orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

IaaSに戻るのを待ってました

 

インフラエンジニアをやってると、IT関連についてニュースが出る前に世間のトレンドがわかります。

ここ数年はマイクロサービスに人々は熱心でしたが、結局は局所的な流行で終わりそうです。コンテナまでは皆便利さはわかるのですが、それを本番環境に置く時に、結局はどこやらのベンダーが場所代を取るビジネスになっているのに気が付いています。マイクロサービスだろうと、過去の作り、いわゆるモノリシックであっても、動いてるものは同じ。金かかるならなぜわざわざ、慣れている技術者の少ないマイクロサービスにするのみたいな風潮は数年前より今の方がかえって強いような気がします。

Kubernetesはオープンソースですが、これ自体を無料で構築し自社オンプレで動かす、みたいなことをやって疲弊してパブリッククラウドのマネージドサービスに載せ替えた会社はたくさんあり、それを横目で見て、それだったら普通に仮想サーバーにミドルウェアインストールしてアプリケーション置いといた方が楽だし、慣れている人も多いし、管理も感覚的だよね。はい、その通りです。

開発手法も運用も全部様変わりしてまでも、便利さを取ったとしても、結局コストダウンにならない。むしろ利用し続けるためには新しいプラットフォームに慣れ親しんだ技術者を集めるか育てるかしなくてはならず、その上でその技術が世間的に廃れたら、技術的負債の出来上がりです。マイクロサービスに限らずそんな技術はたくさんあります。

結局開発手法より、モビリティー、つまり普通のIaaSならどんなクラウドでもむしろオンプレでも動く。またIaaSなら技術者もたくさん調達でき、かつ安定した品質で構築・運用できる。また、競争が働いているので最も安価に調達できる。私はそういうイメージだったので、ここ数年の流行について付いて行きながらも、結局IaaSは残るなという感触でした。特にここ最近、コロナ禍後でシステム刷新が急にどこそこで走り始めたのですが、結局IaaSを継続する案件ばかりが押し寄せたので、読み勝ちだな、と思いました。まあ勝ちと言うか、マイクロサービスに情熱を持っていなかっただけで、IaaS側で待っていただけですので何もしていませんが。

マイクロサービスのことばかり言ってますが、FaaSと呼ばれる、いわゆるサーバーレスアーキテクチャーも、結局ワークロードが大きくなっていくにつれ、そして円安も絡んで、「コスト高いやん」「ここでしか動かないんやったらベンダーロックインやん」みたいな言説が強くなっています。

どこまで行ってもIaaSやん、と。

 

で、もうアーキテクチャーで開発利便性を高くすることによるDXみたいな話はみんな幻滅していて、何を作るか自体が重要というのがわかってきています。どうせ実装はベンダー丸投げなので、ユーザーはどうやって開発するかなんてまるで関心がないところもあると思います。

それよりAIです。AIで何かできてる、ということはものすごくわかりやすい革新的ソリューションです。この前NVIDIAの決算が良好で、特にデータセンター向けが伸びていると聴きました。AIもPaaS的な、APIでのアクセスが当初は主流でしたが、私は結構、IaaS上にGPUがあるという形式が来ると思ってます。みんなAIについては絶対にローカル環境で動かしたいはずです。

みんなが使えるタイプのAI、「シェアードAI」とでも言えばいいでしょうか。このタイプは、何社も掛け持ちしているフリーランスみたいなものです。機密情報は教えられないです。それより自社社員に機密情報は伝えたいでしょう。そうするとデータはローカルにしかないので、自社の専用リソースでAIを動かしたいはず。ですからIaaSにGPUを加えたような世界が今後来るんだろうなと予想しています。こんなの、IaaSでずっと待ってた人の勝ちになるんじゃないかと想像していますが、まあどうなることやら、です。

予想が当たろうが外れようが、まあIaaSで待ってた私は、案件の渦が押し寄せて、まあここから10年、食うに困らなそうです。ウェルカム、AI。