orangeitems’s diary

クラウド専任の40代インフラエンジニアが書くブログ。新規事業マネージャー。20世紀末の就職氷河期スタート時にIT業界に文系未経験で入りこみそのまま生き残った人。

サポートエンジニアの憂鬱

 

今ではインフラエンジニアを称しているのだけど、若いときはサポートエンジニアの期間が長かった。サポートエンジニアもいろんな現場があるんだろうけど、OSやミドルウェアのサポートを幅広く担当した。

かかってくる電話の向こうには、システムエンジニアがいた。彼らは構築や運用を現場でバリバリやっている人たちである。それを、未経験の二十代が受けていたのだから何かほのぼのとしていた時代でもある。

そもそも、その現場に行って三日くらいして、すぐに電話を取らされた。無謀である。OJTにもほどがある。でも周りの見様見真似で電話対応し、話をまとめていると結構イケたので、結論として周りの人たちも素人集団だったに違いない。

そうやって、ポテンシャルだけで勝負になった頃が懐かしい。今では、いろんな教材があふれてるし情報系の学校も増えたからね。まあ、いきなり剣と鎧だけ渡されて戦場に繰り出されるようなもんだった。そして生き残る人だけが戦場で生活できる、というね。

氷河期世代は人間の数だけは豊富だったので、教育して育てて使うという考え方じゃなくて、いきなりやらせてできる人だけ残していくパターンだったわけ。

で、私はそこでできたので、サポートの仕事を10年強勤めた。

ある時に不安になった。この仕事って、上がない?。電話の向こう側には、システムを作ったり守ったりする人がいて、自分は電話の中にいる。この図式だと食いっぱぐれることはないけど、大きな責任を負うこともない。

もともと、SESで、他社常駐の形だったので責任範囲も限定的であった。本当に難しいビジネスインパクトのある案件は、その会社の正社員が対応を奪っていった。そんなもんである。主役になれない。

仕事自体は今後もこなしていくのは簡単だと思ったし、残業も少なくて快適だったけど、ここに留まっていたら広がりがないのと、あとは転職のこと。サポートエンジニアって業界全体から言えばニッチで、システム構築やら保守やらの仕事と比べると求人数も少ない。

実はサポートエンジニアのときに一度転職活動をやってみたんだけどうまくいかなかった。インフラ構築・運用をやっている現場の人たちと会話がかみ合わなかった。やっぱり、現場を見たこともないのに、「入社してやってみたいこと」みたいな話題が特に弱かった。

その後上司に「現場変わりたい~」とお願いした結果、半年後に長年お世話になった現場を卒業することになった。そして、次の現場は念願のシステム構築・運用へ。

そこから数年後に再度転職活動をし、今度はうまくいく。やっぱり数年経験があるのとないのとでは、話をしても説得力が違うんだね。

しかし、こんな長年サポートをやったインフラエンジニアというのも珍しいんだと思う。サポートの世界に熟知しているおかげで、同僚に差を付けられていると思う。

・ソフトウェアについて、経験的ではなく体系的に学んでいるので、顧客に説明するときの説得力が違う

・障害対応について、より専門的な対応を繰り出せる(サポート顔負けの・・)

・サポートの気持ちがわかるので、他の人よりサポートがきびきび動く

・結局は、構築・運用はコミュニケーション能力がものを言うので、若いころにガッツリ電話対応したのが生きる

ということで、結果的にはインフラエンジニアをやる上でとてもアドバンテージになった。そして、いざインフラ構築・運用をしてみると、サポートエンジニアのときに学んだことを活かして、すんなり現場に溶け込むことができた。

あのまま、サポートの仕事を続けたら、今自分はどのあたりにいるのかは少し興味はある。価値のある仕事だと思う。そして悩んだ私の気持ちもわかる。無駄な経験なんて何もない、とも思う。