orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

「好き」を仕事にするからうまくいくと思ったら大間違い

 

やたらこの勘違いは多いよな、と思う。

「好きなことを一生懸命やっていたから、仕事が上手になり出世する」という表現。

これ、間違っていると思う。

好きとか嫌いとかって、波があり上下するものだ。また、仕事って何十年もやっていくわけで、それをずっと好きでい続けないと成功しないと思ったら、心がきつくなるんじゃないだろうか。

行動原理はそこにない。私の場合は「人の役に立つことが楽しい」だ。

仕事の根源として、誰かに依頼され、それを叶えることでお金をもらえる、という基礎がある。そこでお金をもらうことがうれしいんだと言う人もいるかもしれないが、一方で依頼者から感謝の気持ちを頂くことが、楽しい。

お金というのは、どれだけ感謝したかということを表す数値なので、もちろんたくさんお金を頂けるというのは併せてうれしい。

私の場合はインフラエンジニアなので、「インフラが好きなんだろう。プライベートでもずっとパソコン触って、秋葉原からパーツを手に入れて遊んでいるだろう」、みたいに思われていることも知っている(少なくとも会社では)。それは一つの趣味であり、興味があれば楽しむこともあるけれど、それより休みは、仕事の分野から離れるようにしている。

なぜかというと、自分自身がいろんな経験をして成長をすると、誰かの役に立ちやすくなるからだ。人間的な、人格的な成長というのは簡単じゃない。休みの日も含めて一日一日、何か意義のあることをつかもうとすることで、理想に近づくことができる。

私が客だとして、休みの日もインフラのことばかり勉強している人物より、プライベートを充実させている人物の方が興味を持てる。人と人とのやりとりなので、経験の幅は広い方がいいと判断している。

もちろん技術的に未熟なのに、人間的な成長をしています、なんていうのは言い訳にもならない。技術が未熟ならプライベートでも時間を使って習得に使うことはあるが、ここ最近、そこまでドラスティックに技術の内容が変化することもないので、業務時間中での習熟で十分ではある。

この業界に入る取っ掛かりとして、「パソコンが好き」というのはあったけど、パソコンを通じてお客さんがいて、お客さんが自分のパソコンスキルを通じて喜ぶ、というのが大変楽しいから、こんな長い間、同じ業界にいることができた。

将来、もし重要な仕事をしたいとして「自分が今やっている領域を好きになれ」というのは、これは間違ったアドバイスなんじゃないか。それより「仕事を通じて顧客を満足させることをもっと喜べるようになれ」ということ。もし直接顧客とやり取りがある職場ではないとしたら、自分の周りの同僚、上司、部下を喜ばせること。人を喜ばせることをどん欲に好むことができる人が、より重要な、たくさんの人が影響するような重要な仕事に就きやすいのではないか、と思う。

何かが好きなことそのものは良いきっかけであるので、それをどう目の前の人や、顧客に還元し喜ばせるか間で考えるのが最も、仕事を続けるうえで大事なポイントではないかな。