orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

なぜ就職氷河期世代にはタフな人が多いのか

 

社会人生活後半戦のまっただ中だが、幸せなことにそれなりの職位を得ている。色々あったけれど、結果良ければ全て良し。これは私にピッタリの言葉だなと、噛みしめる。プロセスは散々なことも多かったし、なんでここにいるのかはよくわからない。ラッキー。

今のポジションになるまでには、本当は色々な教育を受けているべきだった。でも、IT業界であるあるなのか、現場でのトレーニング(いわゆるOJT)ばかりで経験だけでラーニングしてきたから、振り返るとやらなくていい失敗をたくさんしてきた。多分に、一般的に考えてものすごく多い。ただ、負けず嫌いなのと自信過剰なのと、そして打たれ強い忍耐まで重なって、繰り出す球数だけ異常に多かったので、確率論として当たりを引き当てることができただけだと思う。人はそれを運がいい、というけど、宝くじを全部買い占めれば絶対当たるわけだし、競馬で全頭の単勝を買えばどれか当たるわけだし、当たることだけで言えば数が多ければいい。たまたま引いた当たりだけを動画に取って、あたかも当たりを引き続けた人みたいにもできるわけだ。

そういや、私の年代で生き残ってる人にタフな人がやたら多いのは、そのせいだね。もう痛覚すらないんじゃないか、くらい。ただし、これって真似できるやり方ではないのかも。できると思った人がやってみて、地面に立っていられたらいいけど、全くおすすめしない。

だからこそ、今の若手の方々に、「私と同じようにたくさん球を繰り出して、いっぱい失敗してもくじけず、当たりを引くまでがんばりなさいよ」なんて言わない。そんなやり方、時代遅れだと思う。スマートって言葉の真逆だから。また、失敗の連続に耐えうる心がある人ばかりではなく、耐えられない可能性を考えるとやらないほうがいいというのは現代の人間の知恵として成立すると思う。ダメ、絶対。

我々の世代が苦難を強いられたのは歴史背景からであって、今そんな歴史背景はないのにわざわざ真似するのは危ないからやめて、と言いたい。だって、生きてこその人生だから。安全圏ばかりにいたら生きてる意味がないと言う言葉はあるけどあれも違う。安全圏にいながらどう生きていくかを考えて欲しい。今はそういう時代だから。頭を使えばできるはず。

この昔の価値観を捨てることで、かなり現代社会に適応できたように思う。普通は思うよ。自分が成功してきた方法を若手に伝えよう、って。自分の成功手段を全否定して、そして今はこれがモダンだよ、って方法を把握し納得し、そして率先して現代にふさわしい方法を実践していく。やっと、やっとできたかも、これでも失敗しなくても済むという実感をしたがもう40代ももうすぐ暮れる。うーん、まだでも、10年以上は社会人やると思うので、ここからは安全圏から球を繰り出すかな(豪速球)。

これからの若手人材は少子化でどんどん貴重になるので、日本がお金があるうちにたくさん教育に投資して、みんな失敗なく成功ルートに乗れるとうれしい。タフになんてなる必要もなく、やさしい心で、重責を担っていってほしいと若い世代には期待する。

就職氷河期世代がタフなのは、生き残った人が勝ちってルールだったから。単にそれだけの話である。