orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

東京オリンピック2020開会式に「信用」を見る。

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生まれて初めてオリンピック開会式を頭から終わりまで見ました。

平時なら、オリンピック開会式としてはおそらく歴代で最も地味に映るかもしれない式典ですが、このコロナ禍でしかも何にも解決していない状況でよくやりきったと思います。

世界中に国々から人を集めて実施すると言うことは、気が遠くなるくらいの約束の塊ということです。中止、やらない、ということは、その約束の塊をゴミ箱にポイすることと同じです。やらないとして一か月の話のように見えますが、実はそこからが日本にとっては地獄の道です。あの国民は、大変なときは逃げちゃうんだ、と世界のどこの国からも見られてしまうということです。一気に信用を失います。

私が小中学生だったころは世界の国家の数は150くらいだったようですが、今は200を超えるそうです。開会式でたくさんの国が入場するのを見ながら、それぞれに対して約束を守ったんだということをこうやって目の前で見ると、もし約束を反故にしていたらこれは大変なことだったんだぞ、と実感させられました。

社会人になってもう二十五年弱です。この間に約束するということがどれくらい重くて、そしてその積み重ねこそがキャリアとなることはもう真実だと思っています。約束と言ったって、大小ありますが実は大きさは問題ではありません。それこそ小さな、例えば会議に遅れない、くらいの話だって後々効いてきます。いや、数分遅れても誰も気にしないよね、と思うかもしれませんし誰も突っ込みません。表面的にはおぼえてもいないでしょう。しかし、それを何度か繰り返してると、ああこの人は遅刻する、時間にルーズな人だ、とレッテルを貼られてしまいます。時間にルーズな人に対しては仕事は任せたくないな、ということで、どんなに技術があっても仕事が来ないという悪循環が降りてくることになります。これが信用というパラメーターの怖さです。

いや、そんなときは転職すればいいよね、環境変えればリセットできるよ、と思う人もいるかもしれません。しかし、転職時に何を見られるか。「前職時の給与」です。なぜをこれを重要視するかというと、前職の会社とどれくらいの仕事の価値を出せるかの契約を交わしているかが見えるからです。前の会社で評価されていないのに、なぜ転職したら評価されるようになるのか。この理屈をつけるのは非常に難しいのです。信用の積み重ねによる評価の向上は給与に反映しますから、転職でリセットできるというは幻想だと思います。

そういえば、開会式までいろんなスタッフが退場していきましたけど、結局は信用の欠如がもたらしたのだと思います。あまりにも重役なので、いろんな負債を持っている人たちは返済を迫られてしまいました。信用、がポイントのオリンピック開会式だったように思います。

 

一方で、開会式ですが非常に長くなりましたよね。

 

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選手団の入場行進が終わった後、大会組織委員会橋本聖子会長と国際オリンピック委員会IOC)のトーマス・バッハ会長がスピーチを行ったが、予定していた時間を大幅に超過した。

 

日本人はスタートの時間には異常に厳しいのですが、終わりの時間は非常にルーズだと言われてきました。残業体質であったり、会議が時間通り終わらなかったり。そしてこの開会式もそのままでした。どんどん後ろにずれ、そしてスピーチも、話の内容はループしてましたね。学生の時の校長先生のあいさつ然り、どうも信用にはあまりマイナス点にはならないのが社会の特性のようです。バッハ氏まで長くなるということは、もしかしたら日本だけの話じゃないのかもしれませんね。

 

 

さて、とにかく始まったオリンピック。最も怖いのは選手間の感染拡大。それさえ防げれば大会日程は過ぎていくでしょう。開会式でもかなり密になっていましたから、ワクチンやPCR検査の徹底で防げるのかどうか。なんとなく実験も兼ねているようなこの大会。これから毎日、目が離せません。