orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

誰がそんな値段でモノ買うんだよ、という時代に入った

 

この記事読んで思ったのだけれど。

 

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なにしろ定価が高い。私自身、もう割引なしではスニーカーを買えない、お金がもったいないという気持ちになってしまった。スニーカーは楽しいし、興味はあるのだが、数ヶ月に一度、安い製品を手に入れられれば充分だ。それにしたって、なぜ9年近く続いた魔法が、ほんの数ヶ月であっという間に解けてしまったのかだけは、誰にもよくわからないままなのである。

 

この話、「スニーカーが」という主語になっているので、そうなのかーで終わりがちだが、実際はいろんな市場でこの現象が起きているという感覚がある。

だって、例えば近所のデパートに行って、デパ地下でケーキを買って帰ろうとする。なんと高いもので一個1,000円以上する。平均相場で750円くらい。明らかに高すぎる。今は高いんだよ、と言われても手がでない。買わなければいいだけだから。値上げしたらその分企業は儲かるよね、というのは安直過ぎる。こうやって人はものを買わなくなる。いや、ケーキは美味しんだけどさ。

ちなみに、そのまま成城石井に行って4つで900円くらいのケーキセットを買って帰った。話は逸れるが成城石井のケーキは見た目は普通だが味が美味しいので、ケーキ屋の値段に閉口したら買ってみるとよい。値段も破格だ。

後は、中古マンションもおかしなことになっている。私は超デフレ時代の若い頃に無理して買ってずっと住んでる自宅があり、狭いながらも今売ると結構いい値段になっている。そうなんだけど、本当にこの価格で買うんかいな、ということに疑問を持っている。だって長く住んだ住居なのにさ。また、本当に売れたとしても、同じ条件のマンションもきっと値段が高い。そんな値段で売れるの?という金額で、他所を買いたくないよね、ということで、一周してずっと住み続けることにしている。

昨今は値上げして、売上・利益が上がってその分、給与に反映して、みたいないい話になっているけど、実際はこのように、モノが順調に売れなくなっているのではと危惧する。値が高いまま売れなくて、仕方ないから大幅値下げ。これじゃ値上げした意味はない。値上げするも値下げするも戦略なんだけど、なんとなく、どこかの会社が出し抜いて、劇的に値段を下げて市場を取りに行くようなことをするような気がする。だって、それは2000年頃に見た景色そのものだからだ。値下げ圧力を無視した会社はどこも営業不振に陥ったし、体力を無視して値下げした会社はしくじって潰れてしまった。明るい時代ではなかったけれど、とにかくモノが安くなるので、現金持っている方が価値みたいな時代だったな。あのデフレ時代にモノを買い漁った会社が今、資産倍増で偉そうなのだが。

そういうことで、安易に値上げすることに手を付けないほうがいい。よく言うではないか。企業努力で値上げしません、とか。ここは耐え時であり、値付けで随分競争の結果が変わる時代になってきた。後はセンスである。世の中を冷静に見て値付けし、そこで利益が出るように画策する。とにかく値段を上げても消費者が付いてくるという、わけのわからない確信は捨てたほうがいい。