orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

コンサルとはいったい何だったのか

 

この業界にいて、コンサルティング、通称コンサルと言われた職種は昔からあった。ここ最近めちゃくちゃコンサルと呼ばれる人が増えていて、しかも給与水準が高いんだみたいな話をしばらく聴いてきた。いよいよその流行も終わるらしい。

 

president.jp

2月下旬以降、米国の大手コンサルティング企業が相次いで人員の削減を進めている。まず、マッキンゼー・アンド・カンパニーは約2000人の削減計画が報じられた。削減規模は同社にとって過去最大規模とみられる。3月23日、アクセンチュアも大規模なリストラ計画を発表した。今のところ削減規模は1万9000人に達する見込みであり、コンサル業界で過去最大級のリストラが進もうとしている。

 

ただ、傍からずっと見てきたけれど、コンサルという言葉はとても都合よく使われている。超上流の、ビジネスモデル部分からの着手もあれば、そこから下ろして、実際のシステム構築の実装部分までも踏み込んでいる。これは上流を陣取ってしまえば、そこから先の仕事も内製でやったほうが二度美味しいよね、という話だ。

理屈としてはそうなんだけど、コンサル会社に就職したよ!と言いながらやってることはシステムエンジニアリング、もしくはコーダー、テスター、とどんどん世のコンサルのイメージからはかけ離れていく。そして給与もそれ相応である。あれ、コンサルとは高待遇じゃなかったの?と思ったら、業務内容がコンサルではなかったという話になるのも至極当然と言える。

なぜなら、コンサル会社にお金を支払える世の中の会社の数はそんなに多くないからだ。きっと今の成長飽和は潜在需要のピークに達してしまったからだと思う。コンサル=高待遇、ということで人を集めていたけれどそんなうまい話などあるものか。

もう一つ、記事中にサブスクビジネスの斜陽についての言及がある。サブスクというのは、財布の底にある小銭を奪いに行く分野で、人口で掛け算するとかなりのボリュームになるというのでビジネスモデルをサブスクへ転換する会社が多く現れた。

ただ、小銭は小銭であり無限ではない。サブスク界の競争は苛烈になり、気を抜くと競合サービスに占領した面積を取られ、経営ごと厳しくなるという現象が昨今多く見られるようになった。一昔前は、このサービスいいね、このサービスも、このサービスも・・とどのサービスも右肩上がりでも伸びたものだが。今や、このサービスを選ぶためには他のサービスを辞めなきゃ、というフェーズに入ってきた。こうなると、必ず儲かるビジネスモデルを展開できるというコンサルのブランドが揺らいでしまう。

今後AIによって新しいビジネスモデルが開発され、それをまたコンサルが主導し、そしてコンサルの配下にいる技術者が実装していくモデルが継続するのならいいが、なんとも微妙な状況である。ある日ChatGPTが話題を席巻したように、また別の存在が現れるかも知れず「サブスクいいよ」みたいな状況とは違う。AIは、サービスではなく、まだただの一つのSaaSに過ぎないと思う。お金儲けまでは達していない。

明日のコンサルが、世界をどこに向かわせるのかは、決まっているのであれば教えてほしいくらいだ。ここ数年、リアルイベントが不足気味で、各社の打ち上げ花火がないので停滞していた。というか、コロナ禍配下のニューノーマル、みたいな展開がうまくハマったおかげの成長だったはずだが、もう終わった。終わったのに始まっていない。そう、今はまさにそう。何が始まるのか。始まったらまたコンサルも始まるのである。始まらなかったらリストラされるだけ。そういう姿を今、世界から見せられている。