ITと忘れられる権利のバランス

 

代表的なチャットサービス、Slackのフリープランについて、仕様が変わるらしい。

 

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 月額料金がかからないフリープランでは一部仕様を変更。保存できるメッセージ数は1万件、利用できるストレージ容量は5GBだったが、9月1日以降は件数上限を撤廃し90日間のメッセージを保存、ストレージ容量は無制限に利用できるようになる。

 

有料プランの値上げはともかく、フリープランについては結構な話題となっている。10000メッセージ保管から、90日無制限保管となるが、私の使い方で言えばこれで問題ない。メッセージは後ろに流れるだけでよく、そして履歴を見るような使い方はしない。ただ「ピン留めアイテム」を使っている場合、90日前より昔のメッセージは問答無用で消えてしまう。これは要注意かもしれない。

 

今回の変更はかなりのフリーでSlackを使っているユーザーを同様させたようで、思いのほかSlackを「記憶のツボ」として使っていらっしゃる方が多いことに気づかされた。

会社でも、各個人がメールボックスを持っていると思うが、退職してメールアドレスを消すとその人しかもっていなかった情報が消え去るということがあると思う。

有料版のチャットサービスでは、無制限に保管しているところが多いと思うが、このデータはいったいなんだろう。100年経っても保持する気なんだろうか。Twitterでも同じ疑問を感じる。

知恵を貯めておくデータベースがどうあるべきか、という議論はあると思うが、全部保管しておくのは無駄が多すぎるのではないか、と。課題管理ツールは、課題が未解決の間は保管しておくべきだと思うが、解決した後3年ほどしたら誰も見ないのではないか。また、その間にもっと知恵を整理して、別の場所にまとめておくなどで十分だと思う。メールも、1年経ったらもういらない。チャットも話したことがいつまでも残っているのもどうかと思う。

人間の性質として、何でも残したいという欲求が今回明らかになるにつれ、デジタル分野における莫大なデジタルのゴミのような情報は、どうなってしまうのだろうか。

テキスト情報ですらそうなのに、昨今は写真や動画があり、これがまた問題をややっこしくしている。

まだ、YouTubeは、古い動画について、削除ポリシーを発表していないので、永遠に残るんだと思うけど、Googleのテクノロジーで永遠保管を可能にしてしまうのだろうか。それとも、どこかで打算するのか。

もし、全人類が「データは原則、一定期間後削除していい」と言う妥結をしたら、ずいぶん無駄な資源が減ると思うんだけれど。そして私個人はそれを望んでいる。全てのアウトプットを永遠に保管されるなんて耐えがたい。忘れられたい。