orangeitems’s diary

40代ITエンジニアが毎日何か書くブログ

会社は良くなったり悪くなったり良くなったりするものだから

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SIerが復活している

このところのIT業界を見回すと急に空気が変わってきたことを感じます。あんなにここ数年嫌われていた老舗SIerが明らかに息を吹き替えてしていて、一方でWeb系やソシャゲ界隈はかなり疲弊しているように見受けられます。

この状況はどこから生まれているのだろうと考えると、実は簡単な話な気がします。今調子が悪くなっている企業群は、明らかに創業してから浅い。スタートアップやらエンジェルやらで過去のSIerの経済ルールとは別の市場をここ数年で作り上げ、ニューエイジの社長がクラウド関連のイベントで、「わが社は!」とやっていたタイプが調子が悪い。

去年の夏ごろまでは無敵な雰囲気だったんですが、変われば変わるもんだな・・と。

この創業年数が若いというところがミソで、右肩上がりで成長してきたスタートアップって必ずこう言った壁にぶち当たります。当初のビジネスモデルが陳腐化してきたその時です。そもそも0を1にすることも結構すごいのでこの間は勢いで伸ばすのですが、1を10にする途中で「あれ・・このままの成長直線は難しいのではないか」という状況が必ず生まれます。そのとき、いわゆる踊り場になったときに、それを乗り越えたことのない会社が今多数生まれているのではないかと推察しています。

実は老舗SIerだって、ITバブルだリーマンショックだと、いろんな荒波をかぶっています。そしてその上で生き残ってきています。だからWeb系ソシャゲ系が調子が良かったときに、さんざんこき下ろされたSIerは結局生き残っており、またここ最近調子を取り戻しつつあります。

結局のところ、Web系もソシャゲ系もSIerも、この温度の差は単に創業年数がそれぞれでずれているからじゃないかという感想です。

ここから数年は、SIerの方が優勢になるかもしれないな、と思っています。

ただ、そうであってもWeb系やソシャゲ系が、組織を整えビジネスモデルを再確認し、地道に事業を固めていけば、また成長の機会は訪れます。急な結果を求めたり、過剰投資したりして会社ごと無くなるという例もあまたありますから、我慢の時期がやってきたと言えると思います。

スタートアップでかつSIerなんて今どきいないと思いますが、実は現時点でねらい目なのかもしれません(大手SIerの下請けにならなければ、の条件付きですが)。

 

どんな壁か

さて、なぜこういうことを感じているかというと、以下の怪文書(消えるかもですが)を見たからです。

 

anond.hatelabo.jp

 

上は全部ウソかもしれませんが、成長してきた企業が必ずブチ当たる困難がきれいにまとまっているなあと感心しました。私は、だからといってスマートニュースはまだ駄目じゃないと思います。むしろ会社に不満がある人が一斉に辞めた後に、残った人が急に育って成長フェーズに乗った状況をこの目で見たことがあります。

不満がある人が会社からがっつりいなくなると、もちろん人手が足りなくなりますが一方で、会社が静かになります。そして残っていた人が仕事を整理し出し、ニューワールドを作り上げてしまう。面白いのは、残った人は「不満を言う人が会社にいるのが不満だ」ということが多く、嵐が過ぎた後組織の血の巡りが良くなってしまうのです。

世の中には成長企業好きな人たちが一定いて、ちょっとでも踊り場に入ろうものなら別の成長企業に移ります。それはそれで職業選択の自由ですから問題ないのですが、そういったアクティブな人がいるから楽しいと思っていた人たちは、急に不安になります。不安が不満に変わり、最終的には辞めてしまうか不満分子として残り続けることとなります。

まあこんな感じで、踊り場を乗り越えれず没落していく企業もいて、一方で盛り返す企業もおり、簡単に現在の状況だけ見て長期的にいいとかダメとか考えるのは早計です。ずっと成長してきた企業が踊り場に入っただけで「ダメ」という人もいますから注意です。

 

会社が続くなら、長くいた方が勝ち

一般論として、一つの企業に長くいるとその企業でしか身につかない業務知識は、在籍年数が長いほうが有利です。そのうえで会社に業績の波が起こり調子が悪いときに、「あー悪いもうダメ」と辞めていく人たちを横目で見ながら、放っていった仕事を拾いながら自分の職域を広げ、職位を上げていくタイプの人が、一つの会社においては出世しがちなように思います。そういう人たちは「あのときは悪かった」って思い出を語りつつ存在感を出しますね。

そう考えると、その状況を蹴ってまで転職するというのはギャンブルであり、絶対勝てると思ったときだけ勝負するべきでしょう。

私も過去、一回ギャンブルを打ち、個人的には成功できました。あのときは、会社に残ったら本当にダメになると思ったので後悔はありません。ただそんなこと、人生でそんなに回数はないかな、と。

何度も転職を繰り返して成長する人もいるので一概には言えないのですが、やはり転職は慎重に。それでも転職するならば、ぜひ前向きな気持ちで臨みたいですね。後ろを向いてアレが悪いコレが悪いと言うのではなく。