。全くロジカルではないのですが、人間とはそういうものと考えた方がいいです。計画自体はロジカルな体をしているので、それを感覚で中止にすることが難しいのです。

したがって、何か物事を成し遂げたいと思うのなら、その成し遂げたい何かを未来に置き、そこから逆算して計画を練っていくというのは人間のエネルギーになることを示してもいます。計画の中にもちろん、何か条件が変わればやめることを入れておくのが良いのですが、往々にして世間は人の予想を超えてきます。いわゆる想定外。想定外が起こった時にきちんと短時間で処理できる人は、私は限られていると思うし、そこをやはり経験から導き出し瞬時に判断することが、特に40代を超えてくると、求められると思います。

単に、求められた質問に対する答えでもなく。うまく行くプロセスを事務的にこなすのではなく。やめる判断、迂回する判断、延期する判断、いろいろなことを短い時間のなかでできて、それを説明するということがいかに高度なことか、と常々思います。