なんとなく部下(たち)ががんばりはじめた気がする。指示もしていないのに夜遅くまで残って**何か**をやっていたらしい。
何をやっていたか聴いていないのでわからないけど、わざわざ夜遅くまで残っていたくらいなので、本人たちも期するところがあるのだろう。お疲れ様、だ。
その結果何が起きるのかはわからないけど、ここで「遅くまでお疲れ様。がんばったね。」なんていう上司からの声掛けって、私はいらないと思っている。遅くまで残れと指示はしていない。彼らは結果を出すことを目的として何かをやっていたはずだが、結果を出すのはこれからなんだと思う。
努力していることに対して評価しだしたら、それこそ「努力しないで結果を出している人」は損になる。結果を出していることだけがものさしで十分だ。今、この時点においては、とりあえず関心すら持たない「ふり」をすることに決めた。そして、結果が出るのを楽しみにしたい。
・・・しかしまあ、実は私の性格には合わない。
「昨日、なんで遅くまで残ってたの!?」
「何してたの!?」
「そうなんだ、すごいね!やる気あるね!」
などなど、めちゃくちゃ言いたい。そもそも夜残っていることすら実は把握していたので、もうリアルタイムで聴きたくもなったのは秘密である。
けど、ぐっと我慢した。我慢しただけではなく、知らないふりをすることに決めた。
ここ最近はそういう心がけを実践することが多くなった。
実は新しいメンバーが加入して、受け入れや教育も任せているが、色々言いたいことはある。もっとああしてあげれば、こうしているだろうか。もんもんとしているのだが、きっと、何らかの明示的な相談・報告がない限り、私は動いちゃいけない。
もし、自分が部下の立場なら、一挙手一投足に上司が反応してきたら、めちゃうざい。黙ってくれ。ちゃんとやってるんだ。計算してるんだ、となる。
もしくは、部下が何かやろうと思っても、上司がすぐ「どうしたの」「私きいてないよ」みたいなことを言われようなら、ほんとやる気を失くすと思う。そんなに上司がやりたいようにやりたいなら、直接見ればいいじゃん、ってなる。
とまあ、本当は私はマイクロマネジメント気質なのに、あえて、ぐっとこらえて見守るマネジメントは、なんだか自分を成長させていると思う。だって、信じないといけないから。信じる。もし何か想定外のことが起きたら、もちろん百人力で助けよう。でも、面白いことに、人間って有能なのである。そもそも、私のいない全ての会社が今日もまわっているわけであるから、私が動かないといけないことなど、本当はないのである。だから、ほぼほぼ、信じたら、信じたとおりにやってくれるし、もしくはそれ以上のこともあるし、それが実は部下にとってもやりがいにつながることである。上司に信じられて、部下は自分で考えて行動し、そして結果を返す、この繰り返しが信頼を育み、社会人としての自己肯定感をもたらす。
この境地に30代くらいで到れると本当はいいんだが、私の場合は40代後半まで来てやっとだな、という感想だ。
私の経験を踏まえると、自分の腕に自信があり他人には負けない、という人がマイクロマネジメントに陥りやすいと思う。自分ができることは人にはできない、と思いこむせいで、未熟な人の行動が気になりやすいからだ。しかし、それは、この通り逆効果なのである。
ぜひ、マネジメントをするのであれば、気をつけてみてほしいトピックである。