orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

今の40代が世間のメインストリームから外れていく感じ

 

40代後半の私たちの世代は、世間の流行を追いかけていく時、少し上、今の50代くらいが好むことを少し背伸びして趣味にするととても心地が良かった。

今の50代はバブル時代と青春時代がクロスオーバーしていた時期で、何かとお金をまわしていたことと、第二次ベビーブームでやたら人数が多かったことも含めて、エンターテイメントのターゲット世代となっていた。B'zだってミスチルだってスピッツだって、みんな50代でしょ?。

何となく今の40代ってのは、就職氷河期を食らったこともあり、「足りてればいいよね」というムーブメントを生み出し、無印良品が刺さったり、安物を志向するデフレ経済を引っ張る消費行動をした。50代が太陽だとすると40代は影に隠れていた。

テレビは特にその傾向が強かった。だからいつも少し年上の人たちが占拠していて、私は流行や文化について、いつも見上げている感覚のまま時間が過ぎた。

ところが、いつも見上げてきたその上の世代が、だんだん元気がなくなってきた。年相応というのもある。50代がそんなにフロントにバリバリ立っていても、もう見下ろしたら10代〜40代まであって、下のほうが過半数である。50代も、あれ、いつまでも青春青春してるわけにはいかなくない?っていう雰囲気を感じる。中には、「一生青春だぜ」みたいなロックな人もいらっしゃるが、全体的な傾向として世間のメインストリームは一瞬我々40代を通過しつつ、急にZ世代の方にすり寄っていっている気がしている。

つまり「世間の流行を決めるのは、テレビじゃないよ」ということが具現化した時代の到来であると言える。テレビさえ見てれば流行から遅れない、なんて思っている人はもう少数でしょう?。流行を追いかけている人は、私も知らないネットの情報源をつかんでいるはず。ただ、昔ほどテレビ一極集中ではなく、いくつかに分散している気もするが。

で、テレビもこのままじゃいかんとネットに擦り寄るわけだが、どうしてもテレビ自体が長いこと今の50代をメインストリームにしていたせいで、その名残がひどい。ああもう、若者はテレビなどみないだろうな、というコンテンツがたくさんある。きっとテレビの作り手もどこを見ていいのかわからないんだろうな、と思う。まだ一定の影響力が50代以上には残っているわけで。

そういう違和感を日々感じていたが、最近はもう流行そのものが、40代後半の私なんて素通りして若い世代に対してエネルギーが伸びるようになってきたことを感じ始めた。私が若者だったときに、お年寄りに対して、そんなこともわからないのか、常識なのに・・と思ったことがあったが、そんな立場が私の世代の方に押し寄せてきている。

上を見上げてここまで来たのに、上がおとなしくなり、自分たちが主役になる時代がやっと来たかと思ったら素通りして、下がメインストリームになり始めた。

こうなると何が起きるかというと、ジェネレーションギャップが、40歳あたりにでき始めるのではないだろうか、と。さっぱり世間のことに興味が持てなくなって、流行しているものも全然自分には関係もなく感動もなく、過去流行したものをありがたがって取りまとめて見直す。

サブスクの音楽だって、気がついたら、1990年代あたりに流行した音楽をリピートし続けていて、今の音楽はつまんない、聴かない。自然とそうなる。昔のものは素晴らしかったな、なんて。

いったん、そういう状況なんだということを冷静に考え、受け入れて、さて、メインストリームではない私が、今の流行ってどんなんだろうと、改めて手にとって見る。ああ、これは昔に流行した、あの作品の焼きましだね、なんて冷ややかに思うのは多分毒されている。若い世代は生きていて初めて経験したことを表現したのであり、それを、昔発見した人がいるよ、なんて感想を言うのは失礼な話だ。

そう考えると、これは、なかなか礼儀が必要な話である。リスペクトを持って受け入れていくべきなんだろう。メインストリームが急激に移動したところで、素晴らしいものは素晴らしいのだから。