orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

ネットコミュニティーの栄枯盛衰のプロセスを考える

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ちょっと思ったこと。

これまで2ちゃんねるニコニコ動画、古くはニュースグループ(NNTPってプロトコルが使われていた)やパソコン通信までさかのぼるけれど、栄枯盛衰が存在する。最近ではClubhouse、マストドンなんてものもあったか。

 

そのプロセスは下記のようなものではなかったか。

①ある共通の趣味を通じて「気の合った仲間」が小さなコミュニティーを作る

②「気の合った仲間」を核として、一つの小さな社会ができる

③活発なコミュニケーションや、成果物が情報資産となる

④コミュニケーションや成果物がたくさんの人々を引き寄せ、新しい参加者が増える

⑤たくさんの人が成果物を生み出したり活動したりすることで、古くからある成果物が埋もれてしまい、古くからあるコミュニティーが白けてしまう

⑥もともと人を引き寄せていた古参者が離散してしまう。

⑦新しいコンテンツの品質がどんどん下がり、新しい参加者も流出してしまう。そもそも新しい参加者は、新しい物好きで気移りも激しい。

⑧惰性で残った人々だけになってしまい、コミュニティーも発達せず、成果物も初期ほど人を引き寄せる力もない。

 

これは衰退した姿までを書いたが、どこかで④で大衆化したときに、古参者から大衆へサービスをシフトチェンジしないといけないと思う。YouTubeはそれに成功し、大衆のインフラとなっている。一方で、①~③のような、地方のスナックやバーのようなクローズドコミュニティーの楽しさはあきらめなくてはいけないと思う。

SNSが上手なのは、フォロー/フォロワーの制度があることで、個人に上記のプロセスをコントロールさせる点。たくさんフォローし過ぎると流れる情報を追えなくなるので、ある程度まででフォローはしなくなるが、人によってはどんどんフォローしてフォロワーを増やしたいと言う人もいる。

ただ、SNSにおいては、成果物と言っても大したものは共有されないしコミュニティーの固定化が著しいので、あのパソコン通信ニュースグループのような、アンダーグラウンド的な何が出てくるかわからないワクワク感は欠けると思っている。よくは覚えていないが何か狂った人はいて、狂った成果物をみて戦慄をおぼえたものだった。

 

最近のネットは情報伝達スピードが異常に速いので、何か新しいメディアができようものならすぐに誰かに発見され、SNSなどで拡散し、上記の①~③が成熟しない間に、④にすぐ進んでしまう。

5年くらい成熟してから、その成果物が話題を呼びヒットする、みたいなことは最近は起こりづらい。もしくはいきなり人を集めようとするメディアもいるぐらいだが、ほとんどは失敗しているように思う。芸能人をCMに起用して、みんな使ってる、みたいなネットメディアはほとんど長続きしていないし、ソシャゲもリリースしてすぐに見切りを付けてサービスクローズするケースを多く見ている。

だから、あの頃(20年前)くらいのネットの状況って、すごく刺激的なものだったし、アレはもうないし、今は再現できなくなっているのも寂しい。ただインターネットはもはや社会の公器みたいなもので、「小さなコミュニティー」でも何でもないので、裸で夜の道をダッシュするみたいな事象に遭遇するようなことは全くあり得ない。だから多分インターネットを見つめてもおそらくダメで、もっと違う何かになるだろうなと思っている。もしかしたら、地域のコミュニティーみたいな、完全インターネットオフラインの何かかもしれないが。そういうことなんだろう。