orangeitems’s diary

クラウド専任の40代インフラエンジニアが書くブログ。新規事業マネージャー。20世紀末の就職氷河期スタート時にIT業界に文系未経験で入りこみそのまま生き残った人。

人々はなぜ出世を嫌うようになったか

 

最近、出世するより自分の生活を大事にしたい。給料はそこそこでいいから責任を背負いたくないというニュースをよく耳にします。給料があったほうが生活が豊かになるのに、とは思うのですが、何か秘密があるのではないかと勘ぐります。

よくよく考えると、理由らしきものを感じたので記載しておきます。

出世する、というと最近は、年収800万〜1200万くらいがボリュームゾーンなのかなと思います。その年収に対する「手取り額」を確認してみます。

 

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上に行けば行くほど、手取り額の伸びがどんどん減少していくのがわかります。つまり、ある程度の出世を達成した後のがんばりって、コストパフォーマンスが悪いということです。昔は10がんばれば9伸びていた結果が、ある水準以上は10がんばっても5くらいしかもらえないということです。

しかも、最近の行政を見ればよくわかりますが、低所得者寄りの優遇政策が多いですよね。年収制限を設けてそこから上は補助がないなんてこともザラです。

つまり、出世すると、がんばるだけ損、という社会設計が進んでいるということです。

ただ一方で手取りは確保したい。だからこそのダブルインカム、共働きです。つまり年収800万 x 2という状態がもっとも心地の良い、納税や福祉とのバランスが良いということを、政府が推奨しているということになります。

これだけ出世するということに締め付けのある制度設計だと、結局のところ出世とは、自己満足、名誉の世界の話ということになってきます。

もしくは、リンク先にもある通り、節税をするためにいろいろな方策を考えないといけないという世界になりますが途方もないです。普通に働いて普通に収入をもらうことは許されない世界に行くより、責任もそこそこでプライベートを優先するというのは、結構頭の良い話のように聞こえます。

一方で、「出世しない」という働き方のスタイルだと問題になるのが、必要な経験やスキルを取得する機会が失われがちということです。せっかくのチャンスをふいにするのですから、年齢が進んだときに真っ先にリストラ候補になるリスクがある、ということは覚悟する必要があると思います。もし、夫婦そろってそのような状況で、かつ資金計画ギリギリで余力のない家計を営むと、何か仕事上で減給になるような問題が起こった時に対処が難しくなってしまいます。これは、ある程度出世をする方が、スキルや経験を身につけているので市場価値があり、転職などで対処ができる場合があるというのを強調しておきたいと思います。年収コスパは悪いですが、年収に見合った実力があるということです(まれに、実力もないのに高収入というパターンもありますが、どんどん駆逐されていくでしょう・・)。

社会制度がこのようなので、効率を優先する若手の気持ちもわからなくもないですが、年齢が進んだ時に、ああ、対抗する経験が身についてない、と焦る前に、私は精一杯、責任や経験を身につける努力をしたほうが良いと思いますが・・。人それぞれ価値観はいろいろなので断定はできませんが。