orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

パソコンを買う気が起きない

 

たくさんのパソコンに公私で囲まれている私だが、ここ最近はGPU(NVedia GeForce RTX 3090)を買ったことぐらいでそれ以外の投資をしていない。

CPUはAMD Ryzen 3950Xを使っていて、最新の7950Xなんぞ買うと、1.5倍くらい速いぞというレポートは出ていて少しだけ興味はあるが、1.5倍ね~、それって便利かな?という気持ちもある。200km出る自動車が300km出ると言われても、いやそんな飛ばす用途ないし・・と。

昔は多分、時速5kmだったのが30kmになり、ランニングが自転車になり、オートバイになり車になるような進化の仕方をしたのが1990年代後半から2000年にかけてだった。まだシングルコアだったし、そこからデュアルコアになりクアッドになり・・。

当時は、ハードウェアスペックの向上に合わせてソフトウェアも一緒に進化し、ああ、そんな使い方するんだったらソフトウェアとハードウェアを一緒に買い替えるか、の世界だった。

今の考え方は違っていて、クライアント側に重い負荷をかけるのではなく、クラウド側・サーバー側で重い処理をさんざんやった結果だけを返してクライアント側は表示に徹するというのが、基本的な考え方になっている。インターネット接続を切った上で、パソコンを何かに使う人は恐らく減っている。

デザイン系のソフトウェアすら、今やWebブラウザで実行できる。

ここから、あの頃のようにハードウェアがぐんぐん進化していけるかというと、きっとできるんだろうけど、「なぜ?」の部分。モチベーションが難しいと思う。期待感だけで売れる時代が過ぎた。

スマートフォンが売れないらしい。

 

newswitch.jp

物価高騰や為替の円安を背景に携帯電話端末の出荷台数が減少している。MM総研(東京都港区)によると、2022年度の国内携帯電話端末の総出荷台数は、00年度以降では過去最少となる見通し。公共料金や生活必需品の価格上昇を踏まえて通信費を見直す世帯が増えつつあり、端末自体の価格上昇に伴う買い控えも響く。携帯通信事業者や端末メーカーはこうした逆風下で、いかに消費者の購買意欲を喚起できるか試される。

 

インフレを理由にしているが、きっとパソコンと同じことが起きている気がする。私の手元にはまだiPhone 11 Pro Maxがあるが、まだまだ現役である。もう発売から3年半も経つが最新機種と比べてもそん色ない(はず)。

だって、買い換えてもやること変わんないし、手触りも同じだし。色変えたってどうせカバーするから、ね。

そう考えると、今のコンピューターをめぐる業界全体において、アーキテクチャー自体を替えて行かないとイノベーションがもうできないところまで来ているんじゃないか、と思う。

例えるなら、剣や鎧自体のイノベーションと、剣技の発達両方で、武力を定義していたのが、近代において銃や砲弾が開発され、戦力の定義がひっくり返ったこと。

そういうことが、このコンピュータ市場全体にも起きないと、クラウドかオンプレか、最新CPUや最新スマートフォンみたいな話ばかりしていても、煮詰まっちゃうんじゃないかと言う気がしている。

この議論はどんな時代もあったけど、まさにもうそういう時代になったんじゃないか。現在完了形で話したい話題である。

業界全体でAIに期待しているのはこの文脈だ。メタバースだってそうだった。ただ、ほとんどが、幻滅していく。何度もチャレンジするから人間の文化は発展していったが、次に何が出てくるのか。それとももう出てこないのか(ほんとに?)。

正直言って、今のDXがやっていることなんて技術的には周回遅れの話題ばかりなので、今の現状は、ガジェット好きの私としては物足りなさしかないのである。