orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

信頼のない人間関係とテレワークがもたらす最悪な結末

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テレワークは基盤をWeb会議に依存しています。

チャットやメールもありますが、それはテレワークというよりはメッセージのやりとりであり、それだけで成り立ってしまう場合はもはやチームと呼べないと思います。

細かい決め事や意思疎通はどうしてもWeb会議によって、オフィスでのコミュニケーションをシミュレートすることでなんとかこのコロナ禍を人間たちは切り抜けてきたように思います。

Web会議がなかったらどうなったんだろうと思うと背筋が寒くなります。昔は電話会議が中心でした。テレカンと言っている会社もあると思いますが、複数人が参加できる電話のことで、Web会議のビデオなしみたいなものです。電話ありきというのがひと昔のリモート会議の仕組みだったと思います。もし今Web会議が無かったらテレカンを多用したのかもしれませんが、それは費用が高かったですね。何分何円の従量制で、今のインターネットのWeb会議のような自由さはとてもなかったです。

さて、このWeb会議。長く使ってみてわかりました。人にウソを付くことがとても簡単です。だってつながっている間、一生懸命仕事しているようにすればいいからです。学校の掃除の時間に、先生が見に来たときだけ一生懸命にやっている姿を見せる、みたいなことをやりやすいのがWeb会議です。つながるときだけプレゼンテーションすればいいのですから脚色しやすい。悪い言い方をすれば、ウソを付きやすい。

ウソとは具体的にどういうことでしょうか。例えば離席していたときに、「なぜ離席していた?」と聞かれたとき、ほんとはサボっていたかもしれませんが、「トイレに行ってました」だのなんだの言葉を繰り出そうと思えばなんでもできます。オフィスと違ってずっと間接的に見られていないので、オフラインになった途端完全自由です。だからこそ、自分を自分で管理できる能力がテレワークには求められる、のですがそもそもなぜウソを付くか、に注目する必要があります。

信頼のない人間関係においては、相手に対して誠実に対応しようとするモチベーションが減ります。相手のことを低く見ているので、その場をとりつくろえばいいという感情を持ちやすくなります。信頼関係が低いとどうしても、相手を傷つけたり下げずんだりするコミュニケーションが取られがちで、もし二者間に上司部下などの上下関係があれば、部下は怒られる場面を多く経験します。怒られるのは生理的にイヤなので、怒られなくしようとします。その際に、怒られる原因に対処し再発防止をしなくするのが誠実な態度ですが、相手に信頼がないと、その場を取り繕うとします。ウソで逃げるのです。ウソをつくのでまた信頼は傷つきます。

ウソは信頼関係にとって最悪の行動なのですが、信頼関係が低いと、むしろ失うものもないのでウソを付くのに抵抗が無くなってしまうわけですね。とても信頼されたい、と思う人に対しては、みな誠実に対応したがるものです。ラブソングの歌詞を見ればわかるでしょう。ウソをついてでも気に入られたい、愛してる、なんてありえませんよね?。

このウソをつくことが、Web会議の環境においてはとても簡単なんです。だから、信頼関係が低い状況で、Web会議だけで人間関係を成立させようとすると、ときにとんでもないことが起きます。知らない間に低かった信頼関係がもっと失われ、挙句の果てには破滅的な関係にまで発展しかねない、のです。

新人の育成など、社会人としての成長が未熟な場合で、新たに人間関係を構築しなければいけない時期に、テレワークに追い込まれた場合はとても注意が必要です。彼らはまだ、未熟なので信頼関係を損なうような粗相をまだ行いがちです。それはしようがない、まだ知らないのですから。昔のオフィスでは先輩が、「そういうときはこうしなきゃならないよ」と優しく諭し、成長していくのが本筋でした。しかしテレワークにおいてはこの作法が通用しません。信頼関係を醸成できないままで、新人は指導を受けることにストレスを受けた時、ウソをついて取り繕うことをやってしまう「恐れ」があるのです。この可能性を知っておくことはとても大事だと思います。

テレワークで人間関係を醸成すること自体はできる、と思います。ただそれは、リアルオフィスにいたときに信頼関係を構築できていたときであって、全くない段階から作っていくことについて、落とし穴が大きすぎることを知るべきです。ウソをつこうと思えばつきやすいのです。

テレワークでも会社まわるね、と思っていたら、知らないうちにウソがはびこり、気が付いたら最悪な結末を迎える、ということがないようにしなければいけません。そのためにも、たまにオフィスに集まって、一緒に仕事する、というようなことは信頼関係の点検のためにはやった方がいいかもしれないな、と痛感しています。