パソコンを自作すると言っても、手順はごくごくシンプル。
①ケースにマザーボードを取り付ける
②ケースに電源を取り付ける。
③マザーボードにパソコンケースの内部にあるケーブルを取り付ける
④マザーボードにCPUを取り付ける
⑤マザーボードにCPUファンを取り付ける
⑥マザーボードにメモリーを取り付ける
⑦マザーボードにM.2SSDを取り付ける
⑧(もし必要なら)マザーボードにDVDドライブを取り付ける
⑨(もし必要なら)マザーボードにグラフィックボードを取り付ける
⑩マザーボードに電源を装着する
⑪ケースを閉める
⑫ケースにキーボード、マウス、LANケーブル、ディスプレイケーブルを接続する
⑬BIOS/UEFI画面が見られるかどうか確認する
⑭OSをインストールする
何度もやった道なので一方通行ですが、これでも初回は、夜の8時(帰宅してから)に初めて朝の5時までかかりました。
何の問題で引っ掛かったかというとメモリーの相性問題でした。想定通りメモリーを取り付けても電源すら起動しませんでした。2枚刺しても認識しなかったのに、1枚刺しだと起動したりして、結局翌日代わりのメモリーを買いに行った記憶もあります。
自作とは言いますけど、どのパーツも完成品で、それを接続するだけで自作は終わります。でも、どうも最近、このパソコンを組み立てるという経験をしないのに、インフラエンジニア、特にクラウドから始めてしまう人が次々と現れているように思います。
そもそも、ノートパソコンを買ってしまったら、CPUもメモリーもSSDも見ないで電源入れるだけで起動してしまいます。
どういう用途でパソコンを使うか次第ですが、ノートパソコンでやれないことは少ないです。画面が小さいぐらいです。もはやその差は、本格的なグラフィックボードがデスクトップじゃないと使えないくらいのものだと思います。
そして、サーバーサイドも、今やクラウドの仮想サーバーでほとんどのことができるので、Web画面でポチポチっと入力したら、もうOSが使えてしまうという時代です。
箱があって、CPUとメモリーとストレージを接続し、外部出力はディスプレイに、外部入力はキーボードとマウス。これは今もって変わっていない原則なのですが、この辺りをすっ飛ばしていきなりOSにログインできる状況となっています。
OSが立ち上がる前に。冒頭のハードウェアの組み立てに始まり、電源が起動するまでの学び。そして電源を起動してもBIOS/UEFI画面が始まり、そこで各種設定を行いつつ、ブートするディスクのセットアップ。そしてOSのインストーラーを使ってパーティション設定を行いインストールを行い、そしてやっとOSが見られる。
この辺りの手触り感というのは、今、どの層が保持しているスキルなんでしょうね。若い人は専門的な学校で授業でも受けないと知る機会がないのかもしれない。
ほとんどの方にとって、OSはパソコンに「入っていてしかるべきもの」であり、一から入れるなんてとんでもないと思っている人も多いのではないか。
それが、専門職であるインフラエンジニアの世界にも浸透してきているような気がしてなりません。
時間が許せば新人には、10万以内で以下のパーツを買って、組み立てさせたい。
・PCケース
・電源
・マザーボード
・CPU
・メモリー
・M.2 SSD
・グラフィックボード(廉価)
・ディスプレイ
・Windows 11 Home(USBメモリー)
これらを買って、何のアドバイスもせずに、OSが起動するまで試行錯誤させる。
これ、わざわざやらせないと、家ではやってくれないようなぁ、新人にとって10万はまだ高いしなあぁ。
そう考えると、インフラエンジニアと呼ばれる人があまり市場にいないのは、この辺りが参入障壁になっているのかもしれないですね。
秋葉原も、純粋なパーツ屋さんの数も減ってきているし、これどうなっちゃうんだろうと思いつつ、「私CPUもメモリーも実物一回も見たことも触ったこともないけど、わかりますよ。」みたいな人ばかりになっちゃうのかもな、と。
一方で、Intel CPU12世代が出たり、RyzenやNVIDIAの新製品の話は一定の盛り上がりがあるので、いったいこの分野、誰が支えているんだろうかと少し不思議になっています。
パソコンの自作は私はもう数度とやっていて、そのたびにお金がかかるのですが、「将来のためだー!」と強行していたら、ほんとに将来のためになっていて投資回収できています。
どんなパーツを買っていいかわからん、という人は、秋葉原の店員さんに話しかけてみると良いです。今年の夏買ったときも、相談に乗ってもらって、一発で動く構成を購入することができました。誰にも相談せず買っちゃうと、パーツの相性問題に引き込まれて苦労するかもしれませんのでそれはお伝えしておきます。
昔はこういう本よく買ったなあ・・。