orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

一度だけ転職したときの最悪な思い出

 

今まで一回だけ転職したことがあって、その時にとんでもないことがあった。出社最後の日の話。と言ってもほとんど他社のオフィスに常駐していたので本社オフィスに行くのはもう何年ぶりというレベルだった。新卒で入って十数年、色々あったがお世話になったなという普通の感想を持って本社の会議室に入った。

そこには何人か、私と同じように退職する人が居て、合同で退職にあたっての説明を受けるようだった。そういえば退職時に、有給休暇が繰越分も含めて40日間残っており、ああ有給消化してゆったり辞めれば良かったな。もっと言えば、翌月に賞与支給があったのでそれもフイにした。なんとももったいないことをしてたなあのときはと思うが、転職は勢いも大切だし、かつあのときに博打を打ったのは公開していない。決断するなら速いほうがいい。あのときの損なんて今となってみれば些末なものだ。

会議室では人事担当者(顔も知らなかったが)から退職時の手続きが書かれた書類が配られた。離職率も高い会社だったので手慣れているのだろう。十数年も居たけど辞めるときはあっさりしたものだな、と少し寂しい思いをしながらも事務的に過ごした。

で、ふいに私に、今日の出席者名簿と出席チェックを兼ねた用紙が私の席に回ってきた。ちゃんと出席して説明を聴いたよねという確認をするようだ。

その書類を見て凍った。なんと私の名前がない。え?。何度見直しても私がいないので、人事担当者に聴いてみた。私の名前がないんですけど。それはおかしいですよね。あなたは○○さんじゃないですか?。

○○さんの名前は確かにその紙に書いてあったものの、違うっちゅうねん。私はXXです。そう言うと人事担当者は慌てだし、多分一度退室して自分の席に調べにいったんじゃないかな。

しばらく待つと会議室に人事担当者が戻り、すいませんでしたとひと誤り。出席簿の紙を再度渡された。

間違った○○の名前に二重線が引かれていて、手書きで私の名前があった。

ふーん、十数年も働いて一応管理職扱いだったのに、最後はこれなんだな、とまあ呆れ果てたのだけど、どうせ辞める会社だしということで、手続きが終わったらさっと退社した。

 

会社を辞めるかどうか迷っている人に言いたいのだけど、会社という仕組みは著しく人間に対して薄情だ。人事担当者が社員の名前を間違えるなんて致命的だと思うのだが、それで成り立ってしまう世界だ。

今務めている会社の社内報を眺めていた。随分懐かしい顔もあったが、ほとんどの人がもう居ない。今の会社だってもう十年以上いるので、中途で入ったがもう古株である。入社しました!がんばります!みたいな笑顔であふれているのだがこの人たちももう居ない。会社は人が入れ替わっても継続する不思議な仕組みで、どんなにあなたが会社で実績を残そうが、あなたがいなくなっても継続する。自分が居ないとこの会社がどうなるかわからないというのは、きっと経営がおかしい。どうにかなる。

おかしい条件で働いていたり、許せないような出来事があったりしたら、何の猶予もなくスンと転職していいと思う。義理も人情もないのである。会社なんてそんなものだ。

会社が自分のことを大事にしている、なんていうのは錯覚であり戦略であり、会社は自分を利用しており、自分は会社を利用している。利用価値がなくなれば終わる関係なので、あんまり過信するものではない。

会社は自分に利用価値がなくなればぞんざいに扱ってくるからこそ、自分も会社の利用価値は冷静に見極めるべきだ。そして自社に依存せず、他社でも活躍できるように普段から気を緩めないことは大事だ。

しかし、名前を間違えるとかって・・。