緊急速報で考える監視アラート設計

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いやあひどかったですね。緊急速報が何度も鳴って寝れやしなかった。

さあ寝ようと思って寝る準備をしていたら、「パラリラリラン♪」という音が鳴り響き、何事かと思ったら緊急速報。で、数分後にも。その後も・・。寝れない。

緊急速報ってeメールでもショートメッセージでもない、NTTドコモ・AU・ソフトバンクが独自の方式でメッセージングしているんですね。

下記の京都市のページがとってもわかりやすかったです。

 

www.city.kyoto.lg.jp

緊急速報メールとは,気象庁又は国及び地方公共団体が携帯電話(スマートフォンを含む)向けに災害に関する情報をメール形式で一斉送信するもので,NTTドコモ,au,ソフトバンクがそれぞれサービスを提供しています。緊急速報メールには,次の3種類があります。

①緊急速報メール(緊急地震速報)

②緊急速報メール(津波警報)

③緊急速報メール(災害・避難情報)

 

地震(①)と津波(②③)で音が違うんですね。地震のときはもっと切迫したブザー音が流れますが、今回のチャイム音だって無視できませんよね。しかも応答したって音が鳴り続けるのがつらい。

それで、しかも今回はどんどんどんどん届く。

2回目にこれは厳しいと、バイブレーションの時は音が鳴らない設定をしましたが、結局バイブがブーブー鳴りまくるので、ごめん、と今日は緊急速報設定そのものをオフにしました。先ほど、津波注意報自体が終了となったので、オンに戻しました。

 

で、今日朝思ったのが、監視アラートをどう流すかについて。

 

 

そう、もし、夜中に大きな地震でも起き緊急地震速報を受信できない状態の人がたくさんいたとしたら、本来、対処できるはずの状況が対処できなくなったかもしれません。仕組みとしては数秒~数十秒前に鳴りだしますが、この数秒間の行動が結果に大きな影響を与えることが本当にあります。

東日本大震災以来、緊急地震速報がなったらすぐに身の回りを見渡し、安全を確保するという意識は国民に行きわたりました。これをオフにして寝るというのは本当は不安だな、とは思いました。しかし、寝ないで緊急の津波警報を眺め続けるのもナンセンス。

結果として、ここまで何も無かったので幸いだったのですが、だからといって今後もこの運用でいいということは決して言えません。

こういうことは現場のシステム運用でもよくあります。ある現場においてはアラートが一秒に何件も出てディスプレイにアラートがどんどんスクロールしていることがありました。現場の監視担当者にどうやって監視しているのか聞いたことがあるのですが、ほとんどが無視して良い、ということだったらしいです。

その後、本番障害が不幸にも起こり、その原因を調査していたところ、予兆となるアラートが出ていたけれども、それを無視していたことがわかりなぜ見逃したかを追求される羽目になりました。

対策として、監視アラートの全てのアラートをインシデント記録システムに転記し、その対応まで追いかけるという話になったのですが、今考えると、むしろ見逃す背景として無視していいアラートがたくさん出ていたほうが問題だったんじゃないかと考えます。

「無視する」という行動を監視の中に入れることは大変危険なことなのです。

アラートが出る→無視する、を習慣にすることで、大事なアラートにまでこの行動を反映してしまうのです。

ですから、「無視する」という行動を起こさないためには、無視するアラート自体を抑止し、発報条件を都度調整しなければいけない、ということです。

何を監視アラートとして出すかも大事ですが、何を監視アラートとして出すべきでないか、も同じように重要です。そして出すべきものを出さないのも問題です。

 

今回の緊急速報にしたって、一度目はまだしも、何度も何度も送る運用は、結果として緊急速報全体をオフにせざるを得ないという行動にたくさんの人を巻き込みました。これでは監視設計として大きな問題と言えます。例えば、今回のイベントと同種の速報は受け取らない、などの新たな仕様が必要になるでしょう。また、無効化するとしても、「8時間だけ無効にする」など、うっかり有効に戻すのを忘れることを防止する仕様も必要になりそうです。

どちらにしても、他の緊急速報まで無効化してしまうのは、災害対策上非常に問題を残す結果となりました。

理想は、「何かアクションを起こす必要がある状態のみ、監視アラートを出す」です。気象庁やキャリア、自治体も大変かと思いますが、今回を教訓とし、より災害に強くなるための情報発信を望みます。

 

※ちなみに、オチがつきました。