orangeitems’s diary

クラウドで働くインフラエンジニアの日々の感想です(ほぼ毎日更新)。

IT系上場企業平均給与ランキングの読み方

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IT系上場企業平均給与ランキングなる記事が出ています。

 

www.itmedia.co.jp

IT系企業で平均年収が高いのは、勢いのあるネットベンチャー系企業なのか、それとも伝統的なSIerなのでしょうか。毎年恒例の記事を今年も公開します。

 

結構生々しい記事なのですが、読み方には気を付けた方がいいです。

何といっても「平均年齢」がポイントです。いくら平均年収が高くても、平均年齢も同じように高いならば意味が変わってきます。従業員の高齢化が進んでいるということです。新人は入れるけれども定着せず、かつ中途採用の人も多いということになるでしょう。

結構IT業界見渡してみると、中堅層と若手層が分離してしまっていて、かつ中堅層が優秀なため若手層がなかなかポストが開かない。そんな会社が多いです。あと10年経っても多分60近くまでは現役バリバリだと思われ、20代30代の若手が絶望するというパターンです。

20年くらい前のIT業界は、年齢の高い人もいましたがインターネットによる業界激変で、経験の有無が目立たない世界でした。未経験の若手が大量に新規参入し、かつ若手でも才能があればどんどん上に行けるという設定だったように記憶しています。

ところが、今は違いますよね。歴戦の先輩がまだ現役バリバリで活躍している。しかも、過去のように知的資産が急に使えなくなるような技術革命はしばらく起こらなさそうです。これでは、経験になるようなプロジェクトのリードは先輩方に吸い込まれますし、いつまで経っても主戦になれないのではないか、という危機感が生まれます。

結構、新人でできるタイプの人たちは、ある程度育った段階で転職していくパターンが増えているように思います。したがって、若手はたくさんいるけど、三十代くらいの若手中堅がすっぽりいなくて、四十代以上の歴戦の勇者が権力を握っている。それが見える化したのが「平均年齢」だと思います。むしろ、他の会社で活躍して入社してきたほうが、新卒からがんばるよりも上に行けたりして、なんだよ、となりがちなように思われます。

一方、平均年齢が低い企業の場合、総じて平均給与も低めです。平均給与が低めというのがポイントで、経験を積んで年齢が上になったときに給与が頭打ちになります。それが不満で転職していくので、いつまでたっても平均年齢も、平均給与も上がらない、となります。一方でそういった企業は福利厚生に力を入れている場合があり、働きやすいんだけど、給与はそこそこなんだよな、という企業が散見されます。

ですから、こういったランキングだけで待遇を判断するのは大変危険で、離職率や新規採用人数、社員数の推移などを見ながら冷静に判断する必要があります。また、単に今は業績がいいけれども、数年前は危機的だった、みたいな話はIT業界でもよくある話なので、財務状況の確認もした方がいいですね。

まぁ、自分が「平均年齢」となったときに、少なくとも「平均給与」ぐらいの待遇を得ているかもしれないがそれでもいいか、ぐらいの感覚で良いのではないかと思います。

そうそう、もう一つ視点がありました。「営業会社」ではないかという話です。技術の会社に見せかけて、実は営業しかやっていなくて、技術的なことはほとんどアウトソーシングしているというパターンもあります。外資系企業ではよくあって、技術は本国でほとんどカバーしていて、日本では営業と一部ローカライズ、サポートしかしていないというパターンです。そうすると、給与は高めになります。売った分の見返り、とも言えます。しかし営業系の給与が高くなるのは、結構レベルの高いことを求められているからともいえ、売れなければそれだけ待遇もしぼんだり、最悪は会社にいられなくなってしまいます。単に給与だけ見て判断せず、業務内容を検討する必要はありましょう。

ということで、他社の懐をいろいろと推察するのは楽しいな、という記事でした。