orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

X(旧Twitter)が意外と強いかもしれない件

 

X(旧Twitter)っていつまで書かなければいけないのか。この文書では今後Xとしようか。イーロンマスク氏がトップに就いたあと、いろいろな変更が行われ物議を醸した。長いサービスでありブランド価値もあったので、その象徴であるロゴやブランド名変更は大いに話題となった。Xには未だに慣れないと戸惑う人たちも多い。

ただ、ここ最近の変更頻度を考えると、高い評価をするべきじゃないかと考え始めている。というのは、これだけ頻繁な変更にもかかわらずサービス障害を最低限に留めているからだ。

SaaSの基本は、よりたくさんの変更を必要に応じて安全にできることだ。これまでのシステム開発ではこうはいかないし、Twitterは地球規模で回しているシステムだ。これに対して変更をかけまくるというのは基本的に正気の沙汰ではないが、やり遂げてしまっているように思う。そしてこれから例のスーパーアプリ化に向けてもっと加速するように思う。

その変更内容について、賛否両論はあるだろう。前が良かった、もっとこうすればいいのに、いろんなネガティブポストを見た。ただ、変更が素早くできること、いわゆる俊敏性が高いと、間違ったと思ったらすぐに再変更ができることにある。一番まずいのは悪い変更をすることではなく、悪いことを悪いと素早く認め元に戻したり、さらに手を加えて良い方向に持っていったりすることができることだ。

Twitterはむしろ長いサービスの中で、たくさんの技術的負債を重ね、どんどん変えられなくなっている、と思っていた。マーケティングや利用方法の変更、他社とのキャンペーン、つまりシステムに関わりがない方法でマネタイズしていこうとしていた会社のように評価していた。それらはうまくいかなかった。

それを、システムにいきなり手を突っ込んで、どんどんとごにょごにょ変更を日々加えるようになった。ある日色々と仕様が変わる中でも、Proの収益化、つまりXに貢献するユーザーにはキャッシュバックする仕様を導入したときにはルールが変わったと思った。まだその収益化の方法や影響については賛否両論の部分はあるが、Xがふさわしいと思うアクセスを増やす方法論としてはど直球素晴らしいと思った。

また、逆にAPIによる自動化など、人間が関与しないアクセスは極力減らすことも、ものすごい抵抗を受けながらも成し遂げたように思う。

きっとSaaSにおいて重要なのは、ユーザーの声を聴くことではない。運営者が正しいと思える変化を即座に加えることができること。そしてその判断を反省することができ、更に良くする変化も加えること。ユーザーの声はその次にあると思う。あまりにもユーザーの声を聞きすぎると、より私利私欲の強いユーザーがXのためにならないことを大声で言い出すことを重要視してしまう。それではビジネスではない。WIN-WINを突き詰めていくことについては、これまでの変更がぶれていないように見えていて、これはかなり強い運営に変わったのではないか、そう思っている。

まだ、Xの変化は始まったばかりであり、油断もできないのは当然だが、一旦は高い評価をしておきたいと思う。この俊敏性を得たプラットフォームがどのような変化をユーザーとともに歩むのか、興味が尽きない。