ショパン国際ピアノコンクールの延期
5年に1度のショパン国際ピアノコンクールが延期となるそうです。
日本人9人を含む19カ国74人の候補者が決まっていた、今年5月開催予定のエリザベート王妃国際音楽コンクール・ピアノ部門は、1年延期が決定。10月開催の第18回ショパンコンクールも日本人90人を含む過去最高の500人を超える応募者のなかから、書類とビデオ審査で予備審査に進む日本人31人を含む164人の候補者と、予備審査免除で本選(1次予選、2次予選、3次予選、ファイナル)に出場する11人の候補者がすでに発表されていたが、やはり1年延期と発表された。
考察
オリンピックと言い、こちらのピアノコンクールといい、なぜ今年はダメで来年ならやれるという判断をするのがトレンドとなっているのでしょうか。
春の段階で、夏になれば暑くなるし日本は湿気も高いので、ウイルスの活動は収まるという話もありましたが、蓋を開けて見ればこの通りです。
皆、2021年に夢を見すぎだと思います。
ニューノーマルという言葉が最近ささやかれはじめましたが、これもまだ甘い言葉です。ニューノーマルをどういう風にするかは、まだ試行錯誤の段階です。そして、その試行錯誤は失敗しつつあります。これだけやればいいだろう、と言いながら見切り発車でいろいろなことを人間たちが初めて、その結果いろいろなところで失敗が見え始めています。
勝手にノーマルを定義して、それが失敗するのですから、ノーマルでも何でもないと思います。
ニューノーマルが決まってくるのは多分に一、二年はかかって当然だと思われます。季節を何度か通過して、ああこれなら安定して過ごせるね、ということがわかるまでは、全てが試行錯誤であり、全然ニューノーマルではないです。
新しい生活様式なんて言葉もありましたが、これも同じ意味です。この様式が確定するのはまだまだ先です。あたかも正解があって、それに基づけば失敗しないというのは甘いとしか言いようがない。
オリンピックも、縮小は許されない話が出ています。
東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長は6日、来年に延期された五輪開会式の規模縮小が困難との見通しを示した。小池百合子都知事との会談後、報道陣に「開会式の時間を短くして、縮小すれば経費は安くなる。でもIOC(国際オリンピック委員会)はだめだ、と。テレビと契約して時間帯を売っているから。外すと違約金が取られる。それを組織委が払えますか」と述べた。
結局のところ、2021年には全て元に戻って、かつてのノーマルが取り戻せるというバイアスが世界を覆っているような気がしてなりません。
2021年は遠い未来だと考えている人がまだ大半ですが、実は下半期に突入してしまいました。7月に二つの祝日があるのをご存誌ですか?。7/23(海の日)、7/24(スポーツの日)です。
海の日、海水浴場は閉鎖されますよね、今年は。
スポーツの日、残念ながら大半のスポーツはまだ試行錯誤状態です。オリンピックのための日でしたよねこれは。
世間がそんな状態でもその日はやってきて、そして普通に過ぎていきます。そして2021年は普通に、今のままやってくるでしょう。冬はまた、インフルエンザとともに再拡大するともいわれています。
今は、本当のニューノーマルを、人類は探さないといけない時期にあると思います。失敗もするでしょう。でもあきらめてはダメで、PDCAしながら先に進まないといけないと思います。2021年に延期するとしても、それは単に普通に延期するのではなく、それまでの猶予を使って新しい形での開催を模索するのが本当の努力かと思います。
ショパン国際ピアノコンクールにしたって、
やはりこの芸術にとって、聴衆とのライブのコミュニケーションは欠かせない。聴衆なしのコンクール開催はできないと判断しました。
なんて言っていないで、デジタル化の時代に柔軟に方法を変えるべきです。
少なくとも、2021年に、全てが解決しているなんて甘い話だ、と申し上げておきたいと思います。