orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

失敗から学ぶ 失敗学

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失敗学という言葉を知ったのは、15年くらい前だったかな。

 

失敗学のすすめ (講談社文庫)

世界の三大失敗をご存知だろうか。タコマ橋の崩壊、コメット飛行機の墜落、リバティー船の沈没…。これらは人類に新たな課題を与え、それと向き合うことで我々はさらなる技術向上の機会を得た。一方日本では、JCO臨界事故、三菱自動車のリコール隠し、雪印の品質管理の怠慢など、失敗の隠匿がさらなる悲劇を引き起こした。

本書によると、失敗は、未知との遭遇による「良い失敗」と、人間の怠慢による「悪い失敗」の2種類に分けられる。不可避である「良い失敗」から物事の新しい側面を発見し、仮想失敗体験をすることで「悪い失敗」を最小限に抑えることが重要である、と筆者は説いている。

また、過去の豊富な例から学ぶことで失敗の本質を多角的に検証する方法や、時間がたつと形骸化してしまう失敗例を効果的に伝承する方法についても言及している。さらに、マニュアル化した対応方法では前例のない事態が生じたときに対応できなくなるとして、とっさの判断力や創造力を養う失敗経験を教育に取り入れることを提唱する。

 

この本が出版されたのが2005年だから、本当に15年前でやっぱりすごく印象に残ったんだなと思います。

技術力・スキル、なんていう抽象的な概念を考えるとき、勉強する、というまあ更に抽象的な行動によって強化されるとたくさんの人が信じていると思います。

勉強すれば能力が上がるっていうのは、これは学校制度が人間に対して行っている刷り込みではないかと思うことがあります。

勉強する、という表現があまりにも、教科書と筆記テスト、そして資格に縛られ過ぎている。

私の記憶では、「失敗経験」による学びは、自分の行動形式に多大な影響を与えています。

つまり、失敗することによる学習効果は非常に高く、二度と失敗しないために行う脳の活動は、非常にコスパが高い、ということです。

誰しも失敗はしたくないでしょう?。でも失敗する。だから二度と失敗しないようにいろんな対策を考えるのです。次に同じケースが起きても絶対にその行動を取らないぞ、と。

しかし、もし教科書的勉強を行ったとすると、「正しいこと」の積み上げしか学べません。それはそれで必要ですが、正しいことの裏にある誤ったことについて、何を引き起こすのかは身に染みません。

一方で、人間、学びのためとはいえ、失敗することは簡単にできません。失敗は往々にして痛いですからね。

だから、失敗学というのは、非常に効率のいい学びだと思います。人の失敗を自分のことにようにして考え、疑似体験し、自分がそのような目に遭わないために何が必要かを吸収することができるからです。

 

失敗学については、たくさん名著がありますので数冊ご紹介しておきます。

 

失敗学実践講義 文庫増補版 (講談社文庫)

 事故や失敗は必ず起こるもの。重要なのは、その失敗から何を学ぶかである。電車脱線、回転ドア死亡事故、金融システム障害など、さまざまな場面で発生した実例を徹底的に解明。またJALの経営破綻、トヨタのリコール問題についても緊急補稿。失敗学を生かせば、あなたの仕事や組織は、確実に強くなる。

 

まんがでわかる 失敗学のすすめ (中経☆コミックス)

畑村氏監修による、まんがでわかる「失敗学」決定版! わかりやすいケーススタディで仕事や人間関係がみるみる改善!

【本書の内容】

■プロローグ 失敗なくして発展はない
■第1章   失敗に負けない人になる
■第2章   失敗を分析できる人になる
■第3章   失敗を創造に変える人になる
■第4章   失敗を活かせるリーダーになる
■エピローグ 未来を切り開くリーダーに

 

最近は、失敗しないための先人の機構がたくさんの場面で用いられていて、若手はあまり何も考えなくても失敗しないように先回りされているように感じます。

そういった先人の知恵のようなものは、間違いなく風化します。

これって何のための手順だっけ?、面倒なので省略するか。

そう思ったら最後、ロックは解除され、失敗に向かって突き進むことになります。

ここ最近のリモートワーク流行りで、どうも世の中に、これまで起こっていなかった障害事例が増えているような感覚を持っています。

大規模な通信障害、社会インフラの爆発事故など、今年に入ってからいろんなことが実際に起きています。

失敗しないようにといろんな手順や原則が作られるのですが、なぜそれが作られたのかまでは残らないため、特に現在のような不完全な作業体制だと、風化しやすいのかもしれません。

 

この夏、学ぶとしたら、失敗学をお勧めします。

失敗しないことが成功の近道。

失敗は本だけにしたいものです。