orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

人材募集をしている会社のほとんどはしんどいことになっている

 

最近の人材募集ページはよくできていて、社員たちは社会一般と比べてレベルが高く、やりがいと成長に満ちあふれているように見える。実際に働いている社員の声もうまく編集されていて、誰もが夢を持ちながら切磋琢磨し、ビジネスの成功を導いているように見える。

しかしそれ、かなりお化粧をしている。どんな有名企業であれ。

人材が欲しいという状態は、人が足りないということを暗示している。そんな有名企業なら黙っていても人が来るでしょうと思いきや、それならそもそも募集すらしない。新規事業が急成長で人が足りないんでしょう、と好意的に捉えたとしても、その人が足りない場所は結構えらいことになっている。残業時間が社内標準と比べて多すぎる。人手が単純に欲しい。もしくは社内に人がいないのを諦めて外部の会社にアウトソーシングしている。でも、せっかくのビジネスなのになぜ自前でやらないのかと言われるとそりゃそうなので、頑張って採用しよう。そんな話になっているのである。

転職を検討するときに、こんな有名な会社が自分を相手にしてくれるわけない、と求職者から率先して尻込みしてしまう。いやいやもったいない。有名かどうかは、内部事情とは全く関係がない。きれいなホームページに騙されてはいけない。採用側もきっちりしているように見えて、社内に早く人を入れないとまずいと焦っていることが大半だ。人を入れるということは、入れない状態を長く続けると良くないと白状しているようなものだ。

もし中途採用に募集するとすれば、その企業側の「助けて」がどこにあるのかを探ればいい。「なぜ今回、人材募集にいたったんですか?」という質問をぶつけてみる。きっと本音は言わないだろうが、何か答えなければいけない。その中のニュアンスにきっとヒントがあるはずである。

例えば、ビジネスの中核を担っていた人物が急に退職してしまい、チームが混乱している。なんとか経験者を探して当てはめたい。喉から手が出るほど欲しい。しかし、会社は混乱しているとは求職者に言えないはずだ。むしろ余裕まんまんで、何の問題もないふうに装うだろう。わざわざ問題のあるところに来てはくれないから、入ったら充実の教育環境・福利厚生、刺激になる技術や環境、実際の仕事、いろいろと見栄をはるのが人間の悲しい性である。こんなに素晴らしい会社だから一緒に仕事しませんか?、って。

転職検討の際には、会社の本当の目的があることを踏まえ、交渉時にできるだけ近づいてみるべきだ。何の目的もなく人材を増やそうとするか。急成長だと言うなら何の事業がどう成長し、どんな人手を欲しいのか。それが自分自身にどう当てはまるのか。そのすり合わせの場所として面談を利用すればいいと思う。

これが、ごく一般的な、自己アピール・自分のスキル・自分の職歴・・・と自分中心の転職活動をすると、相手の、会社側のニーズが抜けてしまうのだ。むしろそのニーズと自分自身がアンマッチならお断りしなければいけなくなるかもしれない。どんな好条件でも自分がフィットしない会社に行くと大事な自分の感情まで売り渡すことになってしまう。仕事とはそうじゃないだろう。

人材採用している企業を見るときに「何に困ってらっしゃるんですか?」という態度で接し、そこで自分が活躍できるかという目線を必ず持ったほうがよい。外部から会社を見てもきれいなところしか見えないが、内部はたいてい苦労しながらまわしているものだから。