orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

頭を使わない仕事が減る中で、ベテランが若手にできること

 

不思議なもので、「頭を使う」ってのは、自己が認識できる。頭を使っているなぁと感じることは誰でもできるのではないか。頭を使ってないなあとも感じることができる。でも目には見えないので、皆感覚でそう言っているだけである。でも、間違いなく、頭は使うものである。

頭を使うと、頭が疲れる。これも不思議。頭が疲れると、ぼーっとしたり、ケアレスミスをしたり、物理的に頭が痛くなったり。誰でも経験があるだろう。使いすぎは疲れるのだ。疲れると、コーヒーを飲みたくなったり、お酒を飲んだりする人もいるだろう。

そして、快眠できれば、また頭が使えるようになる。

頭を使う仕事は、体を動かさないわけじゃない。スポーツ選手だって、かなり頭を使ってプレーをしているだろう。

一方で、頭を使わない仕事というのも、未だに存在しているのも事実だ。

 

IT業界で仕事をしているとき、一番にターゲットにするのは、この頭を使わない仕事が存在していること、である。頭を使わないということは論理構造がシンプルであるということだ。だから、プログラミングすると行数が少なく書ける。そうすれば自動化することにそこまでコストがいらない。そうやって、まずは頭を使わない仕事が、業務の中に潜んでいないか。そういう役割に甘んじて頭を使わず楽をする人がいないかを、かなり綿密に洗っていくことが、効率化の第一歩となる。ITの大好物だ。

一方、そういう頭を使わない仕事が終わった後、次に取り掛かるのが、妙に頭を使う仕事でも、繰り返しやパターンが多い場合だ。複雑であっても丁寧に追って行けば、自動化できるかもしれない。頭を使っているように見えて、実は無駄な思考が積み重なっている場合がある。大きく見れば、頭を使っているように見えて、単に不器用なだけだったというオチを探すのである。

ITの力で、どんどん、人の頭を使わない部分を消しこんで消しこんで・・、残るのは、最後は頭を使う仕事になると思う。

思考すること。考えて考えて、判断し、結論を出すこと。

AIがだんだんと仕事に入り込んできているが、しかし、人が考えるということには到底及ばないと思う。AIがやっているのはまだ、情報をまとめているだけだから。

 

だから、これから若手が大変だな、と思う。なぜなら、はじめは手を動かし、あまり頭を使わない仕事から始めて、そして全体が見えたら思考する方向に行くのが普通だった。ところが、頭を使わない仕事がどんどんデジタル化していって、いきなり、考えることを求められる。会議の場で発言せよと言われる。しかし、若手にはまだ情報がない。ないからAIを使って情報を集めなきゃ、となっている。しかし、そんな付け焼刃の情報で、頭を使って考えることがはかどるはずがない。

だから、若手でも考えることができるために、ベテランはこれから、考えるネタをどんどん若手に伝えていくことが仕事になるんじゃないかな、なんて思い始めている。若手はあたかも、AIの学習モデルと一緒だ。それに学習データを与えるのがベテランだ。そうしたら、学習が進めばAIは優れた結果を出してくれるようになる・・はずだ。

 

頭を使わない仕事が減るのは時の必然だ。だからこそ、次の社会の姿を見据えて、考えることができる次世代を次々と生み出すことに集中していきたいな、とあるベテランは思うのであった。