orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

社員教育こそ内製せよ

 

企業において、人への投資、という話題がありますよね。

これって、外部研修に送り出したり、資格取得を助成したりき、うんぬんかんぬん。私もそういうイメージでいて、かつなんだかそんなことより、勝手に勉強するんで、成績上がったら給料で還元してよ、と思う方でした。

お金いっぱいもらったら、自分で自己投資するんで、勝手に会社が人への投資とか妄想して、受けたくもない研修を受けさせられて、それで裏で何十万円もかかっているとかって、無駄じゃない?って。

そのまま40代後半になって、この、社員のレベルをいかに引き上げるかということについて最近価値観が変わったんです。正直言って自分自身と若手のレベルの差がありすぎる。そもそも外部研修にやったところで、外部研修様がどれだけ若手に学習を定着してくれるの?と。結果にコミットできるんかい、ということです。

人への投資、みたいな言葉に騙されて、研修会社みたいなところがお金を吸い上げるくらいなら、もっといいお金の使い方あるんじゃないかな、と。

社内で、私のようなベテランが、もう全力で、毎日情報提供を若手にしてあげたほうがより効果的じゃないかと思ったのです。

若手は、なんて自分は知らないんだろう、ということを知ることができます。

もちろん、世の中のありとあらゆる事象を指導するなんてことはできません。本人自体が目的性を持って自己学習しないと身につくわけないですよね。

それを私であればもう20数年自分でやってきているわけで、その情報量だけでも、外部研修では全然カバーできません。

こういう、人の中に蓄積されているナレッジって、企業の中で眠らせておくのってもったいなくないですか?。

そもそも、業務がデジタル化され、分業がスマートになってきていると、物理的なコミュニケーションもどんどん減ってきます。若手も勉強しなくたって食いっぱぐれない、超ホワイト企業みたいな場所もどんどん生まれてきます。でも若手は、このまま年齢を重ねたら何も身についていなくて怖い、となります。

そこで、大企業の、社内研修制度が充実しているような場所に生きたがるのですが、そんな大きな仕掛けを大金を積んでわざわざ用意しなくたって、社内のベテランがひと肌脱いで、驚異のアウトプットを実行するだけで世界は変わると思うんですよね。

そう、「若手が育たねえな」ってぼやいてるだけじゃ、人は育たない。

きっと社内に「スキルの源泉」みたいな人物がいるはずです。その人物が、社内がレベルアップしきるまで、トークし続ける。そうすると、教える情報以外にも、大きい副作用が生まれます。コミュニケーションが活発になるのです。

一方的に話をしているから、序盤はコミュニケーションというよりはスピーカーの機能のほうが強いのですが、続けていると変わります。この人はこんなに詳しいんだ、こんな大変な意思決定をしてるんだ、ということが伝わってきます。そうすると、業務上困った時に絡むようになります。

デジタル化で社内の稼働が減り、働き方がスマートになったならチャンスです。その余った時間、ベテランにはスキルの「アウトプット」をさせる。若手はとにかく聴いて「インプット」する。よりアウトプットしたベテランは評価し、よりインプットできた若手も評価する。そうやって、社員教育こそ内製化すれば、会社の中のナレッジレベルが、どんどん上がってきます。

後、若手も真似しだすんですよね。若手もいつまでも若手じゃないので、新しい人が入ってきた時に同じことをしてくれる。こういうことを文化として醸成できる会社が、これから強くなると思います。

デジタルが、コミュニケーションの解像度を下げるから、とりあえずオフィスに来い、というよりは、社員教育をきっかけとしてコミュニケーションを増やす方をお勧めします。自然とオフィスに集まったり、Web会議でもコミュニケーションが生まれたり。

コストを使うなら、それで結果を出した社員に給料で答えるべきですね。

あと、ベテランはアウトプットばかりで得がないじゃないかと思うかもしれませんが、最近思うのが、このアウトプットできるということの価値がインフレしているということ。「あいつアウトプットすごいぞ」ってのが得をする時代、来てます。だからどんどんやってそのスキル自体を上げるべきだと私は思いますよ。