orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

ITベンダーのイベントは打ち上げ花火である

 

ITベンダーのイベントにて

何度かITベンダーのイベントを見に行ったことがある。そこでは大抵基調講演があって、イベント主催の企業が今取り組んでいることを発表する。

たくさんの人を集めて派手な場所で発表することもあり、格好をつけたくなるんだろうね。結構すごめなことを発表しがちだ。ここ10年くらいの記憶をさかのぼってみると、いろいろ言ったけどあの時の発言どうなった?ということはかなりある。

それも1回や2回じゃない。割合にして6割以上は、その後満足されず有耶無耶になり、立ち消えている感覚だ。あとの3割はそもそも抽象的過ぎて達成しているかどうか難しい内容。事業化されたことは1割くらいかな。

私は技術者目線で見るから、そうなんだ凄いな進んでるな、なんて素朴に感動していたものだけど、あまりの達成されなさに、最近は「どうせ言ってるだけだな」と勘繰ってしまうようになってしまった。

 

打ち上げ花火のように

ITイベントを作っている人たちは、いわゆる技術畑の人は間接的に協力しているだけで、基本は営業畑中心である。イベントをやる意味は、自社商品やサービスの認知度アップと、それによる商談の形成だ。

マスコミも取材しにくるので、できるだけ記事にしやすいセンセーショナルな話が望ましい。だから、よりわかりやすくかつ画期的で、世の中を変えてしまうような大技術であることが望ましい。

だから、誇張気味になる。そして、本当に中期的には計画していることを、さもそれが達成したらすごいだろうというシナリオを、本当に実現するかのように話す。

そんなことをしたら、もし技術的にもしくはビジネス的に計画を断念した場合、あの時の発表は本気じゃなかったのか、となる。

そう、イベントで言われることは本気ではなく、打ち上げ花火だと理解して聴いてみるととてもしっくりくるようになる。

もし、顧客の反応が良ければそこに更に投資をするし、反応が悪ければ、というより「反応が無ければ」華麗に、過去に押し流してしまうということだと理解をしている。

 

技術発表の場ではない

画期的な新サービスの発表は、たいてい専用の会場でマスコミを集めて実施される。一般客を読んで発表するときは、直接客を呼び込むためのイベントなので、どちらかといえばインパクト重視で、しかも抽象度が高いほうがいい。

凄そうな会社、という印象を見込み客に受け付ける方が優先度が高く、実際の技術的な話など恐らくその場では重要ではない。

しかも、技術的な発表をする場にしては、使っている言葉が平易過ぎるし、内容が抽象的過ぎるのもいつものことだ。

最近は私はあの場を、「何となくすげーことやっている企業だとアピールしておきつつ、会社の営業経由で広げたコミュニティーを一同に集めてコミュニケーションを図り、次の商談が生まれるような場を作ろう」ということだということで理解している。

そもそも、そんなに大勢の前で、画期的な新技術を発表したってベンダーにもメリットがないだろう。それより、「詳しく話を聴いてみたい」程度で触りしか言わないのがポイントなんだろう。

だから、ベンダーのイベントに呼ばれる時でも、「技術的なことを知りえる場に行く」のではなく、顔を出して先方とコミュニケーションを交わし、懇意にしておくことで何かあったときに助けてもらえるようにする、ぐらいに考えている。