orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

業績が悪い部署の話

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業績が悪い部署がありまして、それはもう右肩下がりを絵に描いたようなもので。もう数年どんどん売上が下がっちゃって、損益分岐点を超えるんじゃなくて、このまま行くと損益分岐点を下回るんじゃないか、と。つまり、やればやるほど損になるラインに向かって落ちていく最中。

やっぱりそうなる前に、手を打たなきゃいけないですよね。売上が下がり続けるということはビジネス自体に何か問題があるということ。どこかで底を打ってまた上がり出す奇跡があれば幸いですが、とりあえずその部署にはそんな奇跡はいくら待っても訪れません。きれいに緩やかに落ちていっているのは数字として明らか。

まだ黒字のうちにどうにかしなきゃいけないということで、考えられる方法は以下の通りかな、と。

①部門ごと事業売却する

②事業自体を辞める

③新しい事業を始め、それを本業にする

ま、この3つしかないんです。

ある程度こなれた企業だと①事業売却はよくやりますね。大企業だけではなく若い企業でもこの話は聞きます。でも、一緒にこれまでやってきた仲間をお金で売り飛ばすようなこと、実は小さな会社の場合なかなかしずらい。これは残った社員もちょっと引きます。あの部署、別の会社に買われたんだって・・、となると心理的安全性は下がりますよね。そうなんだ、ウチの会社調子が悪くなると、部門ごと売却されるんだ、なんて。

あとは、だんだん売上が下がっている事業を買ってくれることは、そんなにない。何か目新しい技術を持っていればそれをネタにはできますが。売りたいってことは、将来性がないということですからね。シナジーがうんたらかんたらで、買い手が見つかればラッキーなぐらいで。

あと②の事業自体の停止ですが、これもなかなか厳しいものがあります。ユーザーに対して「すいません・・もうからないんで・・やめます・・」なんて言ったら会社の信用を大きく落とします。あの会社、ユーザーがいるのに自己都合で辞めちゃうんだ、と。基本は辞めるのではなく、事業は継続しつつ①のように売却して粘り強くサービス継続する、というのが本筋です。

①や②は方法として暗いので、部門長は③の新事業というのを考えます。でもこれが当たらない。やっぱり売上を長期間低下し続けることを継続し、これに対して有効な対策を講じることができていないのだから、能力が限られている。下手に新しいことを始めるとかえってトラブルになり、ちっとも儲からないどころか、リソースを取られ全体として利益の減少幅を広げてしまう。むしろ、何もやらないほうがまだ良いぐらい。

ここまで分析できていると、じゃあ、その部門長の能力に問題があるということに落ち着くのですが、部門長を変えるほど、その事業に魅力がない。辞めるわけにも行かず、新しい事業も無理。じゃあ・・ということで、とりあえず原価削減・経費削減を進めて売上減以上に原価をかけなくして、なんとか利益を確保する作戦になることが多いです。

ただ、なんだかんだで原価も経費も削減できない。人を減らしたら仕事をやる人がいなくなっちゃうし、必要な仕入れも減らせない。

この状況のとき、あとは経営陣がどう判断するかだけになるのですが、まぁ損してなきゃいいかぁとずるずる部門や事業が継続してしまう。ぶら下がっている人はいつも売上未達、利益未達で評価もいつも悪い。この組織に所属するメンバーはなぜ、仕事を続けているのかもよくわからない。

 

さて、以上はあくまでも架空の部署ではあるのですが、リアリティーはあると思います。世の中にはたくさんこの手の部署があるんじゃないか、と。業績のいい部署もあればこのようにどうしようもない部署というのもあり得るでしょう。

実際どうするんだろうなあ・・。赤字転落が見えるタイミングで、経営者が決断し、事業停止の上、メンバーは異業種へ転換とかなんですかね。その場合は部門長は冷や飯?。解雇が難しい日本の制約もあります。

世の中、いい話ばかりしか誰もしないのですが、たくさんの会社でこういうことってよくあるんじゃないかなあ、と思いました。