orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

違和感を無視しないこと

 

ITのシステム運用、というのは不思議な職場だと思う。満点がよくわからない。システムの安定運用を満点にしても、提供価格や顧客対応力に問題があれば、全体的な点数は高まらない。日々が勝負だ。何かあった時の対応。何もない時の対応。毎日をどう過ごすかについて常に点数を上げることを目指していないと、途端に劣化する。

ただし、劣化する、みたいな抽象的な表現ならあまり痛みが表現されない。結果、不具合が起こる。ちゃんと取り組んでいれば事前にわかっていたような何か。起こってからは正解を痛感する。正解でなかったことを思い知る。しかし、それでは遅いのである。全てが起こる前に、何かヒントを探し、気づかなければいけない。

 

気付けるために、監視はどんな現場でも入れているはずだ。朝座って、アラートの内容を確認する。アラートゼロ、が実現できればいいが、アラートは理由があって無視する場合もあるから、一つ一つ吟味していかなければいけない。

もしくは、顧客(ユーザー)から何か連絡が来ている場合がある。ここを調べて欲しい。何か起きているのでは。等々。

また、昨日今日で、何かシステムに手を加えたのではないか、と言う情報も有用だ。かなりの確率で加えた変更が影響し、何らかの問題が誘発される場合は多い。

毎日、毎日、システムに起こり得る変化の様子を確認して、最新の健康状態を把握する。ほとんどの日が何もない。何もないからもうそろそろ見なくていいか、なんてやってると、ある日の違和感を見逃してしまう。だから、これは生産性うんぬんではなく、毎日の確認はとても重要である。

来るべき時に違和感が発動できるように、いつもの日常を知っておく必要がある。日常がわからなければ特別な日も見分けがつかない。

 

だからこそ、違和感がヒットしたと思ったときには、決して無視してはいけない。違和感だけが先に立ち理由がわからないかもしれないが、その時は粘り込むこと。自分の中の違和感は必ず優先すること。メモしておいてもいいから、後から必ず振り返ること。

違和感が間違っていたならそれはそれで修正すればいい。なぜ違和感を感じたかも正しく振り返るとなおいい。

この日々の確認、若手には必ずやるように指示しているが、いずれ財産になるはずだ。システムがどういうふうにメッセージを発し、何かあるときにはこんな挙動をするんだ、ということを学習してもらっている。やればやるほど「違和感」を感じる能力がつく。

また、ベテランの私も、二重で確認は実はしている。私の中の「違和感」を感じる能力も、まだまだ伸ばせる。「なぜ、わかったんですか?」と今後も言われたい。そのためには、最新の日常の状態を日々学習することが重要だ。これはトレーニングではなく、能力を発揮するための義務のようなものだ。

 

そう言えば他部署のマネージャーと話していると、私よりも色々なことを心配されていることがある。以前は「そんなに心配せんでも」と思っていたが実は私より違和感を感じる能力があるのかも、と考え直しをしている。全ての違和感を頂いて、私なりに調べてみると当たっていることもあり、尊重するようにしている。

この、違和感、というものはきっと、大事な感覚の一つなんだろうと考える。