orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

マイクロソフトの資格制度、MCSA終了MCSD終了MCSE終了

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MCSA、MCSD、MCSEが終了へ

私が業界に入ったときは、マイクロソフトのベンダー資格は情報処理技術者試験に続いて重要視されましたね。1990年代でしたがちょうどオープン化の波が押し寄せ、Windows NT ServerやExchange Server、SQL Serverなどのバックオフィスと呼ばれた製品群が花開いた時期でした。MCSA、MCSD、MCSEと呼ばれた資格群、会社に取らされたという人も多いのではないでしょうか。これらを持っているとWindows関連の案件が非常に取りやすかった時代もありました。

しかし2020年6月30日を持ってこちらの資格は取得できなくなります。

 

japan.zdnet.com

Microsoftは米国時間2月27日、「ロールベースのトレーニング」への移行に向けた取り組みの一環として、3つの認定資格を終了すると発表した。それらは「マイクロソフト認定ソリューションアソシエイト」(MCSA:Microsoft Certified Solutions Associate)と「マイクロソフト認定ソリューションデベロッパー」(MCSD:Microsoft Certified Solutions Developer)、「マイクロソフト認定ソリューションエキスパート」(MCSE:Microsoft Certified Solutions Expert)という、人気の高い認定資格だ。また同社は、「Windows Server 2019」や「SQL Server 2019」の認定資格を提供する計画がないことも明らかにした。

 

 

FAQ

詳しくは下記のブログが詳しいです。

 

www.microsoft.com

 

かいつまんで言うと、

・2020年6月30日までに取得したMCSA/MCSD/MCSEは、2年間は有効である。
・Windows 2019、SQL Server 2019の資格は「ない」。
・マイクロソフトパートナーとなるための条件として存在しているMCSA/MCSD/MCSEは試験廃止後1年間は有効である。つまり2021年6月29日までは有効。
・Officeの資格であるMOS、基礎の資格であるMTAは廃止されない。

ということです。

 

ちなみに、じゃあ、MCSA/MCSD/MCSEが無くなったら何を持ってマイクロソフトは技術力を認定するのでしょうか。この答えは「ロールベースの認定資格」です。

 

 

ロールベースの認定資格とは何か

マイクロソフトのページを直接見るのが良いです。

 

www.microsoft.com

ロールベースの認定資格

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ITの仕事は「ディベロッパー(開発者)」「管理者」「ソリューションアーキテクト」「コンサルタント」という役割に分かれている。なのに製品知識だけあっても仕事できないよね、という思想に基づいています。

パブリッククラウドの利用がどんどん一般化するに連れ、製品そのものの体系的な知識だけではなく、どうやったら利用できるか。そして利用してビジネスをどう変えるか、といいう観点が強く求められるようになりました。

製品の機能はどんどん複雑化していくのですが、結局は基本的な機能しか使わなかったり、裏で全部自動化し利用者はあまり複雑なことを知らなくてもいい、という世界に変わってきています。したがって、製品の資格、という思想はもう古くて、仕事に裏付けられる各製品の作法や導入ルーティーンをどう利用者に対して説明できるかということが強調されているということとなります。

時代は変わったなあと言わざるを得ませんが、AWSの資格も似たような思想です。情報処理技術者試験もロールベースですね。

ITの資格試験は、製品知識ベースからロールベースに変ぼうしていて、そうではない資格はきっと時代遅れになるんだということを考えさせられる変化です。