orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

僕たちはマネジメントをどこで学ぶんだろう

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今日ニュースを見てたら面白い記事を見たので紹介します。

 

www.jiji.com

 「仕事が遅いね。どうなっているんだ」はNG―。内閣人事局は国家公務員の管理職を対象にしたマネジメントに関する手引きを初めて作成した。近年、「ブラック」職場とも呼ばれる霞が関。有能な若手職員が退職する事態も問題になっている。NGと適切な対応の両方を例示し、働きやすく、やりがいを感じられる職場づくりにつなげる狙いだ。

 手引きは内閣官房のホームページで公表。「マネジメントは管理職にとって、もはや『できればいい』ではなく、『必須の』スキル」と位置付けた。

 

管理職に対象にしたマネジメントに関する手引き・・。国家公務員の世界では、管理とマネジメントは違う概念なんでしょうか。

管理する職業が管理職なら、マネジメントは管理という意味だから、できればいいじゃないですよね。管理できない管理職っていないでしょう。なんだか管理職という言葉が独り歩きし、マネジメントとは別の概念かのようです。

ただこれは、現場としては事実なのでしょう。仕事がよりできた人が推薦され管理職になっていく。管理職になったときに初めてマネジメントを行うので、実はマネジメントができたから管理職になる人はいないのです。

それじゃあ社会人って、マネジメントをどこで学ぶんでしょうか。それはきっと、自分が若手だったときにお世話になった上司です。自分が体験したマネジメントを、マネジメントの正当な方法と思い込むのが通常でしょう。

学生時代って、実は管理職のような立場に置かれることは皆無なんですよね。部活の先輩後輩はこれは管理職と職員という関係ではありません。指揮系統は存在しません。先生と生徒はまたこれも違います。あくまでも生徒はお金を払って席にいるわけで、先生から見てお客様でもあります。

ですから、今管理職に手引きが出ると言うことは、昔のマネジメントの方法が全く今や通用しないということです。今管理職の人たちが受けたマネジメントが、とてもひどいものなので、わざわざ手引きを手にしないといけないということです。

今管理職の人たちってどれぐらいの年齢かわかりますか。よく考えると就職氷河期世代の人たちが随分カバーしています。私もその一人なのでおぼえていますが、私たちの時代にまず問題になったのが、メンタルヘルスの問題です。うつ病で会社に来れなくなったり、精神的な悩みから体調に変調をきたす心身症がクローズアップされました。そこからしばらくして、ハラスメントの問題が重要視されるようになり、ナンセンスだったマネジメント手法が過去のものとなったと記憶しています。たまにブラック企業的な企業の新人研修が前近代的だということで炎上していましたが、昔はアレが正解だったんです。それを懲りずに続けようとしたからもう批判を浴びた。

就職氷河期の国家公務員は、そんなひどいマネジメントを受けて嫌にならなかったのでしょうか。その答えは、就職氷河期だけに、辞めたら次がない。逃げ場所が無かったので歯を食いしばって生き残り、そして管理職になったんだと思います。

そして自分の番になったら、そりゃ、自分たちが受けたマネジメントをそのままミラーリングしますよね。そしたら今の若手がどんどん辞めるようになってしまった。ということで、今回手引きが配られたんだと邪推しています。

結構こういう理不尽な思いを就職氷河期世代はしてきていて、さんざん自分たちが若手のときにやり込められたのに、いざミドルになったらそれはやるな、と。

ま、だから、マネジメントとは何かって実は、企業が初歩的な部分から教えてあげないと絶対わかんないと思いますよ。だって、今のミドルにやらせたら、絶対前近代的なものになってしまいますって、それを一身に引き受けてきて生き残ったんだから、さ。